2002.07.15.

After school
01
犁香



■ プロローグ

凛音

俺の妹、藤堂凛音は吹奏楽部に所属、毎日部活に明け暮れる日々。
俺は帰宅部だから、そんなあいつをただ横目で見ているだけなんだけど見ちゃったんだよ、こないだ………。

いつものように授業を終え、早々と帰り支度をしていた。
「やぁ……」
「?」
おかしいな、二階には誰もいないはずなのに………。
上は、二年生じゃないか。何してんだ?
職員室が一階にあるために、進路相談など何かと物入りな俺達三年生の教室は一階。

「あ、あは、ダメですっ……そこは………」
俺は女らしき喘ぎ声に誘われるようにして階段を登っていった。

響き渡る声に誘われるようにして、確実にその距離を縮めていく。
声が明朗なものになっていく。そしてその声は、聞きなれたあいつの物へと変わっていた。
「凛音、どうしたの!?早くしなさい!!」
パチーン、パチーンと鞭で叩く音が聞こえる。
「あぁぁぁっ!も、申し訳……ありません……………今、すぐに………」
まさに奴隷のような言葉を発した凛音に、俺は我耳を疑った。
ウソだろ?………妹が、そんな………。
「皆様……あたしのオナニーを見てください………」
今、何………言った?
教室のガラスから覗き込むと、そこには10人程の女がいた。
凛音は………机の上で股を広げ、見られてよがっていた。
「あら?もうこんなにグショグショじゃない。どうしたの?」
「あたしは、露出狂のマゾ女なんです……皆さんに見られると、感じちゃうんです……。」
俺の思考回路は完全にストップした。
目の前の事柄から今すぐに目をそらしたかった。
だけどなぜか、そこから全く動けない。指の一本だって動かなかった。
まるでこれから始まるであろう行為を見たいかのようだった。
「あぁん、あ、はん……うぅぅ」
一オクターブ上ずった凛音を声が少し開いた教室の扉から漏れてくる。
それは誰もいない放課後の廊下に響き渡った。
「すごい……あんた、いつも可愛い顔してこんなことばっかりやってたのね。」
「へぇ、こんな子いるんだ。今年の一年生は本当、いろんな意味ですごいわね……。」
今すぐ殴ってやりたかった。
凛音はそんな女じゃない、俺の大切な妹だ。って……だけど、
今の凛音は普通じゃない、異常だよ。どうして、こんな………。
「下のお口が暇そうだから、今日はいいものを入れてあげるわ。」
そう言って、クラスメイトでもある奈緒子が取り出したのはピンクのローター。
「いつもはあたしが使ってるんだけど……今日はたまたま持ってきてたから、入れてあげる。」
「あ、ありがとうございます……あたし、嬉しいです……」
頭が変になりそうだった。もう、壊れてしまいそうなくらい現実を受け止めることが出来なかった。

誰もいない放課後、初夏の出来事だった。



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