少女の性
横尾茂明:作

■ 苛立ち1

愛美は家のドアを開けようとノブを回した・・アレ回らない?
(お母さん達・・居ないんだ・・そっか!今日は箏曲の日なんだ)
(と言うことは・・お婆ちゃんも踊りの日?)

愛美は鍵を鞄から取り出しドアを開けた・・家の中は薄暗く、何故か・・寂しさが漂ってる・・と愛美は思った。

階段を上がり、廊下の突き当たりのドアを開けて自分の部屋に入る。
鞄を机の上に置き、を引いてドスンと腰を下ろした・・肘を机に載せ、顎を手の平で受け愛美は物思いに耽る、その思いは放課後の男子の会話・・。

「美佐枝のヤツ・・指が3本も入ったんだぜ」
「それでさー、美佐枝・・気持いいって涙をポロポロ流して泣くんだ」
「クリトリス舐めてやったら腰をガクガクさせてね昇天!・・クックックッ」
放課後、掃除をサボってる男の子達が、教室の端に集まりひそひそ話をしていた。

愛美はその内容にドギマギし、すぐにその場を離れたが・・心臓の鼓動は校門を出るまで耳に聞こえた・・(指3本て・・なあに?)
スゴクいやらしい会話であることは愛美にも分かるが・・実体が掴めない・・。

(トシ君・・指を何処に入れたの?)
(泣けるほど気持いいって・・どんなことなの?)
(愛美・・わかんないよー)
(クリトリスって・・この前保険の時間で習ったけど、あそこの上に付いてるの?)
(お母さんが昔・・触ちゃダメて言ったっけ)
(でも・・触るとチョット変な気持になる突起・・・)
(腰をガクガクして昇天って・・?・・何のことなの?分かんないよー)
愛美は内から起こるイライラする感情に・・どんどん憂鬱になって行く。

愛美は中学2年になったころから、体の内側から起こるムラムラとした感情にどう対処していいのか分からず・・母に八つ当たりする事が有った。
学校で体育の時間に男子とプールで一緒の再・・男子の内モモから股間の膨らみを自然に目で追い・・クラクラするときも有る・・。
そういう日は家に帰っても、心の火照りが夜まで続きあの膨らみが頭の隅を離れない・・自分の体が自分のではないような違和感・・。

(腰がガクガクするほど気持がいい事ってなによー)
どうしたらこのモヤモヤとした感情を消せるの・・勉強なんか・・もー出来ないよー
(美佐枝ちゃんたら・・トシ君に何してもらったの!愛美も・・愛美も・・)
(美佐枝ちゃんなんかより愛美の方がずーと可愛いいのに・・)
(愛美も男の子に・・でも男の子達ってどうして愛美に声もかけてくれないの!)
そう考えると、愛美は強烈な渇望を感じ・・じっと座ってはいられなかった、立ち上がって部屋の中をイライラ歩き始め、頭の中はHな想像で一杯になっていく。
愛美はこの心の火照りをどう鎮めようかと思案する。
(今日はお母さんもお婆ちゃんも8時まで帰って来ない・・)
ドキ・ドキ・ドキ・・心臓が高鳴り、呼吸がちょっと苦しくなった。
(今日は思い切りHな事を・・この体にしてみよう!)
(きょうこそ何か凄いこと・・愛美の体に起こりそう・・)
愛美は期待を胸にドアを開け廊下に出、そして階下のバスルームに向かう。

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