夢魔
MIN:作
■ 第32章 崩壊32
2人の紡ぎ出す音は、先程以上に絡み、溶け合い医院長室を満たし始める。
美香は稔の足の上で、腰を複雑に捻り、持ち上げ、くねらせて、その喉からは官能の歌を漏らした。
「くふん…はぁ〜…あん、あん、はぁ〜ん…あ、あ、あ、あひ〜っ…」
美香の淫声が、高く低くピアノの音に合わせるように漏れると、それに合わせオ○ンコの抽出音が湿り気を帯び、大きくなる。
2人の紡ぎ出すピアノの音、ヌチャヌチャと湿った規則正しい抽出音、美香の喉から漏れる熱い淫声、それらが絡み合い甘く切ない、1つの曲を作り上げて行く。
「美香…美香のオ○ンコ…最高に気持ちいいですよ…。美香はこのご奉仕が、好きなのかな…?」
稔が美香の耳元に、囁くと
「ひゃん…は・い…。こ、このごほうし…美香…だいすきに…なり…ました…。すごく…きもち…いいです〜ぅ…」
美香は髪を振り乱し、快感を押さえ込もうとする。
その度に、稔のチ○ポを食い千切りそうに、美香が締め付け、稔も暴発寸前になった。
(くっ…これは、本当にイッてしまいそうです…。美香の中が複雑に蠢いて、絡みついてくる…)
稔は美香のオ○ンコの動きに、驚きながらも、必死で暴発を防いだ。
だが、曲が激しく美香の声も一際高くなっていくと、稔の我慢も限界を向かえる。
「美香…イキますよ…」
稔がかみ殺した声で、美香の耳に告げると、美香も大きく首を振って
「美香も…美香もイッても…よろし…い…ですか…」
絶頂の許可を求めてきた。
「一緒に、イキますよ…美香」
稔の指示に、美香は返事を返すと、鍵盤を走る手がクライマックスを知らせる。
「く〜っ!」
「あひ〜〜〜〜っ」
2人の口から同時に絶頂を向かえた声が漏れ、ビクビクと身体を震わせた。
ピアノの鍵盤に置かれた手は、右手は稔が上から絡め、左手は美香が上から絡めて、固く握り合っている。
はぁはぁと荒い息を吐き、余韻に浸っていた美香は、稔の足の上からスルリと床に降り立ち、跪くと両手をオ○ンコにあてがい、しずしずとお掃除フェラを始めた。
丁寧に稔のチ○ポに舌を這わせながら、スカートの中はオ○ンコに指を突っ込んで、稔の精液を掻き出し、掌に溜めている。
稔のチ○ポを舐め清め終わると、唇を離し亀頭にキスをした。
稔の足下に正座すると、股間から手を離し、稔の精液と自分の愛液の混ざった液体を掌に溜め、稔に見せる。
「良いですよ…口にしてください」
稔が優しく微笑むと、美香は嬉しそうに微笑んで、子猫がミルクを舐めるような音を立て、掌の液体を舐め始めた。
稔の見詰める中、美香はピンク色の舌全体で、味わうように舐め上げると
「稔様…美味しく頂きました。またいつでも、美香にご奉仕させてくださいませ」
何もなくなった掌を、稔に差し出しニッコリ笑うと、平伏して挨拶をする。
稔が頭を持ち上げるように言うと、美香は頭を持ち上げ、スルスルと稔に近付き
「失礼いたします…」
稔の股間にそびえ立つチ○ポを、丁寧に下着に納め、ズボンのチャックを上げた。
稔は満足顔で、美香の頭を撫でると、美香は嬉しそうに目を細める。
その光景を、扉の隅からジッと美紀が見詰めていた。
(お姉ちゃん…また稔様を独り占めしてる…。ソロコン出れなくて、落ち込んでると思ったから、折角励ましに来たのに…、嫌なの見ちゃった…)
美紀は扉から離れ、踵を返し廊下を走って行く。
美紀の頬には、いつの間にか涙が伝っている。
美紀は人気の無い所を探し回り、知らず知らずのうちに、病院の通用口に立っていた。
(まただ…また、お姉ちゃんに嫉妬した…。解ってる…解ってるはずなのに…、私はいつも同じ事の繰り返し…)
涙を拭い、前を向くと扉の向こうに、コンビニの明かりがボウッと見える。
(良し! こんな気持ちなんて、甘いものでも食べて、拭きとばそっ…)
パシパシと、頬を自分で張って、気持ちを切り替え扉を開けた。
病院の通用口から、コンビニまでは直線で300m程の距離、美紀はその距離を安易に考える。
決して一人で外出してはいけないと、固く禁じられていたが、今の美紀の頭にはそれは無かった。
ただ姉に対する、嫉妬心や敵愾心を自分が抱いた事に、気持ちを切り替えて反省する。
そんな考えだけが、美紀の頭を占めていた。
プログラムの中の1つのバグ。
それは、誰も予想していない偶然や、安易な行動から簡単に起こりえる。
美紀の行動も、そんな事柄の1つだった。
稔の居なくなった医院長室で、余韻に浸りながら、美香は窓辺に佇んでいた。
(凄かった…どんな物より…今日のご奉仕は…素敵だった…)
ウットリと成り、いまだ熱い吐息が唇から漏れる。
ふぅ〜と息を吐いた美香の目が、窓外に[有る物]を見つけるまでは、夢見心地だった。
美香が見つけた、[有る物]とはコンビニに向かって走る、美紀の姿で有る。
(あ、あの子…あれだけ、一人で出ちゃいけないって、言われてたのに…ご主人様に見つかったら、お仕置きだわよ…もう、仕方ない子ね…)
美香はソッと部屋を出ると、階段を駆け下りて行った。
この時美香が仏心を出さず、稔達に報告していれば、事態は別の方向に向いていたかも知れない。
階段を使わずに、エレベーターを使っていれば、警備員が気付き何らかの、方法を取っていたかも知れない。
しかし、全ては起こってしまえば、それはただの後悔でしかなかった。
小さな選択のミスが、また1つのバグを産む。
美香の行動も、そんな事柄の1つだった。
事態は刻一刻と、奔流のような流れに、飲み込まれ始める。
■つづき
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