内側の世界
天乃大智:作

■ 第7章 鬼が島4

そこに『祭壇荒らし』が現れた。
赤黒い肉体をしたゴリラの様な大男であった。人間では考えられないほどの筋肉が全身に付いている。歩く度に、背中まで伸びた蓬髪が、揺れている。
その赤黒い男が、右足、左足と交互に、ゆっくりと歩を進めた。
その男が現れると同時に、強い獣臭が、祭壇を覆った。その男は、24人の乱交に目を向けた。そして、祭壇に横たわる白い少女を見詰める。
祭壇に近付くにつれ、男の顔が松明に照らし出された。
男には、角があった。額から大きな鋭い角が、二本伸びている。
悪魔。
口が耳の所まで大きく裂け、牙が食み出している。瞳は赤く、欲望に燃えていた。瞳が気味悪く動く。
爬虫類の目であった。
濃い眉毛が、無関心を装う。鼻は大きく、左右に広がっている。大きな唇の間から、赤い長い舌が、ちろちろ動く。
悪魔が鬼神を騙(かた)り、人間に生贄を求めていたのであった。
悪魔は、祭壇まで辿(たど)り着くと、横たわる少女の全身を舐める様に見回す。
悪魔の口元に笑みが浮かんだ。
悪魔は少女にのし掛かった。
悪魔の逞(たくま)しい両足の間から、巨大な男根が頭をもたげた。
拳を握った男の腕の様であった。
悪魔の男根が、生き物の様に左右に首を振っては、口を開ける。悪魔の陰茎が、自らの意思で動く、そんな感じで、少女の股間を弄(まさぐ)った。
秘孔が、はやくも濡れている。普通の濡れ方ではない。量が多いのである。
「はうっ」
少女は、目を開けた。黒い瞳をしている。悪魔に操られ両足を大きくM字形に開くと、悪魔を受け入れた。
「あああん」
 少女は、突き刺された。少女の腿(もも)ほどもある肉棒を突っ込まれたのである。秘孔からは、大量の愛液が垂れていた。
少女は、喘(あえ)いだ。
巨大な亀頭が、クリトリスを巻き込んで、少女の性器を犯した。半分まで入った。くねくねと動く男根が、ずぶずぶと入る。
悪魔は、長い舌で少女の白い乳房とピンク色の乳首を、愛撫し始めた。それと同時に、悪魔は、腰を使い始めた。そして、ゆっくりと根元まで挿入した。
「う、う、う、うん」
少女は背中を反らし、身をくねらせ、のたうつ。悪魔の腹に爪を立てた。全身に力を入れて、身を強張らせた。
悪魔が、ぱん、と腰を少女の股間に密着させた。更に、強く押し付ける。膣内は激しく掻き回されているようである。
少女の下腹部から太腿、尻が、ぶるぶると震えているのであった。それは、体内の男根の動きの投影であった。
少女が、力の限り暴れた。悪魔に押さえ付けられながら・・・
「あ〜うん」
少女の華奢な手が落ち、体から力が抜けた。少女は、白目を剥いて涎を零(こぼ)した。

祭壇の周りの巫女達も、男達に突かれ、喘(あえ)いでいた。艶美な妖気が充満していた。色に耽(ふけ)る狂気であった。
24匹の淫獣が、そこに居た。
一人が終わると、また、一人と、相手を代える。
汗ばむ巫女の体と男の体が、重なり合った。
女体の秘孔から抜け出た一本の男根が、立て続けに射精した。
その陰茎を、女の唇が覆い隠す。
萎え掛けた男根が、女の口の中で復活し、再び精液を喉の奥に送り出す。
その女の陰部にも、陽根が貫かれていた。
騎乗位で腰を前後に揺すっていた女が、後ろから前屈みに倒され、秘孔に肉棒を入れられたまま、肛門にも男根を差し込まれる。
その女の乳房を、別の女の手が捏(こ)ねる。
乳首を摘み、強く引っ張る。乳房が、三角形に変形する。
男の尻が、激しく動く。
女の口が、大きく開く。
涎が垂れる。
立ちバックから巫女の体を貫いていた男の尻に、男根を埋める。
男が善がる。
巫女が、別の女の女陰に、手首まで挿入して、激しく責める。
股間から透明な液体が、大量に漏れ出した。
絶叫する女の口に、男根を差し込む。
女は、貪る様に男根をしゃぶる。
混乱も極致に達した。
混沌とした乱交になった。
秩序のない、本能だけの行為。
上り詰めれば、上り詰めるほど、永遠に続く、肢体の狂宴であった。
巫女が甘い声で喘ぐ。
「あーん、あんあん」   「あああああっ」   「うーん」
   「ひー、ひーっ」   「い、い、いーくーん」   「あーん、あんあんあん」
「あああああーん」    「あ、あ、あ、あ、あ、あーん」   「はーう」

少女から抜かれた悪魔の男根は、ピョンと跳ね出し、直立した。そして、その大きな亀頭から精液を噴出した。
大量の精液が、噴水の様に噴き上がった。
陰茎が勝ち誇った様に、身震いする。
悪魔は、再び、少女の中に侵入した。
「あ〜ん、あ〜〜〜〜〜〜っ、むふ〜ん、あ〜」
少女は口を大きく開けて、叫んだ。
悪魔が、物凄い勢いで腰を動かしたのだ。
熱い液体に、血が混じる。
少女は目を開け、上半身を起し、悪魔にしがみ付いた。
少女の悲鳴が、巫女たちの声に合わさった。
「あああああああああああああああああああああああああああああああああああああ〜」
少女の乳房に悪魔は、舌を這わせ、大きく牙を剥くと、食い付いた。乳房に、ぱっくりと赤い歯形が付いた。柔肉が、大きく抉(えぐ)れていた。少女の胸から鮮血が流れた。
その白いすべすべした腹に食い付いた。
その太腿の裏に、牙を立てて食い付いた。
少女は、悪魔の腹の下で身を捩(よじ)り、のた打ち回った。少女の全身から鮮血が吹き出した。
それは苦痛の為か、快感のなせる業なのか、どちらとも判断が付かない状態であった。
咬み付かれる度に、少女は歓喜の悲鳴を上げているのである。まるで、咬まれることが、快感であるかのように・・・
少女は、悪魔の巨大なものに刺し貫かれながら、動かなくなった。

ドン、ドコドコ、ドカン・・・ガラガラ。
誰かが、侵入して来た。
悪魔は驚いた。
悪魔が振り向いた時、僕と視線が合った。
黒い影の視界が、僕の視界に重なった。
悪魔の恐怖に見開かれた瞳を、僕は見た。
その誰かは、悪魔を虐殺した。
神鋒(ほこ)を横殴りに振った。
悪魔の首が飛び、その首があったところに血柱が立つ。
そして、心臓に神鋒を突き刺した・・・
驚くほど大量の血が、辺りに跳び散った。
 悲鳴が、上がった。
驚きの叫びが、響いた。
悪魔が消滅すると、24人の男女は、我に返ったのである。
祭壇に駆け寄り、無残な娘の亡骸に取り付いて、血で赤く染まって泣き叫んだ・・・
 その誰かは、消えた―

 今のは、何だったんだ。
白昼夢。
それにしても、リアルであった。
「おい、キーボー、大丈夫か? 」
 きよしちゃんが、僕の肩を小突いた。
僕は、我に返った。
きよしちゃんは、何度も呼び掛けていたらしい。
「本当に、大丈夫か? 」
「ああ、大丈夫だよ。ちょっと、考え事をしてたんだ」
 きよしちゃんは、僕の眼を覗き込んだ。
「まあ、良いだろう。行こうか」
僕ときよしちゃんは、神殿の奥に向かって歩き出した。
正面の奥に扉が見えてきた。
巨大な石の扉であった。
縦10メートル、横6メートルはある扉が、二枚あった。
見ると、壁のところに、持つ所が曲がったフォークの両サイドに、ラッパの様な形の翼が左右対称に付いた、大きな紋章が、突き出していた。
その紋章にきよしちゃんが、手を触れると、ゴ、ゴ、ゴ、と扉が開いた。

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