狂天使
Simon:作

■ 狂天使



声にならない絶叫の中で、彼女が紅く染まっていく
だいっきらい
そう言う度に、彼女の身体が裂け そして
ぞぶっ
私の身体も裂けていく
……これが 嘘……
気が遠くなるような痛みと快感 紅く紅く
彼女はもう白くない 二度と白には戻れない あはは わたしと一緒
だれもあなたを助けることなんてできないただ私だけがあなたと一緒にいることができるの
永劫にあなたは私だけのもの
たとえあなたがどれほど私を憎んでも 離れることなんてできない
抱きしめる ほら、二人の紅が混じってく
繰り返す だいっきらいだいっきらいだいっきらいだいっきらいきらいきらいきら――

ガチリ

聞こえない音 うあ 捻じ曲がっていた世界が無理やり元に戻ろうとする痛み
くぅっ はぁはぁっ

ここにいるのは、二人だけ 闇緋に堕ちた かつて天使だったモノ

「……ぅ」

うっすらと瞳を開ける そこもまた漆黒 どこか遠くで胸が痛む
これから、私は永劫に彼女に憎まれ続けるんだ……










「……どうして」
あなたまで、闇緋に染まっているの?
不安そうに私のことを覗き込んでる

「あなたはこれから、私のことを憎むの」

……どういうこと?

わたしはあなたといっしょにいたいからうそをついたあなたをひいろにおとしたにどとはなれられないようにふたりのちをまぜた

ごめんなさい よく、わからないの
どうしてあなたが私に謝るの? 悪いのは私なのに
あなたと一緒にいたかったのは私の方なのに
……紅いきれいな涙
泣かないで おねがい
きゅ
抱きしめる
憎まれてもいいだけどおねがい 哀しまないで
あなたのことが好きだから
哀しくなったら、私の腕を折って 苦しかったら、私の翼を千切って



「……ほんとう?」

泣き止んだ彼女が、不思議そうな顔で私のことを見てる

「……本当にそれでいいの?……そうして欲しいの?」

ぞく と震えが走った
頬が染まるのが自分でも分かる こんなときなのに、もうこんなに いやらしくなってる私

「いやらしいんだね」

「はい 私 こんなにいやらしいんです」
足を開いて しとどに濡れた秘花を晒す

「自分で広げて見せて……もっと……」

く ちゅ
視線が痛い 狂おしいほどに感じて 腰が勝手に
「……あぁ……む……」
ちゅぷ くちびるが塞がれた 舌が絡め取られる 強く吸われて……んんっ……
はぁはぁ……ぁ


「……愛してる……」


……その一言に私は魂まで犯し尽くされた



後はただ……深紅……










  Fin

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