セレブ欲情調教
影山有在義:作

■ 餌食2

 あぐらをかいてた源蔵が、立ちあがった。
天井の梁についている滑車からロープが垂れ下がっているのを見て一瞬のり佳は、たじろいだ。が、下を向いた顔をさっと上げると、さっさとスエットを脱ぎ捨て裸になって横たわった。
背中の板がひやりとした。手を腹の上に軽く組、顔を横に向けた。

「随分と腹の据わったことだな」
節くれだった指が大きく張り出した胸をゆっくりと搾った。
源蔵は、のり佳をうつ伏せにし、後ろ手に手錠を架けた。
 手錠を架けられたとたん、のり佳の体が熱くもえはじめた。
固く目を閉じるが、今から行われるであろう淫責を待ち望んでいるかのようにバギナが充血しはじめるのを感じていた。
大きく盛り上がった尻を源蔵の大きな手が掴み揉んだ。
指が尻の割れ目から侵入し、アヌスをとらえた。

 あっ!

思わずのり佳がのけぞる。
ゆっくり楽しむように指の腹で小穴を撫でる。
「源蔵にいじくりまわされ、虐められるのがうれしいのであろう。どうじゃ!」

 くうっ!

のり佳は、白い咽をのけぞらして歯をくいしばった。
 滑車から延びたロープをとり、源蔵は、のり佳のキユッと締まった足首にゆわえつけた。
「ひっ、ひっ」
源蔵は、黄色い歯を剥き出してロープを引いた。源蔵がロープを引くたびにのり佳のすらりと伸びた足が広がって行く。
九十度まで広げたところで、ローップを柱に括りつけた。
横向きになった体で、剥き出しになってしまった股間を何とか隠そうと体を捩り、足を曲げたりするが無駄な徒労となった。
「何を今更恥らっているのじゃ。それ、汁が滲んでおるではないか、ほっ、ほっ、ほっ」

源蔵は、シェービングのハケを手にしていた。
ロープで吊った足首から腿に向かって、スーッと何度も毛先をはしらせた。
前にこの場所でハケで責められたことを体が思い出し、反応してしまう。
くぐもった声を漏らしながら海老の様に体をそらせた。

 その時、部屋の片隅の毛布の塊が叫びをあげ、暴れ始めた。
獣のような声をあげて、鎖に繋がれた義男が毛布の中から現れた。
 その様子を顔をねじまげて見たのり佳は、引きつった。
「いったい何!」

「我慢できずに出てきおって。しかたない」
義男は、毛布を振り払って立ちあがり、のり佳に襲いかかろうとするが、首輪の鎖に引張られ、体をがくん、がくんと棒立ちになっていた。
のり佳の姿に興奮し、目は血走り、涎が飛んでいた。

「いやっ、いやーっ!」
のり佳は、あまりのすさまじい勢いに恐怖でパニックに陥った。
「こやつの顔に見覚えがないかの」
意外なことばに、のり佳は、ハタと獣の顔を見た。
ガリガリに痩せた青白い顔を恐怖におびえながらも、覗きこんだ。
「よ、義男さん! どうして、そんな姿に」
「残念ながら、あの改造チンポは、切り落としました」
「!」
のり佳は、源蔵が何を言っているのか分からなかったが、改めて義男の姿を確認して股間から一物が消え、異様に大きく見える陰嚢が揺れているのを見て、その残酷な事態が理解できた。

「当初の予定では、一物のみを落とし、性欲の消えない獣となる予定であったが、気が狂っての。仕方が無いので指も落として、なめくじ男に変更したのじゃ。ほっ、ほっ、ほっ」
「よくもそんな残酷なことを」
「そんな他人事のようなことを言えるのも今のうちじゃ。こやつのできることは、ただひたすら舐める事とせいぜい指の無い掌で擦ることじゃ。だが、吐き出されることの無い性欲は、時間の観念を奪ってしまうのじゃ。つまり、延々と舐め続ける。男の味をしった女は、ある一定の愛撫を受けると男を受け入れ、達することを望む。ところが、いつまでも達することのできない状態が続くと、悶え続け、終いには発狂する。深い性欲を感じた女ほどその傾向は、強くなる。こやつには、今まで5人、商売女を与えたが、みな最後は、どっちが獣だか判らない程、狂ったわい。まっ、ワシがとどめをさしてやったがの」
「あなたは、なんとゆう人なんでしょう。獣は、あなたです!」
「相変わらずに強気なことだな。時間は、たっぷりあるでの。さっ、なめくじ男、奥さまを狂わしてやるのじゃ。おほっ、ほっ、ほっ」

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