人身御供
非現実:作

■ 落日1

次の日の朝…… ……。

「もうよいっ、終わりじゃっ!!」
「はは」

怒りに震える総布兵重の立ち去る足音。
そして困惑気味に続く魏志四郎と風見甚五郎。
私は平伏したまま、込み上げる笑みを隠していた。
あれから徹夜で考案した献策は、決して乱取りなどさせない私の軍略。
総布兵重の思う通りにはさせない。
それは…… ……。

海上での火矢による遠隔射撃のみ、上陸はなしの即撤退。
この挑発に乗るであろう挙兵した可木家を、再築した最前線で迎え撃つという策だ。
無論、最前線は鉄壁に再築して構える事が必要。
海からによる上陸戦というのは、上陸側は非常に困難で多大な犠牲を共にする。
守るが絶対有利なのだ。
つまり、挑発を繰り返して最前線で死守を繰り返して、他国の戦力を削る策だ。
当然の如く三者は声を荒げて反論するが、私は冷静にことごとく論破していったのだった。
(ふむ、してやったり)
久々の充実感だった。
   ・
   ・
   ・
「えぇっぃ、もっと泣けっ!!」
「ぁ……〜〜ぁ〜〜〜ン…ぅ…ぅはあ」
「どうしたっ、もっとじゃぁ!!」

怒りを女のオ○ンコに打ち付ける総布兵重。
だが、期待を裏切るような無反応な女。
総布兵重は女の髪を鷲掴みにして、激しく腰を振る。
顔を真上にされた女の焦点は虚ろで、涎と共にウワゴトが零れるのみ。
ここは総布家の神が宿ると云う山の祠、人身御供の儀式の最中。
ここには異常なる臭気と、儀式と呼ばれる異常なる行為があった。
天井から伸びる麻縄に両手を縛られ、衣服を纏わぬ女は喘ぐ。
この女は、海岸の村で敵に輪姦されていた女房だった。

「ホレホレッっぇ!!」
「……ぁ〜〜〜ぁ〜〜……ぃ」

身体中には精液が掛けられ、乾き始めた精液の上には、更に真新しい臭い精液が塗されている。
そして無数の赤い線が走っている。
ここの周りにいる者は、衣を纏っていない。
既に口と尻穴に2回ずつ射精し終えた風見甚五郎が言う。

「総布様……この女、もう駄目でしょう……」
「まだまだぁっ!」

魏志四郎が叫んだ後、長い布を水桶に浸した。
この布は、女房が付けていた下帯(下着)である。
ビッィシイイッッィ!!。
それを濡らして女房の身体に叩き付ける魏志四郎。

「っぁ……ぉっぉ〜〜〜ぉ〜〜ぅ…はぁはぁ」
「何じゃぁ、その動きはぁっ!!」

ビッシィ、バッスッゥ……ズバァッァ。
バッシィパッァン、ズバッァ。

自身の下帯で連続で弄られる女房は、叩かれる度に身体をクネらせ汗と精液を飛ばす。
だが……一向に女房の気は盛り上がらなかった。
それもその筈、ここへ連れ込まれてから休む事無く、誰かに犯され続けていた。
総布兵重や風見甚五郎・魏志四郎だけでなく、その下の兵等にまで使われている女房。
口・オ○ンコ・尻穴・手、使える全てで男達の慰み者にされているのだ。
何十回も気をやり過ぎて、女房の精神は壊れていた。
それを意図した風見が言う。

「総布様……」
「ちぃっ!!」

濡れ汚れた男根を引き抜いた、この地の党首たる総布兵重。
魏志四郎の手も止まった。
そこへ、老人風見甚五郎が囁いた。

「お怒りは尤も」
「む?」
「私に策がございまする」
「……?」
「決して…… ……総布様の御期待に裏切らない策」
「……ほぉ」

2人の暗黒の笑みが交差する。
   ・
   ・
   ・
金剛に不動を従えて、10分前に出て行った筈の我が家に到着。

「只今帰った」
「えっぇ?」

ホウキで玄関口を掃いていた桔梗の驚く顔。

「さっき出て行ったのに……あっ、何かお忘れ物で?」
「いや、帰ってきたのだ」
「も…う、ですか?」
「ああ、掃除に邪魔かな?」
「い、いえ……そのような事は」
「あっ、貴方様ぁ!」
「あらあら姫様っ、はしたなのぅございます」

私の声を聞きつけ、琴乃が煌びやかな小袖を引き摺って顔を出した。
(確かに姫たるものとしては……マズイのぅ)
実家では姫としての教養を受けていた筈なのだが、琴乃はいつも無邪気。
だが自然と顔が綻ぶ。

「栄弦様、今日もご苦労様で御座いました」
「うん」
「では、お茶の用意を致しましょう」
「すまぬな、桔梗」

■つづき

■目次

■メニュー

■作者別


おすすめの100冊