悪魔のメール
木暮香瑠:作

■ 新たな要求4

 男子たちの前を美樹が、胸を揺すりながら走り過ぎる。男子たちの視線は、ブルマーに包まれた丸い相肉に移る。ピンクの布地に包まれた柔肉が、足の運びにあわせクリクリと動く。男子の一人が、太股の付け根の当たりにはみ出した白い布地を見つけた。
「おおっ、美樹ちゃん、はみパンじゃん」
「えっ、うそっ!」
 美樹は、慌ててブルマーの下に指を忍ばせ確認する。ブルマーの後ろから、チラッと真っ白いパンティーが覗いていた。更衣室で、一度下げたパンティーを引き上げ、急いでブルマーを履いた時、はみ出してしまったのだ。美樹は、慌てていた為、それに気付かなかった。
(あっ、ばれちゃう。この中に、いたずらメールの犯人がいたら……。命令に従わなかったこと、ばれちゃう……)
 美樹の顔が一瞬凍てつく。
「おい。美樹、ノーブラじゃないか? 揺れすぎだぜ、美樹の胸……」
「ああ、背中にブラの線、見えてないもんな。それにしてもあんなに大きかったなんて……」
 男子たちの視線は、みんな美樹に向けられた。同級生の揺れる胸に興奮した視線を送っている。美樹は、そんな会話や視線を気にしている気にしている余裕も無くなっていた。お尻のブルマーの裾を気にして、指を裾に忍ばせパンティーラインを確認している。
(ばれちゃう……、パンティーを履いてること……)
 パンティーラインを気にして、ブルマーの中を動く指先を男子たちが見つめている。お尻と太股の付け根から、太股も合わせ目に向かって指が動く。その仕草は、女の子の色気を、十分に感じさせるものだった。

 湿気を含んだ重い空気が、美樹の身体をねっとりと包んでくる。ただでさえ湿気の多い季節なのに、今日は朝まで降った雨が上がり、体育館の外は梅雨の谷間の強い日差が照り付けている。地表の水分が蒸発し、体育館の中を漂っていた。
(暑いわ。どうしてこんなに暑いの?)
 じっとしていても汗が噴出してくる。ましてや、バレーボールをプレーしていると、額には玉の汗が浮かんでくる。ボールを追いかけるたび、美樹の胸が大きく揺れる。胸が揺れるたび、Tシャツの布地が乳頭に擦れ、刺激を加えてくる。心なしか、シャツを押し上げている。
(いやっ、胸が……)
 プレーをしていない男子たちは、揺れる美樹の胸に、露骨に視線を投げかけた。体育館の熱気と男子たちの熱い視線が美樹を包み込む。犯人にパンティーを履いていることがばれたのではないかという不安が追い討ちを掛ける。
(あ、暑いわ……。見られてる……。みんな、美樹の……胸を見てる……)
 恥辱に身体が火照る。汗が身体中から噴出してくる。暑く、そして湿気を含んだ体育館の空気が、さらに拍車を掛ける。顎から流れ落ちる汗が、首を伝いTシャツに吸い込まれていく。背中から、胸の谷間から汗が吹き出てくる。汗を吸ったTシャツは、美樹の身体に貼り付き、大人になりたての優美な身体の線を浮き出していった。小さな背中からキュッと絞り込まれたウエスト、そこからふわっと拡がり、張りのあるヒップラインへと繋がっている。鎖骨の凹みから、その下から急に起ちあがりお椀形状をした膨らみもくっきりと現していた。揺れる胸の隆起の頂点の尖りまで判りそうだ。貼り付いたTシャツは、胸の揺れをダイレクトに乳首に伝えた。揺れるたびコリコリと乳首がシャツによって転がされる。
(ああ、だめ……。これ以上感じたら、乳首……、立ってるの、ばれちゃう……)

「はい、美樹。お願い」
 由布子のレシーブが、大きく男子側のコートに反れた。
「はっ、はい」
 美樹は、ボールを追いかける。ボールは、伸ばした手の少し前に落ちた。美樹は、バランスを失い、そのまま男子コートのすぐそばに仰向けに倒れてしまった。
「美樹ちゃん、だいじょうぶ?」
「はあ、はあ、はあ……」
 倒れこみ、息を荒く吐いている美樹を、コートの傍で観戦していた男子たちが覗き込む。Tシャツが捲れ、白く柔らかいお腹の肌が露出する。その中央に、縦長の臍が見えている。男子たちは、白い肌と臍を見て楽しみ、視線を胸の方に移した。先ほどまで、大きく揺れていた相乳が、目の前で横たわっているのだ。仰向けになっても、潰れることなく隆起する相乳が、男子たちの輪の中で、荒い吐息に波打っている。そして、美樹の着ているTシャツは、汗を吸い胸に貼り付き透けていた。
「おおっ、ビーチク見えてる……。透けてるじゃん」
 男子の一人が、戸惑いながらも、思わず手を伸ばす。
「えっ、……」
 美樹は、男子たちの声に驚き自分の胸を見た。乳首はおろか、ピンクの乳輪まで透けて見えそうだ。尖り出した乳首は、貼り付いたTシャツを通して、その形をはっきりと現していた。
「いっ、いやああああ……、み、見ないで……、触らないで……」
 美樹は、慌てて両手で胸と臍を覆い隠した。

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