桃香
木漏れ日:作

■ 3

「ああ…。」
私は不機嫌になってそう言った。
彼女は微笑み、
「可愛い…。」
と言った。
「なんだと!」

私はむかついて声を大きくした。
「ごめん…ハイこれ…。」
彼女は一枚のメモを私の前に置いた。
見ると携帯の番号が書いてあった。
「これで何時でも連絡出来るでしょ?」
「うん…。」

私はあっさり機嫌を直した。
「あなたのも教えて…。」
私が言う番号を彼女は携帯に登録していく。
「ところでなんで下着置いてったの?」
「分からない?」
「うん…。」

「鈍感ね…。」
「うん…。」
彼女は立ち上がり私の側に座った。
そして私に抱きつくとキスしてきた。
口を離すと、
「ねぇ、スカートの中見て…。」

と言った。
私は暖かそうなスカートに手を入れた。
スベスベの肌がそこにあった。
私はドキドキした。
「ねぇ、好きでしょ? こういうの…。」
「うん…。」

「見ていいよ…。」
私はスカートを捲くった。
キレイなワレメがあった。
毛は生えてない。
「毛は?」
「生えてこないの…。」


「キレイだ…。」
「ありがと…ねぇ寒いよぉ…。」
「あ、ごめん…。」
私はスカートを下ろして立ち上がろうとした。
「どうしたの?」
「お茶入れるよ…。」

「あたしがする…。」
「そう?」
「うん…。」
「じゃ戸棚にココアあるから…カップはその上」
「わかった…。」
彼女はキッチンに移動する。

私は隣の部屋からクッキーの箱を持って来た。
彼女が来たら開けようとこの前買っておいた。
「お待たせ…。」
そう言いトレイに二つカップを載せて運んで来た。
そして私の脇に足を入れる。
「狭くない?」

「全然…。」
私はココアを啜る。
体の温まるのが分かる。
「おいしい…。」
彼女が呟いた。
「なぁ?」

「ん?」
「何時も穿いてないの?」
「そうね…。」
「寒くない?」
「慣れた…。」
「何時から?」

「ずっと…。」
「じゃ最初逢った時も?」
「穿いてないよ…。」
「じゃこの前のショーツは?」
「プレゼント!」
「そうなの?」

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