虜〜露出に目覚める女たち〜
パーラメント:作

■ 第1章11

「こんな天気のいい日に、愛原さんと歩けるなんて、すごい嬉しいよ」

うふふ、と笑う美香はとても可愛く、実はオフ会中止はドッキリじゃないかと思うくらい狙ったようなシチュエーションに感謝する。駅内ではボタンを閉めていたカーディガンも、日差しに負け今はボタンを全開にして、袖を通すだけにしている。ブラウスの白さが眩しくて直視できないが、学校で見ている胸の膨らみが、今はすぐ隣にある。手を伸ばせば届きそうな位置だが、当然そんなことはできない。それでも、ただ隣を歩けるだけで、いつもの卑猥な妄想を吹き飛ばすくらいの充実感があった。

二人は翔太の案内で、アニメグッズのショップ、ゲームショップ、同人誌の専門店などを巡り、端から見れば普通のカップルのようなデートを楽しんだ。普段以上に会話をする中で、実は美香が自分と同じ側の人間、つまりオタクだということが分かった。行く先々でアニメやゲームのことを飽きることなく話し続け、有意義な時間を過ごすことができた。

日が暮れはじめるころ、駅に戻り、帰る時間となった。

「どうかな、楽しかった?」

「うん、もうサイコーって感じ。また来たいな」

「喜んでもらえたなら、よかったよ」

美香の笑顔を一番の報酬に、夕暮れの秋葉原を後にした。



次の日、週が明けて学校がはじまる。ダラダラと起きて学校へ向かう途中、偶然にも里奈に会った。

「庄司さん、おはよ」

「あ、うん…おはよ」

どことなく気まずそうに挨拶する里奈。原因は一昨日のネットカフェでのことだろう。特に何も言わず、そそくさと電車に乗り込む里奈のあとをつけ、朝の通勤ラッシュの波に紛れていく。

学校に着き、何事もなくホームルームの時間になったのだが、担任から一限の数学が先生の出張のため自習になると告げられた。特に監督の先生がいるわけではないらしいので、当然といったノリで休み時間状態になる。
俺は途中、トイレへ抜け出し用を足すと、里奈にメールをした。少しすると、恐る恐るトイレへ里奈が来た。

「何よ、急に呼び出して。また何かさせるの?」

「んー、いや、今は何もしないよ。聞きたいことがあってさ」

何かを企んでいる風ではあるが、それが何かは想像がつかない。

「前に自分のホームページで援交の募集してるって言ってただろ。近いうちで予定入ってるの?」

「え? うん、とりあえず明後日入ってるけど…」

「明後日って言ったら、中間テスト初日じゃん。時間は?」

「まだ具体的には決まってないけど、夕方くらい。何でそんなこと聞くのよ」

「いやぁ、土曜の気持ち良さが忘れられなくてさ。出来たら混ぜてもらおうかと思ってさ♪怪しまれたらいけないから、お金も払うよ」

突拍子もない提案に頭の中がこんがらがるが、少しずつ整理しながら話す。

「混ざるって、ウリに?」

「そう」

「あんたが?」

「そうそう」

「私は二人としなきゃいけないの?」

「そうそうそう♪」

えー! と大声を出しかける里奈を制し、それが次の指示だというのを伝えると、渋々であるが了承してくれた。

「私はいいけど、相手が何て言うか…」

「それなら、予定がつかなくて二人まとめてになるって言えばいいんじゃない? 何かサービス的なことでもしてあげたら、ノーとは言われないと思うけどな」

ここまでお膳立てをしてると、まるでマネージャーだな…などと思いながら、段取りを考えてやる。
とりあえず相手にメールで聞いてみる、というところで作戦会議は終わった。今日中には返事をもらえそうとのことなので、結果をメールで聞くことにした。

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