授乳女教師
Tsuka:作

■ 苦悩と戸惑い10

それまでただ単に返事だけしていた俺は、ようやく自分の主張を出した。
「無理です……もう、前みたいには…」
「どうしてなの?」
「……………」
「牧野君…?」
もう止められない。ダムは決壊した。恋情は溢れる洪水となって流れ出る。

「無理…です…。無理だ………、無理なんだよ!!」
俺はいきなり声を荒げてしまう。
「!!!」
先生は跳び上がらんばかりに驚いた。突然俺のマグマが噴火した事に度胆を抜かれたのだろう。
「ま、牧野君……」
「…元になんか戻れる訳がないよ! だって、だって……」
一瞬言葉に詰まる。俺は視線を先生に向けた。俺の目からは涙が溢れ出る。言葉だけを出すのは物足りないかのように。
「どうしたって先生を忘れる事なんて出来ないんだ! どうしたって…」
「牧野君……」
「俺は…俺は……、好きなんだ! 先生が好きだ! 好きで好きでたまらないんだ…! 川上先生が大好きなんだよ!!」
「!!…」
川上先生は戸惑っているようだ。体育祭の時の事もあったから、自分に想いを寄せているのは充分に分かっていただろう。
しかし俺の恋情が思いのほか強く、突き放しても突き放しきれないのでどうして良いのか分からない感じだ。
「先生の存在が日に日に大きくなっていって…もう気が狂いそうなんだよ……」
「…………。」神妙な面持ちで先生は黙っている。
「甘えたい…先生に甘えたい…。先生の事をもっともっと知りたいんだ! 先生が欲しくて欲しくて仕方ないんだ! 身体も気持ちも何もかも…!」
「!! ま、牧野君……」
先生は顔を赤らめた。
「何で…? どうして駄目なの…? 俺が保健室で告白したあの時の先生の表情は…、ほんの僅かだったけど…あの時の先生の表情は何だったんだよ!?」
「!!!……」
今度は川上先生が返事に窮する。
「あ、あれは…あれはただ単に驚いただけ…」
「嘘だよ!!」
「!!」
「ずるいよ! 先生ずるいよ!俺 には嘘つくなって言っておいて、先生だって嘘ついてるじゃないか!」
「そ、それは……」
嘘を見破られてうろたえたのだろう。先生は何も言葉を返せなくなった。
「あの愛らしい表情が先生の本当の素顔に違いないんだ!」
「そ、それはちが…」
「違わないよ!」
「!!……」
俺は先生の返事を遮り、更に積もりきった感情をぶつける。

「母親を知らない俺にとって、先生は初めての大人の女性なんだ…! 初恋の女性なんだ! 先生に甘えたいんだ、好きなんだ、惚れているんだ! 先生の大きなおっぱいが欲しくてたまらないんだ」
「!!!、………」
先生は黙って聞いている。
「先生教えて。どうしたら……どうしたら…先生への想いを断ち切れるの…?」
「…………。」
「どうしたら自分の心を殺せるんだ…? どうしたら恋情を焼ききる事ができるんだよ!」
「…………。」
「苦しい…苦しいよ先生! もう…、もう先生を想うと心が木端微塵に壊れそうなんだ…」
「…………。」
「苦しいよ…先生どうすればいいんだよ……。助けて……、自分でもどうすれば良いか分からないんだ…。好きだ! 好きなんだ! どうしようもないくらい好きなんだよ! 先生に包まれたいんだ! 先生の愛情に包まれたい! 先生の大きくてダップンダップンの爆乳に包まれたいんだ! 先生の色気たっぷりのムチムチした身体に包まれたいんだよ!!」
「!!!、…………。」
先生は異様な雰囲気に圧倒されている。ヤケクソ気味になっている俺の性的願望を丸出しにされても、反論出来ないでいる。

心の叫びを出した俺だが堰きった感情はまだまだ止まらない。
憧れの先生の面前にもかかわらず、その場で静かに…しかしただひたすらに泣いていた。

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