ひなまつり夜話
Simon:作

■ ひなまつり夜話2



「由紀香と言いましたね あなたに、お願いがあるの」

 すす 指が上に滑って……ひゃうっ 喉に
 触られてるだけなのに……どくん どくん……なに かが、流れ込んでくる
「な、なにをひゅれば……」
 舌がもつれて 目の前がぐにゃり歪んだ
 縛られて痛いはずなのに……どくん どくん……ぁ……しびれて 頭がぼうっとしてく

「……大事な大事な、私たちの仲間がいなくなってしまったの」

 ぽうと 身体が……う……熱いのが集まってく ずるり 体の中を流れて
「あぐっ……むねがぁ……」
 パジャマに擦れて じんじんするよぉ
 ズクン 股のところが パンツがぬちゃって やだ おしっこでちゃう
「やめ……ひ ああぁ」
 どくどくどく

「……ですから、あなたに代わりになって欲しいんです」

 やだやあぁっ! もうでちゃう……でる……
 ……ぁ……溢れる寸前で 無理やり止められちゃった……もの凄く 痛い くるしい
 おねがい 出させて

「一言、うんと頷いてくれれば、楽にしてあげますよ」

 え でもそれって、あたし……になっちゃうの?
 それは、やだ

「しょうがありませんね」

 やだやめっ――うあああぁぁっ! どくりどくり もういっぱいなのやめて こわれちゃうあたしっ
 たすけておかあさんたすけてっ……ああぁっ……がはっ……あぎいぃっ



――さま、後は私たちが

「あら……そうね あなたたちの列に加わるのですから、それが道理というものだわ」



 す と、女の人が向こうに離れた……なのに……はぁはぁっ くるしいよお助けて
 両側から、同じ顔をした二人の女のひ――
 フニュ
 ひいぃっ! さわっちゃだめっ おかしくなちゃあぁっ!

「かわいい……泣かないで 由紀香」

 ちゅぷ 耳が舐められて ふうと息が ふあぁっ 本当にだめぇっ

「気持ちよくしてあげる……から」

 もう一人が前に屈みこんで――ズルッ――きゃあぁぁっ ズボンと、パンツまで下ろされちゃっ――
 ベロリ……クチュ ヌチュリ
「ふぎゃあぁぁっ――むぐぅっ!?……うっ……むぅっ!……」
 ヌチュチュプ……ヂュルヌチュ
 くるしい息が……甘い匂いが口の中いっぱいに……どろり……流しこまれてのんじゃったぁ……らめぇなんにゃのこれぇ……ヌチュッヂュルル……はわぁっ そこぉ……やぁぁ……あっ……ああっ……





「あらあら、それでは返事ができませんよ」

 縛られたまま、あんなに反り返って

「――さま 我らも説得の助けをいたしたく」

 ふふ しょうがないわね いいわ

「御意」

 うふふ……可愛いわ 由紀香……















「――子供もいないのに、こうして毎年飾るのもどうかと思うけど」
「あら、でも人形たちだって、ずっと閉じ込められてるのは可哀そうよ」
 妻のおっとりとした物言いに苦笑を浮かべながら、母の代からの雛人形に目をやる
……そう言えば、三人官女を一つ修理に出していたと思ったが
 数は揃っている どうやら、ちゃんと済ませていたんだな
 新しい人形はなぜかパジャマ姿で ほかの人形たちの手から伸びる糸を身体中に絡みつかせている……まるで……
「いや、うん 確かにそうだな」
 何もおかしくなんてない 猿轡を咬まされてるのも、官女なら当たり前だしな


……うさん……おかあさん……たすけて…………あたし……


「? 今、何か聞こえなかった?」
「いや、気のせいだろ」


……も……だ…め……





……クスクス









          Fin

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