夢魔
MIN:作
■ 第13章 調教7
ユラユラと揺れる炎が、白い柔肌の上を行き交い、その度に赤い花を咲かせる。
「くふぅ…くっ…」
短い押し殺した苦痛を示す声が上がり、炎が上から遠ざかる。
弥生の耳に、隣から同じような声が届く。
「ひっ…ううっ…」
そして、同じ間隔で弥生の身体に、刺激が走る。
「あくっ…ううっ…」
庵の手に持たれている、蝋燭は最初有った長さの、1/3程に変わり、3点ブリッジで晒した、弥生と美香の前面に赤い花を咲かせていた。
「どんな感じだ…、そろそろ慣れたか」
庵が呟くように聞くと
「あ、熱いだけで…慣れません…」
弥生が震える声で、庵に答えた。
「わ、私も熱いだけで…何が良いのか解りません…」
美香もハッキリとした物言いで、庵に答える。
(み、美香ちゃん…その言い方は危険よ…もっと、言い方を考えないと…)
弥生は美香の言葉に、焦りながら庵の表情を伺う。
庵は短くなった蝋燭の炎を見詰め、無表情で佇んでいる。
庵が炎から視線を外し、上を向くと、その肩が微かに揺れ始め、小刻みな動きに変わった。
庵の顔が唐突に下を向くと、2人の視界に、あの獰猛な獣の笑みが浮かんでいる。
「クククッ…そうだ…そうだろうな…こんな物じゃ、何も感じないし、何も解らない…」
そう言うと庵は、弥生の方を見詰め
「じゃぁ、先ずはお前からだ…」
弥生に向かって宣言した。
庵は手に持った蝋燭を、美香の無毛の恥丘の上に持って行き、溜まった熱蝋を一挙にぶちまける。
「熱ーーーっ」
美香は固く眼を閉じ、悲鳴に近い声を上げた。
庵はそのぶちまけた、熱蝋の上に手に持った蝋燭を押しつけると
「倒すなよ…」
短く美香に命令する。
美香の恥丘の上で、5pほどの長さに成った蝋燭が、ユラユラと揺れていた。
庵は弥生に向き直ると、平鞭を手にして無言で、振って行く。
パン、パン、パン、パン。
軽い音を立て、弥生の身体の前面を平鞭が、叩いて行きあっという間に、今まで有った熱蝋の花が消え散った。
庵は鞭を背中に戻し、さっきと同じ長さの蝋燭を、左右2本ずつ持ち、美香の恥丘の上の蝋燭から、炎を移す。
4本の蝋燭に炎が灯り、弥生の視線を奪う。
炎の奥にある、庵の獰猛な笑みが、弥生の心を握り込み、震え上がらせる。
「行くぜ…」
庵が短く宣言すると、弥生の身体はパニックを起こした。
庵の操る4本の蝋燭は、弥生が見て蝋の落ちる箇所を予測して、身体を強張らせて準備する所と、全く別の場所に落ち、弥生の感覚を狂わせる。
弥生の身体は、庵の操る蝋燭により、跳ね、震え、硬直した。
それは、まるで人形師に操られる、操り人形のように、庵の手の中で動かされる。
「あひー、は、は、あくっ、ひーっ、あっ、あっ、あっ、ひゃーーっ」
大きく目を開き、次々に落ちてくる蝋を一生懸命見ようとする弥生を、あざ笑うかのように、熱蝋は弥生の身体を覆って行く。
暫くすると、弥生の声と反応が、変わり始める。
弥生の脳が、苦痛から逃れるために、脳内麻薬を分泌させ始めたのだ。
脳内麻薬で代表されるエンドルフィンは、脳内で機能する神経伝達物質のひとつであり、モルヒネ同様の作用を示し、多幸感をもたらすと言われている。
マラソンなどで長時間走り続けると気分が高揚してくる<ランナーズハイ>は、これの分泌によるものだ。
通常エンドルフィンはそれ程安易に、分泌される事はないが、何度も分泌される事により、脳がその状態を覚えて、より分泌され易くなる。
庵の調教は、その状態を脳に焼き付け、自在に分泌させるのが、目的だった。
熱蝋が落ちると、弥生の腰がガクガクと揺れ、股間からドロリと愛液が溢れる。
「あふぅ〜、はん、はん、ああ〜ん…ん、はぁぁぁ〜…」
弥生の理知的な顔は、トロリと官能に蕩け、半開きの口から熱い吐息と涎を漏らす。
庵は弥生の反応を見ると、一気にケリを付け始める。
庵は意図的に、弥生の身体の敏感な部分には、熱蝋を垂らして居らず、そこを一挙に責め始めた。
皮膚が柔らかく、知覚神経の密集する、脇腹や内股に庵は集中して熱蝋を降らせる。
弥生の甘い声は、その刺激が快感に変わっている事を、庵に知らせる。
「あはん、はぁ〜…ん〜くっ、くぅ〜ん…あひぃ、くふぅ〜ん…あ、あ、あ、あはぁ〜〜っ…」
鼻に掛かった悲鳴を上げながら、蕩けた瞳に涙を浮かべ、理解できない快感に溺れて行く。
弥生のオ○ンコからは、ドロドロと粘性の強い愛液が溢れ、会陰部を通ってアナルを濡らし、糸を引くように床に垂れていた。
庵の手の蝋燭は、いつの間にか右手に3本、左手に1本に変わっている。
右手が弥生の身体の上を目まぐるしく動き、快感を高めていくと、左手はジッと一点から動かなかった。
弥生の身体が小刻みに震えだし、押さえきれない快感を育てると、庵の左手が動く。
左手の蝋燭に溜まった、熱蝋を庵は一点に落とす。
本来なら決して受ける事のない刺激、表皮に守られ強い刺激を拒む箇所に、それが加えられる。
庵の左手が落とした熱蝋は、正確に弥生のクリトリスの真上から、全体を覆った。
「あひゅ〜〜〜〜〜〜っ!」
弥生は大きく目を開き、ビクビクと全身を振るわせて、オ○ンコから大量の潮を吹いて、ドサリと崩れ落ちた。
大きく見開いた目は白目を剥き、口から舌を出して涎を流し、ジョボジョボと失禁した。
庵は弥生から興味を無くすと、クルリと回って、美香を見下ろす。
美香は振り返った庵の笑みに、恥丘で燃えて居る蝋燭の熱さも、そこから流れ出て、股間を伝う熱蝋の熱さも、全て忘れて恐怖する。
そして、庵は美香に、ユックリ近付くと、弥生と同じ失神にまで、持って行った。
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