縄奴隷 あづみ
羽佐間 修:作

■ 第5章「魔手」2

朝からとてもいい天気だ。
−こんな日に、仕事なんてあづみ先生もお気の毒だわ。そのかわり凄く美味しいのをご馳走してあげましょう!^^

陽子は、朝から上機嫌であづみを迎える準備をした。
味見をすると、けんちん汁も、こぐりも上出来で、てんぷらは、あづみが来てから揚げるつもりだ。

昨夜、閉店して帰宅する間際に、あづみから、せっかくだから、あづみの秘書役の横田真二も同じマンションなんだから呼んであげたら?と言われていた。
明日は久しぶりに先生と二人でたくさんお話がしたいから誘いませんと答えると、あづみは、『あらぁ^^* ごめんなさいね。邪魔しちゃったみたいで^^』とにっこり笑いながら意味ありげな目をして陽子を見詰めた。

「そんなぁ〜^^; まだそういうお付き合いじゃないですよぉ〜、先生ったら変なこと言わないでください!」

「あら、そう?! ごめんなさいね。うふふ^^」
懸命に否定する陽子が可笑しかった。

横田は、あづみと陽子の博多での新生活の世話役という役目で、陽子とは同じマンションという事もあって、接する機会が多く、同年代の二人は自然と仲良くなっていた。
まだ深い関係ではないと思うが、時々食事を共にすることをあづみは聞いていたので、悪戯心で少しからかってみたのだ。
あづみから見ると、とても似合いの二人なので、上手に愛を育んでいってくれたらいいのにと、ひそかに思っていた。

陽子は、別のお鍋に、真二の分を取り分けて、後で差し入れに部屋を訪れるつもりでいた。

『ピン・ポン』
チャイムが鳴った。

「せんせい!^^」
テレビドアホンの小さな画面に、あづみの顔が見えたので、急いで玄関に走った。

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