隷属姉妹
MIN:作
■ プロローグ1
1人のセーラー服を着た少女が走っていた。
少女は鞄を抱きかかえながら、懸命に走っている。
誰かに追われている訳でもないが、少女は切羽詰まったような表情を浮かべ、全力で走っていた。
スラリと伸びた足には、赤黒い痣や青い痣が所々に見える。
卵形の輪郭と小さな顔に、黒目がちな大きな目が印象的だ。
整った目鼻立ちは、一言で言うと美少女と言える。
だが、その表情には暗い影が落ちており、全体を陰気な物に見せていた。
身長は140pを少し出たぐらいで、体重は40sを越えていないだろう。
細く華奢な身体は、今にも折れそうな程儚げだったが、抱きかかえた鞄により隠された胸と薄汚れたプリーツスカートに覆われたお尻は、驚く程発達していた。
少女は近くの公立中学に通う3年生で、もう10ヶ月もすると高校受験と言う時期である。
だが、そんな時期でも、少女は学校で公然と[幽霊]と呼ばれ、虐めの対象になっている。
それは、少女の持つ雰囲気がそう呼ばれる原因で、教師達もどうしようもなかった。
何度も教師達はその虐めを解消しようとしたが、生徒全員の無視が止む事は無い。
再三、保護者である姉に、現状を説明しても何ら改善される事もなく、少女もその無視を全く気にしていない。
最初は熱心だった教師達は、そんな少女の家庭環境や、反応の無さにその指導も諦めきっていた。
■つづき
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