縄奴隷 あづみ
羽佐間 修:作

■ 第9章「エピローグ」2

朝食を終えたまどかは、玄関で、いつものように腸内洗浄を済ませたあづみのアナルに、プラグを差し込んでやった。
「あづみ^^ 今夜はおまえは、隆さんの方の仕事だったわね?!」
「は、はい」
「仕方ないわね^^ ちゃんとお勤めしてくるのよ!」
「はい! 頑張ります。」

「行ってらっしゃいませ! ご主人様^^」
学校へ行くまどかを深々とお辞儀をして見送った。

ひと回りも歳の離れたまどかに、誠心誠意仕える事が、自分の幸せかも知れないと思うになってきていた。
”高倉”に仕える事が、昌也への忠誠だ…
月に、4、5回、外に連れ出され、高倉ビューティの『セレブ エステ』の広報活動や、夜には『愛奴育成プログラム』の奴隷モデルとして公開調教を享けている。
まどかにも時々、縄で縛られたり、鞭打たれたり、苛烈な責めを享けることもあるが、彼女は感情の起伏が激しく、後先を考えずに無茶をすることがあった。
明け方に突然散歩だとあづみを起こし、近所の街路樹に、裸で括りつけたまま、家に戻ってしまった事があった。
空が白み始めた頃に真由美が気付き、危うく問題にならずに済んだ事もあった。
かと思えば外出先から戻ると、責めの限りを享け、ボロボロになったあづみの身体を、労わりながら丹念に手入れしてくれる優しさをみせてくれる事もあった。
ある種の愛情をあづみに感じているのだろうが、その愛情は、あづみの身体の手入れが終わった直ぐ後に、加虐性を帯びた嫉妬を呼び起こす事がある。
他の男に歓喜の声をあげた証とも言える身体の傷跡に、異常に固執し、あづみを拙い技量だが、朝まで攻め抜くことがあった。
あづみは、その”幼い愛情”を嬉しく感じ、彼女の気の済むまでその責めに耐えて、彼女の牝犬奴隷としての我が身の存在に悦びを感じ始めていた。

最近は、見知らぬ男達から責めを享け、痛みを堪え、意識が遠退きかけた時に、まどかが手入れしてくれる場面を想像しながら耐えている自分に気付いていた。
ドッグハウスが、自分が還る場所になっている。
しかし、月に1度位の割合で、身体の奥底から縄で酔わせてくれる隆の力強い責めが、毎日生きていける真の糧となっているのも、あづみは判っていた。
欲すると適わない毎日が辛いので、懸命にまどかに仕えているのだった。

夕方になって、横田が車で迎えに来た。
「ほっほぉ〜! あづみ先生^^ 益々綺麗になりましたね!」
「ありがとうございます。横田さん」
久しぶりにドレスアップして、心が華やいで、横田のお追従も正直、嬉しく感じた。
「今日は、民自党の代議士の奥様のパーティです。 いいお客ばかりですから、TOPセールスとして張り切ってくださいよ! 麻木先生^^」
「はい^^」
「そうそう、気掛かりなのはその後の牝犬タイムですよね?! ふふっ^^」
「は、はい…  いえ、そんな……」
「嘘つけ〜!^^ 今日はね、思い出のエンパイアホテルで、アトランティス倶楽部のメンバーとの乱交パーティですよ^^ 嬉しい?」
「え… じゃmasterkojiが来るんですか?」
アトランティス倶楽部は、masterkojiの仕事が忙しくなったので、3月で閉鎖されてしまっていた。
この世界に堕ちるきっかけになったサークルだったが、恨みに思った事はなく、その後は誰とも連絡を取っていないので、少し懐かしい気分がする。
「さぁ、それは行ってからのお楽しみって事にしておきましょうね! でもヒントをあげます。
この前のメンバーもいますが、新たに参加する方がいますよ、女性のね! あはは^^」
―誰だろう?
「♪マリコ♪ちゃん? ですか?」
「おっ、いい勘してるじゃない!」
「じゃ、浩二さんも来られるんですね?!」
「いいや! masterkojiは来ないよ^^」
「え… どうして? お二人は結婚したはずじゃ…」
「そうだなぁ^^ どうしてかなぁ^^ まっ、楽しみにしてなよ! ふふ^^」
後部座席に乗り込み、横田が運転する車は、滑るように発車した。

―この人達、♪マリコ♪さんにまで何かしようとしてるんじゃ…
なにげに振り返ると、2回の角部屋の窓から、まどかがじっとこちらを見詰めているのが見えた。
(今日は、隆様がいてキツク縛ってくれるのかしら…)
まどかを見てふとそう思った。
今夜戻ってこれるのかどうかも判らないが、『戻ってきた時には、きっとまどか様に、凄い折檻を享けるんだわ…』と想像すると、もう秘貝の合せ目が、蜜を噴出し始めた。
♪マリコ♪の事も頭からもう消えていた。
今から隆に縛られて虐められる期待、そしてそのことにヤキモチを妬くまどかに、叱られる期待…
「うふ^^ うふふ^^」

あづみは、肉欲の塊のようになった自分を見つけ、可笑しくて堪らなかった。

涙が一筋、頬を伝った。

≪完≫


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