虜〜露出に目覚める女たち〜
パーラメント:作

■ 第1章4

次の日、俺はいつもより少し早めに家を出た。気が向いたわけではないのだが、ある目的のために早く出る必要があったのだ。

学校に着くと運動部が朝練をしており、吹奏楽部の演奏も聞こえてくる。時計を見ると、まだ7時40分くらいで、部活に入ってない人間には早すぎる時間だ。教室に着くと、まだ誰もおらず教室前の廊下も静かなものだ。

「ちょっと早かったかな」

などと考えながら席に座りボーッとしていると、誰かが廊下を歩く音が聞こえる。

“来たか…”

そう思って入り口を見ると、そこには里奈の姿があった。
真っ黒なストレートの長髪を、今日は左右で束ねてツインテールにしている。指定の制服をきちんと着ているが、ワイシャツのボタンが上から二つほどだらきなく開けられている。スカートも股下数センチとかなり短めに穿き、男の興味を引く格好をしている。

「やぁ、よく来たね。うれしいよ」

わざと明るく声をかけると、黙って自分の席に荷物を置き、スタスタと教室を出ようとする。

「早くしなさいよ。誰か来たら困るでしょ?」

「そんなに焦らなくていいよ。それより、約束は守ってくれてるんだよね?」

ニヤニヤしながら開けられたワイシャツの胸元を覗き込む。谷間がチラッと見える程度だが、男を誘惑するには十分な魅力を感じる。

二人が来たのは同じ階の男子トイレだ。他の生徒がいないとはいえ、抵抗を感じて入ろうとしない里奈の手を取ってトイレに入る。中は日の光が入って割合明るかった。

「じゃあ、約束を守ってるか確かめようか」

そう言って里奈の手を離すと、諦めたように下を向きながらワイシャツのボタンを外していく。一つ二つと外されていき、段々と里奈の色白な肌が露になる。ボタンで留められ重なった布が広がっていくと、おかしな点が一つあった。なんと、胸を覆っているはずのブラが見当たらない。ボタンを全部外したところで、手を下ろし棒立ちになる。

「いいねぇ。ちゃんとノーブラで来たんだね」

昨夜、里奈に指示したこと。それは、下着をつけずに登校することだった。
ノーブラ姿を自分だけに晒している美少女に感激しながら、次の段階に移る。

「そしたら、下も見せてよ。できるよね?」

反論も許さないような口調で問い詰めると、下げている手でスカートの端を摘み、ゆっくりと引き上げていく。元々丈の短いスカートなので、結果はすぐに分かった。

「約束したとはいえ、ここまで言うこと聞いてくれるんだ。素直だね」

さほど濃くない痴毛を嫌々見せるなど、援交をしているのがバレるより恥ずかしいだろうが、自分から言い出したことなので、今更辞められない。スカートを持つ指をプルプル震わせながら、この時間が終わるのを待つしかないのだ。

「もういいでしょ? いい加減にしてよ!」

声を荒げるが、秘密を握られている以上それ以上の抵抗はできない。

「ちょっと待ってね〜。すぐ済ますから」

携帯を取り出し、里奈に向けてシャッターを切る。時折動いて写真を撮られないようにするが、翔太の『いいの?』の一言で抑えつけられてしまう。
写真を撮り終える頃には8時近くになり、数人の生徒が階段を登る足音が聞こえはじめていた。里奈を先にトイレから出させ、少し間をおいてからトイレを出る。教室に入る前に、里奈にメールをしておいた。

『さっきはありがとう。下着はつけていいよ。放課後は空けておくように』

学校にいる間、里奈に手出しをすることなく、放課後を迎えた。また何かされるんじゃないか、と気にしていた里奈であったが、それは放課後のお楽しみだ。
駅に向かう途中、昨日里奈を見かけたファーストフード店の前で待つようにメールをした。学校から行動を共にすると怪しまれると思い、別々に待ち合わせ場所へ向かうことにした。

電車を降り、待ち合わせ場所へ向かうと、里奈が待っていた。

「ごめんね、待ったでしょ?」

「別に。それより、今日は何させるの?」

「そんなカリカリしないで。ちょっと話しようか」

今朝のこともあり、また何かされると思っていたのだろうが、まだ里奈のことをよく知らない俺は、とりあえず色々話をしてみたかった。関係はどうあれ、女の子とサシで話せるのだから、ある意味満足のいく時間を過ごせるわけだ。何もしない、という意志表示を含めて、そのままファーストフード店へ入る。注文を済ませ席を探すと、多人数で座れるボックス席を見つけたので、そこに座った。

「で、何のために呼び出したの? 美香と買い物行く約束してたんだけど」

美香の名前が出ると、悪いことしたなという気になるが、呼んでしまったからには自分の目的を果たすことにした。

「あー、そうだな。昨日のこととか聞いてみたくて。何であんなことしたのかとかさ」

まずは、一番の疑問をぶつけてみた。よく『お金がほしいから』などと言うらしいが、バイト禁止の学校ではないのですごく不思議だった。嫌がるかと思いきや、意外と素直に話をしてくれた。

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