支配の小屋
しろくま:作

■ 1

 彼の名前は和輝、15歳。頭はキレるが肥満で根暗、不細工で運動神経も悪い。そんな彼がこの《小屋》を見つけたことからお話しは始まる・・・
 その《小屋》は彼の通う高校の近くにあり、何故か彼はこの《小屋》に引き寄せられた。
中に入ってみると、3m四方の部屋にベッドが1つ。あと、AVなどで使われるような、いわゆる《大人の玩具》や、《拷問具》のようなモノが多数置かれていた。
和輝「え!? こ、これって・・・」
 彼はすぐ、ここは何が行われる場所なのか察知した。彼も男、《性》に対する関心は人一倍ある。高校1年。SEXの経験がある友達も何人もいるし、モテない自分に劣等感を感じていた。それもあって、女性への興味も強かった。
和輝(いや、これはヤバいか・・・逃げよっ!)
彼は危険を察知し、逃げ出した。しかし、家に着いても、あの《小屋》のことが頭から離れないでいた。
和輝(明日、裕之にでも相談してみるかぁ、でも、あいつ頭悪りぃからなぁ・・・)
 裕之は和輝の友人で、いわば《オタク仲間》。彼も肥満気味で、女性関係はからきし。
 彼は高校に入ってからの新しい友人であったが、裕之はやさしい性格で、和輝にとっては数少ない、気の許せる親友でもあった。

 翌日、和輝は裕之を誘って例の《小屋》へと足を運んだ。裕之には予め説明していたのだが、彼は驚きを隠せないでいた。
裕之「Hなビデオってさぁ、こーゆー場所で撮ってんのかなぁ?」
和輝「かもな・・・」
裕之(・・・僕も女の子とHしたいなぁ)
裕之(あの子がいいかなぁ、でも、あの子には汚れてほしくないなぁ・・・)
和輝「ん?何言ってんだ?お前そんなこと言う性格だったっけ?」
裕之「何も言ってないよ?」(和輝くんってば、何言ってるんだろう・・・)
和輝「!」
 その時、彼は異変に気が付いた。裕之の考えていることが何故か解る。それどころか・・・
和輝「お前、ちょっと土下座してみ?」
裕之「えぇ? 嫌に決まっ・・え! あれ?」
裕之は意思と無関係に動かされたのだ。
裕之「今! なんで!?」
和輝「分かんねぇ〜、でも、考えるだけで、お前を思い通りに操れるんだ!」
裕之「ちょっと〜、止めてよ〜」
和輝「分かった分かった!」
 どうやら和輝にしか出来ないらしい。和輝は他の人で試そうとしなかったので、確認は出来なかったが、なぜか確信はしていた。
 彼はこの《小屋》の中にいる間は全ての人間を《支配》出来る。ここはそのような場所のようだ。なぜ和輝だけなのかは分からないが・・・
 この《小屋》の力を知り、かつ、そこに置いてあるモノを見れば、モテない男が考えることなど一つしかなかった。
和輝「おい! ここで誰かを、や、犯っちまわないか?」
和輝「お前も、ヤったことなんてないだろ? こんなチャンスねーぜ?」
和輝「とりあえず最初は誰にするかだ・・・」
裕之「ぼ、僕は嫌だからね! それって犯罪だよ?」
和輝「まぁ、別に俺は、お前が協力しなくてもかまわねーぞ?」
和輝に言われると、裕之は急いで逃げ出した。
和輝「まったく・・・臆病なんだから、もったいない」
 ぶつぶつ言いながらも、和輝は最初の標的を考えていた。

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