悠美、大騒動
木暮香瑠:作

■ プレゼントは何?5

 夜道を二人並んで、悠美の家に向かって歩いている。あんなに怒っていた親父だが、悠美が帰るとなると賢一に、夜は危険だから送っていくようにと言ったのだ。もちろん賢一は剥れ顔である。
「なんでお前なんかを送っていかなくちゃいけないんだ。お前を襲うやつなんていないよ」
 賢一は、不満げに悠美に向けて言う。送っていくことに不満はないが、何か一言言っておかないと気が収まらない。
「花も恥らう乙女に向かって、何てこというの?」
「恥じらいなんてないだろ。セックスしようなんて夜這い掛ける女に……」
 言い始めたら一言では収まらない。
「それに、なんで親父に俺が脱がしたんじゃないって言わなかったんだ。親父のヤツ、完全に俺が脱がしたって思い込んじゃったじゃねえか」
「いいじゃん、いつかは脱がす気でいたんでしょ?」
「ムッ! お前なんて脱がさねえよ!」
 本音を突かれ、賢一は更に剥れ顔になった。

「お前、いつもはブラジャーにパッド入れてるだろ」
 賢一は、先ほどの光景を思い出しながらボソッと言う。
「え!? どうして?」
「さっき、スケスケのブラジャー、パッドが入ってなかったら、いつもより小さかった。お前のバスト……」
 乳首が透けて見えていたから、パッドが入っていなかったことは明白だ、そして今も……。
「ヒドイ! そんなこと言うなんて!!」
 悠美はプイッと顔を背けた。そしてスタスタと賢一を置き去りに歩く。賢一は、前を歩く悠美の背中を眺める羽目になった。

 前から見てもかわいいが、後姿はもっとかわいい。小さな背中に、大きくは無いがツンッと盛り上がったお尻。そこから真っ直ぐに伸びるちょうど良い肉付きの脚。身長が高ければ、ファッションモデルとしても十分に使えそうな肢体だ。そしてTシャツには、さっき見たブラジャーのラインが透けて見えている。

 Tシャツの下にはあのスケスケのブラジャーがあるんだ。その下には悠美のオッパイが……、乳首が……。あのミニスカートの下にはスケスケのパンティが、そしてその下にはオマ○コが……。親父の乱入がなければ、もしかしたらチ○ポを入れれたかもしれないオマ○コが……。ツンッと盛り上がったお尻を揺らしながら歩く悠美を見ていると、賢一は股間の物はムクムクと大きくなっていく。
(お前のケツ、エロいんだよ。真ん丸で、ツンッと上を向いていて……)
 フラッシュバックのように、先ほど見たスケスケブラジャー越しの悠美の乳首、スケスケパンティ越しの股間、陰毛が目の裏に映し出される。
(だめだ。もう我慢できない……)
 賢一は、前を歩く悠美の手を掴んだ。
「悠美、ちょっと付いて来いよ!」
 賢一は、悠美の手をとり歩き出した。
「ねえ、どこ行くの? そっち、何も無いよ」
「公園!」
「公園? 公園に行ってどうするの?」
 悠美は不思議そうに賢一に尋ねる。夜に公園に行ってどうしようとしてるんだろうと……。
「やらせろ! さっきはお前から誘ったんだから、いいよな!」
 真顔で答える賢一。その顔には賢一の本気が表れている。
「ええーーー、やだああ。誰に見られるか判んないじゃない。外でするのなんて絶対ヤダッ!」
「夜は人なんて来ない、きっと……。公園の向こうは山だから、通り抜ける人もいないだろうし」
「でもお、外でなんかヤダァ」
「いいから着いて来いよ。元はと言えばお前が誘ってきたんだぞ」
「そうだけど……、恐いよ。だってあそこ、暗いよ。夜は誰もいないんでしょ?」
「お前どっちなんだ? 人がいないところは恐い、人がいるところは見られるからいやだ。世の中そんなに甘くないんだよ!!」
 賢一は悠美の言うことなど無視し、強引に手を引っ張り公園に向かった。



 真夜中の公園には、誰もいないようだった。二人は、街灯の明かりに誘われトイレに来た。
「ここなら明るいから恐くないだろ?」
 賢一のせめてもの思いやりである。トイレの入り口前の広場は、街灯に照らされそこだけが暗闇の中に浮かび上がっていた。

「さあ、脱げよ。トイレの壁に手を着いて、ケツをこっちに向けろ!」
 そう悠美に言うと賢一は、ズボンとパンツを一緒に脱ぎ始めた。

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