真梨子
羽佐間 修:作

■ 第3章 目覚め10

 ――マゾ女… あぁ… そう… そうよ、わたし…

 真梨子は、翔太の立つ3両目に向かって歩き出した。 

 真梨子が並ぶと、身体を入れ替え、真後ろに翔太が立った。
 心臓が激しく鼓動を打ち、ドキドキして息苦しい程だ。
 股間の蜜が、さっきから幾筋も雫をストッキングまで届いている。

 やがて到着した電車に、スカートの上からお尻を掌で包まれるようにして向こう側のドア付近に押し込まれた。
 背中のすべての面が翔太に接するような姿勢だ。

「確かめてあげる。足を開いて!」
 頭の上から押し殺した声で翔太の命令が落ちてきた。
「……」
 ――あああぁぁ… 恥かしい… ダメ…

 満員の電車の中でゆっくりと30cm程足を開いた。
「もっとですよ」
 ――ああぁぁ 恥かしい…

 もう半歩ずつ間隔を拡げた瞬間、翔太の手がスカートを割って進入し、いきなり真梨子の秘肉に触れてきた。
 ――ひぃっ!
 無遠慮にラビアのピアス装着と秘貝の濡れ具合を探ってくる。
「はぁぁ… いやっ…」

「くく なんだよ、これ! へ・ん・た・い だね」
 真梨子のビチャビチャにぬれた秘貝の割れ目をなぞりながら翔太は小さく笑った。
 ――ああぁぁ…いわないで… 貴方が言ったとおりにしただけなの……
「はっう…むむぅぅああ…」

 花園の浅瀬の淫汁をクチュクチュと音をさせながら弄ばれる。
 ――ああぁぁぁ… 気持ちいいぃ…

 時折、肉芽まで指が伸びて、チロチロと触っては、蜜壷に戻っていく。
 ――焦らされている…  ああああああ… もう…

 日比谷を過ぎたあたりで乗降客の流れに乗じて、ドアを背に翔太と身体の正面を密着するような姿勢になってしまった。
 真梨子は翔太の蔭に隠れ周りの乗客からはほとんど見えない状態に置かれ、翔太のいたぶりは露骨になってきた。

 翔太の指が、蜜ツボに深く差し込まれ、鍵状に曲げた指が敏感な部分に当たる。
 ――あっ、ああん〜 ダメ! やめて〜 逝っちゃう… 許して…
 息が荒くなり、溜息とも喘ぎともとれる悩ましい吐息が真梨子の口から洩れ聞こえてくる。
 翔太の胸に顔をう埋め、手で口を被って懸命に声を堪える真梨子…
 ――あっ、もう…

 頭の上で「うっ…」と翔太のうめき声が聞こえた。
 翔太の指は動きを止め、真梨子の蜜壷から静かに引き抜かれてしまった。

 あと少しで逝ってしまうところまで昂ぶっていた真梨子は、とどめの刺激を求めるかのように腰をくねらすの だが、次の刺激を与えてもらえなかった。
 間もなく電車が代々木公園駅に着き、火照る身体は、人の流れとともにホームに押し出された。
 降りるべき駅のアナウンスを聞き、我に返ったような気がしていた。
 そして”翔太の意地悪”になにやら腹立たしい気がして真梨子は振り返ることなく、急ぎ足で改札に向かっていった。
   ◆

「大人しくしてろ!」
 真梨子をいよいよ昇り詰めさせようとしたその瞬間、翔太は背後の男に腕をギリギリと捻りあげられ、身動きが取れなくなってしまった。

「恥をかきたくないんだったら、騒ぐな!次の駅で大人しく降りろ!」
 代々木公園駅で真梨子が降り、ドアが閉まった後、背後の男が翔太の耳で囁いた。
 腕をとられたまま、次の代々木上原で男に押し出されるようにして翔太は電車を降りた。
 腕を掴んでいるのは、秋山チーフだった。

 秋山は、身体は華奢で東大出身のインテリだが、ガリ勉タイプではなく、子供の頃から合気道を習っており、黒帯の腕前だ。
 普段は小田急線で通勤する秋山だが、今日は帝国ホテルで早朝に催されたベンチャー企業家達の朝食会に出席し、日比谷から千代田線に乗った。

 乗りこんだ車両の向かい側のドア付近に真梨子を見つけたが、何か真梨子の様子がおかしい。
 様子を伺っているとどうも痴漢被害にあっているようだった。
 人を掻き分け何とか近付いた。
 すぐに取り押さえようと思ったが、秋山を含め周りの人間に痴漢された事を知られるのは真梨子には恥かしく惨めな事だろうと思い、わざわざ一駅乗り過ごして犯人をホームに降ろしたのだ。

 ホームの片隅まで、2人でゆっくり移動する。
 翔太は観念したらしく逃げる素振りを見せない。
 徐々に力を抜いて掴んでいた右手首を放そうとした時、翔太の手・指が秋山の掌をゆっくりとすり抜けていった。

 ――えっ!?

 痴漢の指は、べっとりと濡れていたのだ。

 秋山は痴漢の指から付着した液体で濡れた指を擦り合わせてみる。
 ――ヌルヌルしている… はっ!… まさか…真梨子の愛液なのか?!

 つかんでいた腕は、確かに真梨子のスカートに挿し入れられていたはずだ…
 驚いてうろたえてしまった。
 しかし、とにかくこの場を納めなくてはならない。

 翔太を、壁に押し付けこちらを向かせて話し始めた。

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