真梨子
羽佐間 修:作

■ 第9章 肉人形50

 引越し業者に荷物を引き渡し、半年間暮した部屋を見渡した。

 ほとんどが備え付けの家具だったのでガランとした雰囲気はしない。

――私と入れ替わりに、新たに狙われている女性がここに住むのね、、、 東京になんて、来なければ良かった、、、

「神戸に帰りましょ、、、」
 真梨子は大きく息をひとつ吐き、踵を返してドアを開けた。

「えっ!? どうして、、、」
 ドアの向うには俊一が立っていたのだ。

「しゅ、俊ちゃん、、、 母さん達と帰ったんじゃなかったの、、、」
――どうして、、、 はっ?! まさか吉岡専務に命令されて、、、 まだ終わっていなかった、、、

 玄関に足を踏み入れた俊一から逃れようと後ずさりした真梨子は背後の壁に逃げ道を阻まれる。

「いっ、いやぁぁぁぁ、、、 俊ちゃん、、、」

「迎えにきたんだよ。 姉さん、、、 」
 俊一は提げていた大きなボストンバッグを床に下ろし、静かに言った。

「俊ちゃん、、、」
――また私を、、、

 真梨子の脳裏に、黒人の漆黒の剛棒にア○ルを犯され、歓喜の声をあげた俊一の姿がフラッシュバックする。

「ごめんなさい、俊ちゃん! お姉さんのせいで、、、」
――ゴメンね、俊ちゃん、、、 ゴメン、、、 姉さんが悪いの、、、

「姉さん、、、 聞きたい事があるんだ、、、 子供ってボクの子、、、 じゃないのか?、、、」
 真梨子は不意に浴びせられたおぞましい質問に泣きそうな顔をしてうつむき、そして首を横にふる。

「ホントに?!  じゃ、誰の子なんだよ?!」

「、、、き、決まってるじゃない、、、 こっ、浩二さんの子よ、、、」

「わかんないんだろ、、、 誰の子か、、、」

「ちっ、違うわっ! お盆に帰った時に、、、  あぁぁぁ、、、」
――俊ちゃんはあの時の子じゃないことを知ってる、、、

 俊一にカバンに詰め込まれて、故郷からマンションに戻ったその夜に生理が始まった。 生理が終わるまで夜毎俊一にア○ルを嬲られ肛悦によがり泣いたのだった。

「そっか。 義兄さんの子、、、 なんだね、、、」
――俊ちゃん、、、 ウソだって知ってて、、、 ウソを呑みこんでくれるのね、、、

 真梨子はコクリと頷いた。

「僕が神戸に連れて帰ってあげるよ。  姉さん、、、こんなとこ、さっさと出て行こう」
 俊一はぼそりと呟くと、床に置いたバッグの蓋を開けた。

「あぁぁぁ、、、 俊ちゃん、、、」

 真梨子の心はざわめき、揺れる。
――あぁぁぁ、、、 まだ地獄は続くのね、、、

 話し振りから俊一がここへ来たのは、吉岡の指示ではないと思えた。 しかし神戸に戻ってからも俊一の劣情に翻弄される背徳の日々が繰り返されるのかと思うと真梨子は絶望的な脱力感に覆われた。

 俊一が真梨子の背後に回り背中のファスナーに指を掛けると、真梨子の身体がビクンと跳ねる。

 静かにジッパーが下げられていくが、真梨子は抗うことなく、身動きが出来ないで立ちつくしている。

「あぁぁぁ、、、 ダメ、、、 俊ちゃん、、、」
 俊一が、肩にかかった袖を外すとワンピースはストンと真梨子の足元に落ちた。

「姉さん。 何を心配してるの?! 僕ね、、、 義兄さんに世話してもらってアメリカに留学する事にしたんだ、、、」

「あぁぁぁ、、、 き、聞いてるわ、、、 いつ出発するの?」
 俊一は喋りながら真梨子のブラジャーを外し、あらわになった乳房を両手で優しく持ち上げる。

「来週末には出発することになると思う、、、」

「そ、そう、、、 ずいぶん急なのね、、、 あっ、、、」
 屈みこんだ俊一は、一気にショーツを引き降ろす。

「姉さん、、、 こんな事になっちゃったけど、、、 僕、アメリカで自分を変えてみようと思ってる、、、 だから、、、」
 俊一が足元から切なそうに囁いた。

――今日だけっていうことね、俊ちゃん、、、 こんなこと、今日で最後なのよね、、、

 俊一が何をさせたいのか分かっていた。 そしてそれに応えなければいけないと真梨子は思った。  いや、、、 応えたい、、、 そうされたいと思う真梨子がいた。
――私への罰なのね、俊ちゃん、、、 私のことなんて早く忘れて、、、

 俊一の股間に手を伸ばし、ジーンズのジッパーに手を掛けると修一が手首を掴んで制した。

「姉さん、、、 最終の新幹線に乗るんじゃないの?」

「ええ、、、 そのつもりだった、、、」

「焦らないで、姉さん。 神戸までお預けだよ、、、」

「あぁぁぁ、、、 俊ちゃん、、、」
 羞恥に頬が一気に赤く染まる。

「姉さん、、、 後ろで手を組んで」
 俊一がカバンから赤い縄を取り出し両手にかざした。

「あぁぁぁ、、、 はい、、、」
 俊一は手際よく両手を結わえ、そして真梨子を仰向けに転がし両足も縄で拘束した。

 カバンに腰を下ろし、真梨子を見詰めながら、ポケットから何かを取り出した。

「狂わせてやるよ。 真梨子姉さん、、、」

「いやぁぁ、、、 それは赦してっ」
 俊一の手の中にはタブレットと白い錠剤が入ったカプセルがあった。 神戸から東京まで地獄の掻痒感に苛まされた清涼菓子・プリスクだった。

「だめぇ……あぁ……あぁ…… 俊ちゃん、お願いぃぃ、、、、」

 身をよじり懇願する真梨子に構わず、俊一は一つずつ、幾つものプリスクを二つの穴に挿入し、指で奥へと押しこんでいく。

 カプセルは徐々に溶けだし、時間差で襲ってくる強烈な刺激を思い出すと恐怖を感じる。

「いっ、いやぁぁぁ〜〜〜 赦してっ、俊ちゃん! ダメなの〜〜 ああぁぁぁぁ、、、」

「姉さん、、、 こぼれでないようにいやらしい穴も塞いであげるね」

「……イヤァァァ! ……ャ、ヤメテェェ……」
 2本のディルドウが深々と秘孔を穿ち、悪魔の菓子を淫孔の奥へと押しやった。

「! ゥゥン! ン!!」

「どうせカバンに中は真っ暗だけど、姉さんは目隠しが大好きだったよね、、、」
 俊一はガムテープで真梨子の視界を塞ぎ、そして真梨子を抱き上げ、ゆっくりとカバンの中に降ろした。

「さっ、神戸に帰ろう、、、 姉さん、、、」

 俊一は最愛の姉の姿をじっと見詰めながらバッグの蓋をゆっくりと閉めた。
――姉さん、、、 幸せになってね、、、

「あぁぁぁ、、、 俊ちゃん、、、」
 タブレットのままのプリスクが早くも溶け出し、蜜壷でジンジンとした感覚が芽生え始めてきた。

 カチャカチャとバックルの留め金が締まる音は、閉じ込められ荷物として運ばれることを真梨子に実感させる。

 今から苦悶の長い旅が始まると思うと、真梨子は果てしない被虐の予感にしとどに熱い蜜を溢れさせ、秘部を穿つ淫具を喰い締めて声を殺して泣いた。

■つづき

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