M奴隷マミ
一二三:作

■ 土曜日の下見1

 週末の土曜日、N医師から須藤に電話があり、
「今日当番医が来るから、例の所、見に行くかい」
と、以前から計画を練って居たプレイルーム予定場所の下見の誘いがありました。
「今日午後は外来休診だから昼飯一緒に喰うかい、1時半に○×寿司で待ってるよ」
「了解、婦長も一緒かい、宜しければ専務夫婦を連れて行くよ」
「好いよ、じゃー6席取って置く」
「5人だよ、マミは部活で来られないのだ」
「ああ、そうか解った」ガチャン。
 小、中、高、と同窓生だった須藤と長掘りは、ひょんな事から性的嗜好が同じ事が解り、一般社会には認知されて居ないSMサークルを作ったのはつい2ケ月前です。
高校卒業以来、片や船員、片や産婦人科医師と、職業が違う事も有り、其の後27年、お互いが好い社会人に成った処で再会したのが縁で、少しばかりの遊ぶ金が使えるのを好い事に、生まれつきの性癖、サディストを楽しむ為意気投合したのです。
此の社会から白い目で見られるSMのマイルームを持つ事は至難の業です、ホテルでは満足な器具が揃わないし、自宅では近所が気に成るしで、中々思う様なプレイが出来ず、中途半端なプレイで我慢して居た処にN医師から、「俺の父の名義の商業ビルの地下が空いているが使えないか」と提案が有り、其れを観に行かないかと誘われたのです。
須藤達3人が○×寿司に着いた時N院長は未だ来て居なかった。
「いらっしゃいませ、先生は未だですけど承っております、どうぞ此方へ」
と一番奥の小部屋に案内され。
「もう追っ付け来られると思います少しお待ちになりますか、それとも先に何か飲まれますか」
とお絞りを置きながら云う、
「先生達が来てから一緒で良いですよ」
「それじゃ暫くお待ち下さいませ」
 5分も経たない内にN医師が婦長を伴って現れた。
「遅くなって済まない、待たせたね」
と言いながら席に着く。
「どうもどうも其の節はお世話になりました。此れが僕の勤めてる会社の雁野専務、此方がマミの母親、佳美さんです、宜しく」
と紹介して、専務が名刺交換です。
其処へ女将が来て、
「ビールにしますか其れともお酒でしょうか」
「専務さんビールで良いですか」
「結構です有難う御座います」
ビールと肴が出て先ずは乾杯。
食事しながらN医師が須藤に聞いてきた。
「この前聞く暇なかったけど、須藤とは高校卒業してから会うのは初めてだよね。あれからずっと船に乗ってたのか、何で船下りたんだ、船は良いだろう、給料は多いし、港港に女はいるし、不足は無かろうに」
「乗せてくれる船が在ればの話だよ、今、日本船籍の船でも大半が乗組員は外人だよ、然も後進国の人ばかりだ、僕が降りるまで乗っていた船も乗組員45名の内日本人は、船長、機関長の僕、事務長の3人だよ。其の会社も倒産すれば如何にも成らないよ、昭和30年代の「海運王国日本が懐かしいよ」
「へぇー、そんなに厳しいのか、海運不況は聞いていたけどねぇ」
其れから約1時間、食べながら須藤が船で廻った港の話しに皆が聞き入っています。
シンガポール、バンコック、ボンベイ、ドバイ、オスロー、ハンブルグ等、上陸すれば真っ先に駆け込むのが女の居る所。此れが歳を取るに攣れノーマルでは面白くなくなり、遂にオスロー、ハンブルグでSMの世界に入ってしまった。当時ハンブルグのSM劇場では其の頃の僕達では想像を絶するショーを行っていました。3P、4Pは当たり前で、1人の女に3人の男、1人が女の口にお化けの様なペニスを咥えさせ、1人が拳を膣に入れ、1人が筋肉隆々の刺青を入れた腕をアナルに肩まで入れて失神するまで責めます。針、釘、鋏、鞭、切裂き、縫合、異物挿入等による拷問ショウ。犬、豚、馬、蛇等獣姦ショウ。当時としては驚くばかりでした。其れを実践して診ると、こんな素晴らしい物は無いと確信しました。此れが僕のSM人生の始まりです。
と、長々話している内に食事も終わり専務が会計を済ませ、此処からそう遠くないテナントビルに行きました。

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