優等生の秘密
アサト:作

■ 38

 ふいに、俊樹の指が聡子の肛門に触れた。
「ひぁっ……ダメ、そんな、汚い所……っ!!」
「汚くなんかねーよ。すげーきれいな色してるぜ?」
 言いながら、俊樹は指を埋めていく。男にしては細い指だが、節くれ立っているため、関節が入るたびにそれまでと違った刺激を覚える。聡子は身体を震わせながら、その感覚に耐えていた。
「おい、胸もちゃんと使ってくれよ。」
 貢太はそういうと、聡子の胸を乱暴に掴み、その柔らかな谷間に自身を挟み込んだ。
「い、痛い……っ……!」
「じゃあ、自分で胸掴んで、俺を気持ちよくしてよ。」
 貢太の言葉に、聡子は頬を赤らめた。京介にさえ、パイズリなどしたことはなかったのだ。それなのに、自分で胸を掴めなどといわれ、屈辱と羞恥で心が押しつぶされそうだった。
「出来ないとか、言わないよね? あれだけ真田と激しくしてるんだ。パイズリぐらい経験あるだろ?」
「そんな……っ……京介を貴方達みたいなクズと一緒にしないで!!」
 その直後、乾いた音が教室に響き渡った。聡子がバランスを崩し、床へ倒れこむほどの勢いで、貢太が聡子の頬をはたいたのだ。人を殴ったことなど無い貢太が殴ったのだ。力の加減などできるはずもない。聡子の口の中に、鉄の味が広がり、その口の端には僅かに血が滲んでいた。
「誰が、誰がクズだって? こっちがいつも下手に出てりゃ調子に乗りやがって!!」
 貢太の豹変振りに、聡子は身をすくめて震え始めた。幼い頃から優等生の部類に入っていた聡子にとって、怒鳴られる、暴力を振るわれるといった事は経験が無かった。俊樹のような明らかに不良で、素行の悪そうな人間にならまだしも、貢太のように今までおとなしかった人間に暴力を振るわれ、怒鳴られるといったことはこの上ない恐怖であった。
「ご、ごめんなさい……ごめんなさい……っ!!」
 もう従うしかない、聡子は諦めた様子で、貢太のペニスを美しい二つのふくらみで包み込んだ。そして、両サイドから寄せるように手を当てると、自分で胸を揺さぶって貢太に尽した。
 俊樹は聡子の肛門に入れる指を二本に増やしていた。分泌される体液のおかげで、指はスムーズに出し入れできる。その事実に、俊樹はニヤニヤと笑いながら、亀頭を肛門に押し当てた。
「ひぃあっ!! や、やめ……っ!!」
 聡子が身を強張らせる。
「何言ってんだ? 初めてじゃないだろ? そっちは。」
 貢太の言葉に、聡子は耳まで紅潮させて俯いてしまう。だが、貢太に髪をつかまれ、顔を上げさせられる。貢太の目は、正直に答えろと聡子を脅しているかのようだった。
「は、初めてじゃないけど……まだ、一回しか……うああっ!!」
 俊樹が内臓を少しずつ逆流する。それだけで、圧迫感が聡子を追い詰める。
「気持ちよすぎて、動けないみたいだぜ?」
「仕方ないなぁ。」
 貢太はふっと鼻を鳴らすと、聡子の胸を掴み、自分で腰を振り始めた。先走りが潤滑材代わりとなって、柔肉の間を滑らかに、だがその感触はしっかりと味わいながら、ペニスが蠢く。
「んんっ、あっ、だ、だめぇっ!! あぁあっ!!!」
「ん? もうイきそうなのか? 感度のいい、淫乱な身体だな。」
 笑いながら、俊樹は聡子の尻を平手で叩く。その度に、聡子は容赦なく俊樹を締め上げた。
「……っく!! すげ……っ……締まる……!!」
「あっ、あぁっ!! お願……いっ、そんな、乱暴に、しなっ……ぃでぇ……」
 聡子の声に、甘さが混じる。胸の谷間を擦り上げられ、内臓を貫かれ、その度に自分の理性が薄れ、身体が貪欲にそれを快楽として認識するようになる。それを証明するかのように、精液交じりの蜜が、太ももを伝い、床に水溜りを作っていく。
「あぁあっ、あぁ! だめ、ダメェっ!! イッちゃ……うぅうああああぁあっ!!!」
 苦しげな悲鳴を上げ、聡子は背中を大きく仰け反らせたかと思うと、感電したように全身を痙攣させた。そして、そのまま気を失い、床へ倒れこんでしまった。
 その聡子に、二人は容赦なく精液を浴びせた。意識がないためそれに対する反応は無いが、絶頂を迎えた余韻でびくん、びくんとまな板の上の魚のように身体を震わせる姿は、この上なくエロティックなものだった。
「だ、大丈夫、なのか……?」
 絶頂を迎えた女が気を失う所など見た事ない貢太がうろたえる。
「大丈夫、気持ちよすぎて気絶しやがった、この女。」
 言いながら、、俊樹はその姿をちゃっかりと携帯のカメラに収める。これだけあれば、脅しのネタも十分、しばらくはオカズにも困らない、そう思った俊樹の表情は、自然に緩んでいた。

 突然、教室のドアが開いた。
「お前ら、何やってるんだ!!!!」
 間髪入れず、怒鳴り声が響き渡った。そこにいたのは、教室の鍵を持った梶原だった。後ろには京介も居る。俊樹と貢太は慌てて服装を正した。
「聡子!!」
 京介が倒れている聡子を抱き起こす。だが、聡子は反応を返さない。
「仲原、これは、どういうことか説明してもらおうか……?」
 梶原は血の気が引き、白くなるほど拳を握り締めていた。その表情は、普段温厚な梶原からは想像もできないほど、怒りに満ちていた。普段とは違う様子の梶原に、怯えたように固まる貢太の代わりに、俊樹が口を開いた。
「違うんすよ、先生。この女が誘ってきて、写真も撮ってくれって……」
「ふざけるなぁあっ!!!」
 ぱあん、と乾いた音が教室はおろか、廊下にまで響き渡った。梶原が、力いっぱい俊樹の頬を平手打ちしていたのだ。そのあまりの強さに、俊樹は床へ倒れこむ。
「……聡子が、私の『孫娘』が、そんな娼婦のような真似をするわけが無いだろう……」
 怒りでわなわなと震える梶原の手が、俊樹の服の胸倉を掴んだ。体力的には恐らく俊樹が勝るのだろうが、般若のような形相で睨みつける梶原に、俊樹はただ震えることしか出来なかった。
「ま、孫娘……?」
「……そうだ。私の、死んだ息子の、大切な忘れ形見だ……それを、貴様らは……」
 梶原の手が、無意識に俊樹の首へと伸びていた。
「梶原先生!!」
 京介の声に、梶原は我に返る。油の切れた機械のようにぎこちない動きで俊樹を解放すると、その場に力なく座り込んでしまった。
「先生、とにかく聡子……辻野さんを、病院へ……」
「そうだな……」
 京介と梶原はぐったりとした聡子の身体を手早く清め、服を着せた。騒ぎを聞きつけた他の教師達がすぐに集まり、聡子は保健医である女性教師の車で病院へ運ばれる事になった。
 そして、貢太、俊樹、京介の三人は校長室を飛ばして、理事長室へと呼ばれる事になってしまった。
(どうしよう、どうしよう……俺、何て事を……)
 理事長室へ向かう廊下が、貢太には異様に暗く長いものに思えて仕方が無かった。

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