羞恥ゲーム
〜自分の保全と欲望と〜
小早川:作

■ 第二章4

メールを読んで愕然とした。そこまでしなければいけないのか。と。
外で、「ココン」と音がした。写真が出来上がったのだ。貴子は、カーテンから出だけを出して写真を取った。最近のプリクラは、画質も良くなっていて顔もクッキリ写っていて股間の陰毛の有り様もハッキリ見てとれる。あまりの恥ずかしい写真で顔を真っ赤にしながら写真をカバンにしまい、新たな指令の為ブラウスのボタンを上から順に外していった。指令通りの格好になり作り笑顔でシャッターボタンを押した。「パシャ」フラッシュが光った。続けて、操作を繰り返す。画面の動きが遅いのがもどかしい。シャッターボタン画面が出て、スカートを捲くり笑顔を作ってボタンを押す。「パシャ」フラッシュが光り急いでブラウスのボタンをはめていく。カーテンの隙間から外を覗いて見る。もう3人組は、どこかに行ったみたいだ。外に出て最初の写真を取ろうと排出口に手を入れる。
―― あれっ? 無い! あれっ? まだなのかな? ――
麻衣「貴子、あんた何やってるの? トイレじゃなかったの?」
貴子「あっ、ごめん。1人で撮ろうかなって^^;」
美紀「ふ〜ん、で、こんな写真撮ってたんだ。」
貴子「あっ!」
貴子は、体中の血の気が引いていくのが分かった。
貴子「やだ! 返して!!」
貴子は、美紀が手にしている写真を奪い返そうと手を出した。が、美紀は、サッと真上に上げ体を後ろに引いた。麻衣が貴子の肩に手を廻し体重をかけてきた。
麻衣「あんた、こんな趣味があったの?」
美香「あんた、もしかして変態?」
美香も美紀も冷たい視線を貴子に向けた。
貴子「違う!。。。」
ついにバレてしまった。この際ハッキリと誰かに脅されていて助けて欲しいと縋りつこうかと思ったが、今さっきも写真を撮るよう命令されているように、常に監視されている事をいやと言うほど知っている貴子は、言葉を詰まらせてしまった。
美紀「いいじゃん、人それぞれいろんな趣味があっても。ねぇ貴子。」
貴子「………」
「ココン」
新しい写真が出来上がった。貴子はそれを取ろうと手を延ばしたが先に美紀が取っていった。
美紀「あんた何枚撮るつもりよ。まだあるんじゃないの?」
と言って、美紀は貴子のカバンを奪い取り中を開いた。
美紀「やっぱり!」
貴子が最初に撮った写真を見て驚いて見せた。カバンから出てきた写真は、画像だけでなく、文字も入っている。
美紀「貴子、あんたには幻滅したわ。良い友達になれるって思ったのに、まさかこんな子だったなんて。見なよ、何この笑顔。喜んでるじゃない。」

貴子は、下を向いたまま何も言い返せないでいた。
麻衣「貴子、何か言いなさいよ!。」
貴子「………」
美香「これ、学校の皆にみせようよ、皆喜ぶよ。だって、貴子のファン結構多いからさ。」
麻衣「でも、皆、幻滅するだろうなぁ、あの可愛くて人気者の貴子が、実は……なんて。」
貴子「やだ! お願い、やめて、返して!」
美紀「あんた、もしかして誰かに脅されているんじゃないの? じゃなきゃ、こんな写真撮らないでしょ。」
麻衣「どうなの?」
貴子は、迷った。言うべきか言わざるべきか。悩んだすえ、小さく首を縦に振った。
美紀「誰に脅かされているよ?」
貴子「分からない、でも、変な写真を盗撮されて…」
美紀「そう、わかったわ、私達が犯人を見つけ出してあんたを助けてあげる。」
貴子「ほんと?」
麻衣「任せなさい、こんな陰険な嫌がらせをするヤツなんか許さないから!」
貴子「ありがとう」
貴子は、嬉しくて嬉しくて美紀の腕にしがみついてすすり泣いた。美紀、身か、麻衣はそれぞれ目を見合わせてほくそえんだ。
―― こんなにうまくいくとは^^これからが楽しみだ^^ ――
美香「そうだ、今からどこかで対策を考えようよ。」
麻衣「貴子の家はどう?」
貴子「えっ、うん、いいよ。」
美紀「よし、決まり。行こう。」
4人で、貴子の家まで歩いていく。美紀、美香に挟まれて貴子が前を歩いている。後ろを歩いている麻衣が携帯をいじっている。


麻衣 ⇒ 早紀
  うまく信用させる事に成功しました。予定通り今から貴子の家に行きます。


早紀 ⇒ 麻衣
  了解、じゃあ1時間後に貴子にメールするから作戦通りよろしく!」

■つづき

■目次

■メニュー

■作者別


おすすめの100冊