真梨子
羽佐間 修:作

■ 第9章 肉人形4

 震える指でバスタオルを解き、夜空に全裸をさらす。
――あああぁぁぁぁ 恥ずかしいのぉ、、、
 真梨子は湧き上がる狂おしいほどの羞恥の快感に身悶える。
「はぁぁぁ、、、」
 向かいのオフィスビルの視界を遮る胸の高さまである半透明のフェンスが疎ましく思える。
――もう、だめっ、、、
 真梨子は身体の奥から込み上げるこの妖しい欲求に逆らうことはできないと悟った。
 ポーチから極太のバイブを取り出し、濡れそぼった秘裂に押し当てる。
「はっ、ああうんぅぅぅ、、、」
 ペニスを模した真っ黒な淫具は、肉襞を巻き込み淫汁を溢れさせながら蜜壷に姿を隠していく。
「くはっぅぅぅぅ、、、」
――犯して、、、 俊ちゃん! 姉さんをむちゃくちゃにしてぇ、、、
 はやる心を抑え、アナルバイブを選び、垂れた淫汁にまみれた菊の窄まりにあてがった。
 腰を浮かせ、瘤のひとつずつがアナルに没する度に、真梨子は嗚咽の呻きを洩らす。
「うむぅぅぅ、、、」 「あん、、、」 「むぅぅ、、、」
 
 真梨子は、深く穿たれた2本の淫具をきつく喰い絞め身体をアーチ状に反らし、爛れきった股間を誰かに捧げるかのように宙に持ち上げた。
 そして股間から垂れ下がる淫具のコントローラーを手繰り、二つのスイッチを同時に入れた。
「はうっ! ああああぁぁぁぁぁぁ、、、、」
 強烈な快感が脳天まで貫き、真梨子の身体がしなり、淫らな痙攣をする。
「きゃうん! あっ! あっ、あうぅぅぅ、、、」
 掲げたヒップには2本の電動淫具が怪しく蠢き、真梨子は尖りきった肉芽を指先で押し潰す。
――あああぁぁぁ 逝っちゃうぅぅぅ、、、 ダメ! いっくぅぅぅ、、、
 真梨子は携帯を手に取り、自分にレンズを向けた。
――俊ちゃん! 見て! どうしようもないマゾ女のお姉さんの逝くところを見て〜! あうん、、、
 フラッシュが光ると、恐ろしいほどの恐怖と羞恥心が全身を覆う。 この画を見た俊一に変態!と蔑まれ、嘲笑をうける惨めな自分の姿が目に浮かび真梨子の身をを焦がしていく。
――いやっ! ダメ!見ないで〜〜 こんないやらしい私を見ちゃだめ〜〜 ダメよ! 俊ちゃん! 恥ずかしい姉さんを許して〜〜

 2度目の閃光とともに頭の中がスパークする。
「ぁ、ぁ、、ぁ、、、イっクぅぅ、、 逝っちゃう〜〜〜 ああああああああああぁぁぁぁぁ」
 激しいアクメが真梨子を呑み込んだ。
 瘧のような激しい痙攣がしばらく続いた。 すすり泣くような嗚咽を漏らしながら、覚めやらぬ快感の余波に真梨子は翻弄され、ただただ漂う。 その波が薄れていくのを、真梨子は肩で息をしながらひたすら待った。

 しかし休むことなく振動を続ける股間の淫具は、再び真梨子を淫界へと誘っていく。
――あっ、あっ、、、 またっ、きちゃう、、、

 再び訪れようとする絶頂の兆しが見えた時、バイブレーションとともに携帯が鳴った。
――あぁぁぁ、、、 浩二さん、、、
 そのメロディーは浩二からの電話のものだった。 いつもは心ときめく浩二からの電話を告げるメロディーを、俊一の首輪を付け、蠢く2本の淫具に苛まれたまま聞く。 おぞましいほどの淫らな裏切りに、真梨子は恍惚とした表情を浮かべ、背徳の罪に酔う。
――浩二さん、、、 逝きたい、、、 あぁぁぁ、、、 真梨子は、、、 今、俊ちゃんに飼われてるの、、、尻尾を2本も生やした牝犬なんですぅぅぅ、、、あぁぁぁぅぅぅ ごめんなさい、、、

 真梨子の手が無意識に携帯に伸びる。 
――あぁぁ 出でなくちゃ、、、 浩二さんの電話に、、、 わたし、、、出なきゃ、、、
 ドロドロに蕩け疼く女芯が、今すぐ逝かせて!と悲痛な叫びをあげていた。

 呼び出し音とともにバイブ機能でブルブル震える携帯電話を、真梨子は浩二に詫びながら充血しきった淫芽に押し付けた。
 愛する夫からの電話を、快感を貪るためのローターとして使う。 およそ自分らしくないこの裏切りの行ない自体に、真梨子は泣きたいほどの興奮を覚えた。
――浩二さん! ごめんなさい! 逝きますぅぅ! 逝っちゃうぅぅぅぅ、あああああっ、イクッ!


 真梨子の手を離れ、床に転がり落ちた携帯は、すでに留守電に切り替わり、その表面は真梨子の夥しい淫液で濡れ光っていた。

■つづき

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