SMごっこ
二次元世界の調教師:作

■ SMごっこ2-6

 おい! 何て事を言い出すんだコイツは。「SMごっこ」で危険な世界に足を踏み入れてしまった私は、翔の仕掛けて来る行為は何でも受け入れた。いやむしろ、話し合って私が気持ち良くなれるようにさまざまな趣向を凝らしたSMプレイをしてもらったのだ。目隠し、手錠、首輪、そして青いローター。全て私達の間ではおなじみの、夢のような素晴らしい陶酔を与えてくれる快楽道具ではないか。

「めぐ姉、ぼ、僕……」

 や、やめろっ! 翔が真剣な表情で顔を近付けて来ると、私は恐ろしい予感で慄えた。駄目だ、絶対に拒否するんだ、でないと……

「もう一度、めぐ姉とSMごっこをやりたい」

「馬鹿言うなっ!」

 だが、翔がいつの間にか身に着けた空手家の私にも拒否出来ないような強い力で、ベッドの中から抱き起こすと、私はとうとう彼に体を預けるような格好になっていた。

「どうしてこんな短いスカートはいてるの」

「お前には関係ないっ!」

「それに」

 翔の手がミニスカの下をまさぐって来ると、私の敗北は決定的になった。

「このビショビショのパンツ、昨日はいてたのと同じでしょ。
 僕がめぐ姉のはきっ放しのパンツが好きだから」

「馬鹿っ!
 この変態っ!」

 だが抵抗は口だけだ。心ではもう覚悟を決めていた私は、翔の手で易々と背中にねじり上げられた両手に
ガチャリと手錠を嵌められると、全身に抗しがたい強烈な興奮が突き上げて来るのを覚えていた。こんな私にこそ「変態」の名はふさわしい。

「めぐ姉、高校の時の制服ってまだ持ってる?」

 翔が妙な事を聞いて来た。

「ああ、そこに入ってる」

 手錠を掛けるなどと言う翔の狼藉に抗議もせず、目を潤ませかすれた声で答えてしまう私。もう翔の言う「SMごっこ」に了承を示してしまっていた。

「めぐ姉、セーラー服を着てよ。
 僕と一緒にあの甘味処に行こう」

 翔のやりたい事は痛いほどよくわかった。私と彼が姉弟の規を超えて結ばれた「SMごっこ」の完全な再現だ。そのために私はあの時着ていた高校時代の制服を着て、露出しながら実の弟に連れ回されるスリルと興奮に胸をドキドキと昂ぶらせる……

 ああ、時間が逆戻りして止まってくれたらどんなに幸せだろう。先の事など考えず、ただ純粋に最愛の弟との許されない愛を確かめ貪り合った、あの甘美な日々が続いてくれたなら……・

「手錠なんか掛けられちゃ、着替えられないぞ」

「僕が着替えさせてあげるよ。
 めぐ姉は僕の着せ替え人形になって、じっとしてればいい」

 やっぱりコイツはえっちの天才だ。手の自由を奪われた体を赤ん坊みたいに任せて着せ替え人形にされるのが、どれだけ効果的に女心を揺さぶる行為なのか本能的にわかるのだろう。翔の手が改めてミニスカの中に侵入して来ると、私は嫌がるどころか脚を緩めて彼の悪戯な手を迎え入れ、グズグズに潤っていた股間を擦り付け、逃がさないよう太股で締め付けると言うはしたない反応を見せてしまう。完全に同意の上で「SMごっこ」を始めてしまった事を、私の体が告げたようなものだ。

「それにしてもひどく濡らしたもんだね、もうビチョビチョだよ」

「……ばか」

 私が洩らしたのは甘く拗ねるような、嫌らしい女の声だ。アンタの事を思って、1人えっちで思い切り羞ずかしい染みを作ってしまっただなんて、とても言えない。

「まずパンツから脱ごう、めぐ姉」

「好きにしろ」

 翔は水分をたっぷり含んで冷たい私のエロパンツをずり下ろして足先から抜き取ると、それを顔の前に持って行ってしげしげと眺め、私に恥辱を味わわせようとする。

「おいバカ。
 汚いぞ、そんな物」

「めぐ姉が汚した物なら大歓迎だよ」

 翔はクンクン匂いをかぎ、あろう事かその汚れパンツを口に持って行き軽く舐めたりした。

「これは僕の宝物だ。
 ずっと大事にするよ」

「んなもん持ってたら、すぐにカビちまうぞ」

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