桜怜ちゃんグラマラスデイズ
わたる:作
■ 28
おおっ、と男子たちが歓声を上げる。
「やった! ビキニじゃん!」
「いいねぇ! 桜怜ちゃん!」
男子が桜怜をはやしたてる。
「だっ……だってこれが一番大きいから……」
桜怜が苦し紛れに言う。
「へへ、じゃあ早速着替えてよ、桜怜ちゃん」
男が言う。
「う……うん……」
答えながらも、桜怜がしばらく戸惑う。
「どうしたの? 早く」
ニヤニヤと男が急かす。
「えっ……どこで……?」
ありありとイヤな予感はしていたものの、桜怜は一応尋ねる。
「もちろんここでだよ、分かってたでしょ?」
男が言う。
「いっ……いや……やっぱり……」
桜怜が言う。
「さて、また桜怜ちゃんの生着替え見せてもらいますか……」
男たちが桜怜を取り囲む。
「いや! これじゃ隠せない……」
桜怜が戸惑う。これでは前のように背を向けて隠せない。
「ほら、早く着替えないと……」
おもむろに男が言い、携帯を取り出す。
「ダ、ダメ! 着替えます……」
桜怜が言う。
「そうそう、桜怜ちゃん、今日はビデオカメラ持ってきたからなるべくこっち向いてね」
男の一人がカメラを構えながら言う。
「いっ……いや! 撮らないで……」
桜怜がカメラに向かって言う。
「ほらほら、早く着替えなよ、今だって制服からバッチリ谷間が撮れてるよ」
カメラの男が言う。
「やっ!」
桜怜が手で谷間を覆う。
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