夢魔
MIN:作
■ 第13章 調教13
庵は暫く2つの燭台を見詰めていた、口からは呻きのような淫声が漏れ、配置された蝋燭は長さが3p程に成り、股間の蝋燭は、クリトリスには届きようがない。
庵は燭台に近付くと、足下の蝋燭を拾い上げ、2人のオ○ンコに、躊躇無く突っ込んだ。
2人の口から一際大きな、声が漏れると、庵は踵を返し部屋の隅に移動して、携帯を操作する。
10秒程で、居間の扉の向こうに、人の気配が近付く。
扉の向こうに現れたのは、庵が呼んだ稔と真だった。
庵は居間の入り口で、2人を迎え唇に人差し指を当てる。
稔と真は、庵の態度に目線を奪われ、中がどう成っているのか、確認していない。
「仕上げを手伝って下さい…、これで2人の蝋を、払い落として欲しいんです」
庵は2人に平鞭を一本ずつ差し出して依頼する。
「顔は最後に、手で取ってやって下さい…お願いします」
庵はそう言うと、2人は頷き、中に招き入れられた。
2人は中の惨状を見て、絶句する。
無言で庵を見詰める稔、パクパクと驚きを隠せない真。
庵は人差し指を再度口に当てると、スッと頭を下げて身体を引き、2人に道を空ける。
2人は無言のまま進み、人間燭台の前に立った。
庵はそのまま、居間の壁にもたれ掛かり、腕組みをして結末を見守る。
2つの人間燭台は、口からうめき声のような声を上げ続け、新しい加虐者の参入には、気付いていない。
真は顔を赤く染め、プルプルと震えながら、弥生を見下ろす。
稔は無表情に、何処か悲しげな色を湛え、美香を見詰めた。
真は振り返り、庵を見詰めると、その視線を受け庵はコクリと頷く。
稔の手がユルユルと上がり、平鞭で美香の手の上を一振りする。
ブンと風を切る音が鳴り、美香が両手に持った、蝋燭の火が消えた。
その音を聞いた真が、弾かれるように稔に向き直ると、稔の行動の意味を知り、直ぐさま自分も真似をして、弥生の手の蝋燭の火を消す。
そして、その一振りが、それぞれの行動の始まりだった。
稔の鞭が、美香の身体の回りを振り抜くと、蝋燭の火が全て消える。
稔の鞭がパシっと、美香の右手を打つ。
美香の右手に持っていた、蝋燭と右手の回りの蝋が飛び散る。
稔の鞭は、パシ、パシ、パシと軽い音を立てて、美香の右手首から肩までの、こびり付いた蝋燭を正確に打ち付け、吹き飛ばす。
稔の鞭が、同じように左手を打ち始めると、美香の呻きが止まる。
稔は鞭で美香の両手を押し、身体の横に拡げさせた。
無防備に晒された、美香の前面の蝋燭を、器用に鞭を打ち付け落として行く。
肩、腹、太股、感覚の鈍いところは、大胆に。
内股、脇腹、乳房、感覚の敏感なところは、繊細に。
稔は鞭を打ち付け、蝋燭を落とすと、美香の身体が、小刻みに震え始める。
稔が後ろに回り、背中、お尻を打ち付けると、美香の口から、大きな喘ぎ声が漏れた。
粗方の蝋燭を落とすと、稔は美香の前に回り、平鞭を床に置いた。
美香の足下に跪くと、スッと美香の顔に手を伸ばす。
真の鞭がパタパタと弥生の蝋燭を仰いで、火を消して行く。
真が鞭でペシリと弥生の手を叩くと、ポトリと弥生の手から蝋燭が落ちた。
真はペシペシと情け無い音を立てて、弥生の右腕の蝋を、払い落として行く。
真は時間を掛けて、丁寧に弥生の右腕に付いた蝋燭を、払い落とすと、左腕も同じように丁寧に払い落とす。
真は一度鞭を床に置き、弥生の両手を捧げ持つと、左右に拡げる。
身体の前面を空けると、真は鞭を手に取り、また丁寧にペシペシと、払い落として行く。
真が弥生の乳房や腹を丁寧に、払っていると、弥生の身体が震え始め、開きっぱなしの口から、嗚咽が溢れ始めた。
真は嗚咽を聞いて、オロオロとし平鞭を、自分の太股に打ち付け、感触を確かめる。
自分の打ち付ける鞭に、痛みが無い事を確認した真は首を傾げ、嗚咽の原因を探した。
考えても解らなかった真は、何より弥生を解放する事を選び、また丁寧に払い始める。
後ろに回って、背中とお尻を綺麗にした真は、弥生の前に回って、鞭を置き跪いた。
真はあたふたと、弥生の顔に手を伸ばす。
美香は自分の身体の回りに起こる、風切り音を聞いた。
風切り音の後、右手を打ち付けられ、蝋燭を取りこぼす。
手の部分の蝋燭が飛び散り、新鮮な空気を皮膚が感じる。
右手を肩に向けて次々に打ち据えられ、ドンドン蝋が飛び散って行く。
美香は痺れきった頭の中で
(あ〜〜〜…このムチ…とってもきもちいい…)
言葉にならない思考で、恍惚を覚え始める。
続いて直ぐに、同じような刺激が、左腕を走ると美香の意識が、覚醒を始めた。
(ま、待って…この鞭…庵様じゃない…。庵様のはもっと、体の芯に響く…誰…誰の鞭…)
美香はただ一人の名前を思い出すが、その人物はこの場所に居ない筈と、否定する。
美香の思考を妨げるように、鞭で両手を拡げさせられた。
美香の身体の前面に、刺激が走る。
感覚の鈍い箇所には、大胆なタイミングで素早く、敏感な場所には一発ずつ繊細に、刺激が送られて来た。
(嘘…嘘…居るはず無い…ここに居る筈無いわ! だって…今、隣で、別の2人を相手にされて居る筈…)
美香は、この鞭を振るう人間は、一人しか居ないと断定していても、それを認める事が出来なかった。
それを認める事は、自分の妄想が、現実に溢れるという事だからだ。
(もし、これがあの方なら…私は自分を止められない…あの方にも、同じ事を求めてしまう…私の口から…きっと言ってしまう…[虐めて下さい]って…)
美香が自分の妄想と戦っている間に、背中の鞭打ちが始まり、美香は思わず妄想に負けて、声を上げる。
美香が自分の妄想に負けて、恥じ入っていると、身体の前に人の気配を感じた。
庵以外の人の気配に、美香は心から願う。
あの方では、有りませんように…。
あの方で、有りますように…。
2つの相反する思いに、身を焼きながら、美香は息を殺す。
そして、自分の顔に誰かの手が掛かった。
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