三つの願い 〜男の夢〜
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■ 第四章 「第二の願い」37
僕はさちこに手を引かれるように大学に入った。もう、さちこがどうして僕と大学に来たかは、分かっていた。
大学の敷地に入るやいなや、さちこは当然のようにタオルをすっかり取った。
夜の大学、僕はまだあまり経験は無かったが、このあたりは人通りもなく、しんとしていた。
ただ、理系の学部では少なくない数の窓に明かりがついていた。
さちこは芝生の上に僕を導き、ひとしきり僕を抱きしめた。
そして、僕の両肩の上に両手を載せ、僕の目を見て言った。
「あたしが上でいいですか?」
僕が返事するのも聞かず、さちこは両手をうしろに押した。僕は押されるまま、座るように地面に体をつけた。
さちこは僕の棒に手早くゴムをつけ、そのまま、自分のびしょびしょのところを、滑らせるように嵌め込んだ。
「あぁっ…やっと入れられた! あぁん、あぁっ…まさるさん…」
僕は手を伸ばして、さちこの胸をつかんだ。そして揉み始めるのだが、その周期よりも速くさちこは上下に激しく動いた。
「あ、うぅっ、さちこさん…気持ちいいよ…」
「あん、はぁ…はぁ、あぁん…」
今回も、3分くらいは持ったとは思う。僕は、今回はゴムの中に、白いものを出した。
けっこう息が上がっているさちこは、腰を上げて棒を引き抜き、ティッシュを取り出して僕から取り外したゴムを包んだ。
そして、ちょっとの間、仰向けのままの僕に覆いかぶさり、唇を重ねた。
汗のにおい。そういえば、僕も3SEに行ってからまだ風呂もシャワーも浴びてないので、ずいぶん汗はかいている。
「…噴水行きましょうか」
「噴水?」
僕は言われるままにさちこについていった。2人とも、タオルは持つだけで、何も身に着けないで歩いた。
涼し目の風が心地よかった。
さっきの使用済みゴムを包んだティッシュを屑かごに捨てた後、多少人通りのあるところに出る。
といっても夜だからほとんど人は通らない。たまに通る人の服装は、昼間と同じようか、または僕たちのように、よりラフになっている人もいた。
芝生で焼肉を囲んでビールを飲んでいる男女の集団がいた。
こういう集団は前の世界でもよくいた。白衣を着て焼肉を囲んでいたのだ。
この世界では、半分以上の人は白衣を脱ぎ捨て、何も着ていなかったりパンティー一枚だったり、また白衣を着ていても、その中をまったく着けておらず前を開いていたりした。
そして、その中の何も着けていない女子の1人が木の根元に近づいて、しゃがんで、ビールでたまった水を体外へ放出しているのも見た。
そして、噴水についた。
さちこは立ち止まらずに低い柵を越えて、噴水の中に入った。
「まさるさん、ちょっと冷たいですが、浴びましょう」
噴水を浴びる、なんて、考えたこともなかった。
「噴水浴びるの? 大丈夫なの?」
「これは地下水なので、基本的に大丈夫ですよ。ほかに浴びている人もいるし」
たしかに、僕らのほかにもうひと組、噴水をシャワーのように浴びている男女がいた。
ここはこの世界になってから昼間通らなかったが、昼間はもっと混んでいるんだろうなあ、これからもっと暑くなったら、ここや、ここにつづく小川は多くの男子女子が裸になって入るんだろうなあ、と思った。
僕は噴水を浴びた。冷たい。全身をさっと、液で汚れているところは軽くこすって、僕は急いで噴水から離れた。さちこもそんな感じで噴水から離れた。
髪に水が滴ったさちこは、さっきより一層セクシーに見えた。お互い、鳥肌が立っていた。お互い、それを消すように、しばし抱きしめあった。
ふたたび、僕のものはむくむくと大きくなっていった。
さちこは、僕の腕をほどき、バッグを探った。
「まさるさん、ごめんなさい、コンドーム今切らしちゃってるんですよ。あたしの学科行きます?」
「学科にコンドーム置いてあるの?」
「そりゃあありますよ」
さちこは工学部。4年生とか院生とかは深夜まで残っているので、建物は夜でも開いている。
(うちの学部は夜は締め出されてしまう)
僕が大学でこの世界になってから行っているところだと、教室も食堂もトイレも、保険センターだって、大学が管理しているところなので、コンドームなんて置いているわけがないだろう。
でも、聞くと、さちこは2年生でも学生控室のような部屋が使えて、そこは学生自身がいろいろ物を置けるので、そこにコンドームが積んであるのだという。
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