乳子
妄想男子:作

■ 1

私は、彼女の話を聞いて不謹慎にも勃起してしまった。

私は不登校児や被虐待児童の心理カウンセリングや更正の手伝いを相談所でボランティアで行なっている。

目の前にいる少女は、自らいじめられている悩みを相談しにきた。
親に無理矢理連れて来られる子が多い中、逆に親にはバレたくないと言う。
親に心配をかけたくないし、知られたくないと。
それがいじめをエスカレートさせてしまった原因の一つでもある。
もちろん、相談にきていることも保護者には内密らしい。

その少女は、進学校の2年生。クラスでいじめにあっている。

いじめは小学生の頃からあった。
単純に太っていたから。
ただ、太っているだけなら、「キャラ」が立っていれば、逆に人気者になる要素の一つだが、彼女の場合は違った。

彼女自身、太っていることにコンプレックスを持っていた為、「デブ」「ブタ」などの言葉に深く傷つき周りの児童と自ら距離を置くようになった。

彼女は内向的になり、異性はもちろん同性の友人も一人としてできなかった。

中学になり、成長期が来ると、自然と痩せていったそうだ。

今現在、私の目の前にいる少女は、美少女とまではいかないが、十分に恋愛対象になり得る女性になっている。

外見は変わっても内面は簡単には変われない。
まだ、友人がいれば変わったかもしれない。
私が察するに、他人の輪に入れず、内向的で、その上容姿も整ってしまった彼女には、同性からは嫉妬の目でしか見られなかったのかもしれないと推測する。

最初は女子からのいじめだった。
小学校や中学校が同じだった生徒から引き続きいじめられていた。
その頃は、もう太ってはいなかったが、胸だけが目立つようになり、「狂牛」「乳おばけ」などの誹謗中傷、言葉の暴力が多かった。

やがて、いじめはエスカレートしていき、男子からの性的暴力にまで発展していった。

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