内側の世界
天乃大智:作

■ 第6章 夜空(やくう)1

 三人の都心の女子大生が、車で旅行に出掛けた。九州のテーマパークが、目的地であった。
今日は、女だけで水入らずの旅。
前期の試験が、終わったのである。これから二ヶ月に及ぶ夏休み・・・
三人は、解放的であった。
今日は、天気も良い。三人の旅立ちを祝福している様にしか思えなかった。
男が居ないと気楽で良い。
サングラスを掛けた恭子が、ハンドルを握っていた。カーステレオからは、HITOMIの『Love 2000』が、流れていた。
「愛は、どーこから、やって来るのでしょう? 」三人の歌声が、重なり合った。
タンクトップから、白い二の腕とブラの紐が覗いている。
脇の下は、綺麗に剃ってある。
ホットパンツから伸びた太腿が、白く輝いて艶かしい。
男が居ないと大胆なポーズになる。
座る姿勢も大股開きである。
生足なのである。
ブラの紐が食み出していようが、ホットパンツがよじれ、お尻が食み出していようが、お構いなしである。
「あ、何よ? 」
 静香が、明美のオッパイを触ったのである。
「大きくなったわね」
 更に、静香がムニュムニュとする。
Tシャツの上からではあるが、明美の美乳の感触はすばらしい。
これが、餅肌なのよね。
女が触っても、良い感触なのである。
「ねえ、止めてよ」
「彼氏とは、最後までやったの? 」静香の質問である。
 静香の指先が、Tシャツ布地の下に入り込み、ブラの中まで侵入していたのである。
明美の乳首に当たった。
それは、すぐに硬直した。
若い娘の体は、敏感であった。
「もう・・・」
 明美は、身をよじって静香の指先から逃れた。
そして、身を揺すって、ずれたブラを直したのであった。
「後で、なにやってんのよ? 」恭子である。
恭子は、カップホルダーに手を伸ばし、ジュースの缶を、プルンとした唇に運ぶ。
唇がジュースの缶に吸い付いた。白い喉が、上下に動く。
恭子は、目を上に向けた。
喉に流し込まれるはずの液体が、出て来ないのである。
「ねえ、明美。ジュース取って」
「はーい、ちょっと待って」
 明美は、身をくねらせて買い物袋を覗く。
ミニスカートから伸びた生の腿(もも)が、露(あらわ)になる。
形と言い、肉付きと言い、申し分なかった。
美脚なのである。
「もう無いわ。さっきのが、最後よ」
「じゃあ、次のパーキングで止まるわ。ちょっと早いけど、ドライバーもチェンジね・・・、静香、良いよね? 」
「はーい」
トヨタのレンタカーは、小さなパーキングに入った。
平日だと全く人気がない。
乗用車が、数台止まっているだけであった。
このパーキングは、長距離トラックも居なかった。
今は、仮眠の時間帯ではない。
平日に旅行出来るのが、女子大生の特権です・・・
それにしても・・・、恭子は少し気になった。
寂しすぎる。
一瞬、次のパーキングにしようかと迷った。
「私、トイレ」
 丸い大きな尻をシートに預けた静香が、膝をモゾモゾさせていた。
 しょうがないな―
 レンタカーを、パーキングに止めた。
 人気がないと、寂しい公衆トイレであった。用を足す音が響く。
トイレを済ました後、コンビニの中に入った。
 おや、誰も居ない。
店員の姿も見えなかった。
電気は点いてるから、営業中よね。
恭子は、沢山のお菓子とジュースを持って、それと、これ。
レジに向かった。
呼び鈴を押しても、誰も出て来ない。
「ごめんくださーい。誰か居ませんかー? お客さんですよー」
その時、獣の臭いが、鼻を衝(つ)いた。
異様な臭いであった。
硫黄の臭い? 
そんな臭いまでもが、混じっている。
恭子は、背後に気配を感じた。
振り返った。
大きな赤鬼が、立っている。
股間から巨大な頭が、もたげられていた。
一・五リットル入りのペットボトルを逆さまにしたぐらいは、ある。
表面は、ペットボトルの様に、滑々(すべすべ)とはしていなかった。
巨大な亀頭は迫り出し、肉棒には皮下突起が無数に突き出していた。
悪魔の男根には関節があり、節くれ立った陰茎は、蛇の様にのたうつ。
うそっ。
恭子は、思った。
赤い悪魔は、じっと恭子を見た。
左の頬に四本の筋となった傷がある。
醜悪な面相であった。
恭子は、動けなかった。
バサバサ、コンコンとお菓子とジュースを落とした。
恐怖で身が竦(すく)み、動けないのではない。
悪魔の目、あの赤い目を見た瞬間、恭子は欲情した。
不思議と恐怖は、感じなかった。
どうしても、今、欲しい。
あの悪魔の男根が・・・
恭子は、淫獣へと変貌していた。
瞳は淫らに光り、唇を舐める舌は、卑猥であった。
股間から生えた一物は、握り拳を突き上げた男の腕の様であった。先端から粘液を垂れ流し、伸縮している男根が、亀頭を左右に振る。
恭子の恥部は、大量の熱い汁が滲み出て、パンティを濡らしていた。
恭子は明るいコンビニの店内で、タンクトップを脱いで、ホットパンツを片足ずつ抜いた。
催眠術を掛けられた人の様であった。
ブラを外すと、小さい目の乳房が、乳首を尖らせて現れた。
自ら乳房を捏(こ)ねる。
股間が、疼く。
股間を摩る。
体が、火照る。
恭子の白い指先は、股間を彷徨(さまよ)った。

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