夢魔
MIN:作
■ 第32章 崩壊82
男達がその事実に気付いた時は、もう後の祭りである。
男子生徒達で運んだ重量物は、完全に階段室の扉を塞ぎ、侵入不可能にした。
その報告を受けた佐山は激怒したが、逆を返せばその者達は、そこから一歩も動けない、その上地下には食糧の備蓄は殆ど無く、長期戦に成れば絶対に佐山が有利だった。
地下に逃げた200人程の生徒は、最早袋のネズミ同然と、佐山は放置を決め込んだ。
実際地下に逃げ込んだ、当の本人達もその事を一番心配し、至急地下内の食料を探す。
すると、悦子の調教スペースの向かい側に、一度も使われていない純のスペースを発見する。
弥彦がそのスペースの扉を開け、中を見て驚いた。
そこには、[誰がこれを食べる]と言える程、大量のレトルト食品が備蓄されている。
その数は、実に5千食は有った。
その純の調教スペースを埋めていたのは、来日してからの稔の食料だった。
予定より早く森川親子を陥落した為、不要となった食料だったが、捨てきれずに取っておき、どうせ使わない自分に与えられた調教スペースを、倉庫代わりにしていたのだ。
純のセコさが、弟分の窮地を救う結果に成る。
弥彦達は、ホッと胸を撫で下ろし、籠城戦に備えた。
一方、もう一つのエレベーターを使用不能にしたグループが有った。
それは、教頭と春菜、それと家畜奴隷のグループで有る。
教頭は連絡を受けた時は、家畜奴隷達と一緒にラウンジにいた。
連絡を受けると、教頭は直ぐに嫌な予感がし、春菜に連絡して呼びつける。
春菜が登校して、その物々しさに驚きながら、職員室に入らずラウンジに上がると、直ぐに一斉放送が鳴り始めた。
[これは、完全に非常事態]と教頭は、稔達に言われた10日間をここで過ごす事に決める。
ここには、9人の人間が居るが、十分に食料も飲み物も有った。
非常口もラウンジからしか開けられず、エレベーターを押さえた今、侵入は不可能である。
籠城戦には、最適の場所だった。
教頭はここまで、反抗した為腹を決め、家畜奴隷達の拘束を全て外し、暖かいベッドで眠るように指示を出す。
家畜奴隷達は、傷だらけの教頭に抱きつき、感謝の言葉を辿々しく吐いた。
佐山がラウンジの異変に気付いたのは、地下の反乱を聞いてその処置を決めた後だった。
それも気付いたのは、自分自身である。
一段落し、ラウンジで酒でも飲もうと、エレベーターのボタンを押した後の事だ。
一向に降りて来ないエレベーターを苛立たしく待っていた時、教頭の姿を見ていない事に気付く。
直ぐに佐山は職員室に向かい、捕らえた奴隷女教師を調べる。
(クソ、霜月が居ない! 確かあいつは、教頭に気に入られてたと報告を受けてる。今度は上か! チッ、構わん。どうせ奴らも逃げられん)
佐山は直ぐに気持ちを切り替え、次の段階に移った。
佐山は理事長室に入ると、キサラを呼びつける。
キサラは屈強な黒服達に連れられ、理事長室に入ると
「あんた、何しようっての? こんな事して、理事長にクビにされるわよ」
佐山を睨み付けながら、鋭い声で告げた。
それを聞いた佐山は、俯き[クックックッ]と噛み殺した笑い声を上げ
「あれが、俺をクビにする? 出来る訳無い。あれを操ってるのは、他ならぬ俺だ! あいつは、俺の木偶人形、只のお飾りだよ。10年前知り合ってから、ずっとそうだ。あいつ自身は、一切そう思って無いがな」
キサラに暴露する。
「お前を寄越した田口もそうだ、今では従順な俺の僕だ。せっせと財産を吐き出して、俺の城を固めてくれた。だが、それも終わりだ…。こう言う商売は、引き際が肝心だ…」
キサラの顔が引きつり、激しく動揺すると、佐山はその心の動きを見て取り、催眠を掛け始めた。
佐山は巧みに言葉を操り、キサラの反応を見ながら、催眠を掛けて行く。
その行為は、蟻地獄に落ちた蟻が、藻掻きながらもドンドン深みに嵌って行く姿に似ている。
キサラは心の動揺を佐山に揺さぶられ、ドンドン深い催眠を掛けられた。
「ほら、眠りなさい…」
佐山の言葉で、キサラはカクリと首を落とし、身体の力を抜いた。
佐山はニンマリと微笑むと、キサラに更に深い催眠術を掛け、意のままに操れる様に、後催眠を掛けた。
佐山は後催眠を掛け終え、グッタリと床に横たわるキサラを尻目に、腕時計を確認する。
「チッ、4時間も掛かったか…。強情な女だ…」
舌打ちすると、キサラに視線を向け
「目を醒まして、俺の言葉に従え…」
キサラに命令する。
すると、キサラの眼がぱちりと開き、身体を持ち上げ
「はい、ご主人様…」
虚ろな声で、返事を返す。
佐山はニンマリと微笑むと
「立ち上がって服を脱げ。服を脱いだらオ○ンコを晒して、俺の前でオナニーしながら、俺の質問に答えろ」
キサラに命令を下す。
キサラは佐山の命令を受けると、直ぐに立ち上がり洋服を脱いで全裸になり、足を開いて座ると、命令どおりオ○ンコを晒してオナニーを始める。
佐山は満足そうに笑い、質問を始めた。
「竹内のメイドが消えた。お前は何か知ってるか?」
竹内の質問に
「はい、工藤、柳井、垣内の3人が、どこかに連れて行くと、相談していました」
キサラはオ○ンコに指を出し入れしながら、佐山に答える。
佐山はその言葉を聞いて、苦虫を噛み潰したような表情になり
「やっぱり、あいつらか…クソ…。八つ裂きにしてやりたいが、今はそんな事は、後回しだ…」
ブツブツと呟き
「何処に隠したか、知っているか?」
再びキサラに問い掛けた。
「いいえ、その話の前に、私は退室を命じられました。どこに、匿うかは聞いておりません」
キサラはクチュクチュといやらしい音を立て、佐山に答える。
佐山は舌打ちをすると、次々にキサラに問い掛けると、キサラは命令どおり、オナニーしながら質問に答えて行く。
30分程質問して、キサラの実年齢や、職業、素性を全て聞き出すと
「よし、お前はこれから俺の隠れ蓑だ、俺がお前を飼ってやる。俺の命令に絶対服従しろ」
キサラに命令する。
「はい、ご主人様。ご命令に絶対服従します」
キサラは虚ろな声で、佐山に服従を誓った。
佐山にとって、キサラの秘密性やバックボーンはとても魅力的だった。
更に、キサラの客を取り込めば、もっと大きな金蔓に成ると考えた。
佐山は自分の次の落ち着く先を見つけ、満足そうに唇を歪めた。
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