許して悪魔様
非現実:作

■ 私はママ9

もう途中で数を数えるのは止めた。
いいえ……数を数える事すら出来なくなった程に私は狂い悶えていた。
拷問とも呼べる快楽地獄、何度も何回もイキ続けるしかなかった私。
イッは気絶し、魔界の責め具で強制的に意識を取り戻してはまたイク。
次第に何も考えられなくなり、なすがままにされ身体を陵辱され続けたのだ。
魔王ヴァインが設けた時間一杯一杯までその地獄は続いたのだった。
……そして今、調教時間終了と共に、朦朧とした意識と極度の疲労感から私は床に突っ伏していた。

「ふむ、まぁよう耐えたと褒めおこうか」
「…… ……」

返答する気も起きない。
もう、何もかもが面倒くさい。

「それにしても……よくもこんなに何度もイッものだな。
流石は淫姫といった所、ここまで派手にイクのも珍しいが随分と希美子もお楽しみだったな。」
「……っ!!」

はぁはぁぁと息を整えるのが精一杯だったが、魔王ヴァインのその言葉には唇を噛むほど悔しかった。
魔界の、摩訶不思議な気持ち悪い物で為すがままにイカされた自分の身体が憎い。
自分の置かされた状況が悔しくて。
私はただひたすら息を整えて、この屈辱に身を震わせて耐えるしかなかった。

「さぁて、約束の薬は調合してやろう」
「……はぁあぁ、はぁはぁはぁ……約束は守って・・よね」
「無論、恐らく今回に置いては最後の薬となるであろうな」

……最後?。
希望的な言葉を聴いて、私は気だるい身体を無理矢理起こして問うた。

「最後っ、最後ってこんな事が終わるって事っ?」
「どうやらワシを操るプレイヤーは相当このゲームを熟知した者らしい。
次はお楽しみのイベントが起きるのだが、実に最短ルートで進んでおる。」
「は、ぇ?」

言葉が通じない位に意味が解らない。
イベント……最短ルート……何?。
私の表情を察したのか魔王ヴァインが膝立ちになって、私の顔を片手で掴み説明をしたのだ。

「ワシはあくまで外のプレイヤーの選択によって動いている、それは前にも説明したな」
「えぇと……え、えぇ」
「今回希美子を調教するに辺り、プレイヤーは的確に希美子を落とす手段を取っている。
つまりヒロイン即ち希美子が堕ちる手段を最短時間で進めているという事だ。」
「…… ……ちょ、チョット待って!!」

更に説明を加えようとした魔王ヴァインを制す。
ようやく思考回路が安定してきた状態である、頭の中で整理が必要だった。
魔王ヴァインの言った言葉を整理する。
つまる所は。
(ぇえと……んと)
これはゲームだった。
そのゲームのプレイヤーは弟。
そして何故だかこのゲームのヒロインのお姫様は私、そして趣旨と目標はどうやらお姫様を堕とす事らしい……。
世界屈指の技術を集合させても絶対に不可能な状況で、何故だか私本人がゲーム内で選択通りに理不尽な調教を受けている。
魔王ヴァインは言った……。
「ヒロイン即ち希美子が堕ちる手段を最短時間で進めているという」その事、つまりプレイヤーである弟は最短ルートで私……このゲームのヒロイン姫を落とす術を知っているのだと。
チョット待って……だとしたら……。
いつ発売されたのかはどうでもいいとして、攻略方法なんて今ならネットでも使えば余裕だろう。
そのイベントとかいうやつに向けて進めるのは簡単…… ……ここてふと嫌な予感が浮かび上がった。

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