■ 浣腸凌辱1
やつ、岡井健志の住まいはちょっとした、価格の高そうな分譲マンションだった。
この一月、通行人や近所の住人に怪しまれないよう、毎日服装を替え、サングラス、帽子で変装をして、朝昼晩、徹底的にやつら三人の日常の行動、家族構成を観察して綿密な計画を立てた。
全体のプランを完了したおれは、実行に移す。
決行初日の朝、先ず岡井健志のマンションに出掛けた。
立派なエントランスに入り、出掛けようとする住人の男性を感知して開いたオートロックドアの内側に、当たり前のように装って滑り込む。
最近はほとんどのマンションに設備されているが、エントランスのオートロックドアなど、単に高級感を出すだけで、防犯の意味を為してなく、無用の長物だ。
エレベーターに乗らず、階段で4階まで上がり、廊下の突き当たりにあるやつの部屋の
ドアを窺う。
生まれて以来、警察の世話になったのは、運転免許の更新だけのおれが、初めて犯罪を決行しようとしているのに、人生を賭けてと決意したからか、綿密に計画を練ったからか、不思議な事に、冷静で落ち着いていた。
取り敢えず、この復讐の第一段階を完了するまでの総てが脳裡に描いてあった。
朝7時30分、やつが出勤する。玄関ドアが開いてやつが出掛けた。
調べた通り、やはりドアをロックしない。
やつの妻がまもなくゴミを棄てに出るからだ。
ゴミ出しを夫にやらせれば、不幸に遭遇しないで済んだものを。
すぐにもう一度ドアが開いてやつの妻が出て来た。
女も、すぐ戻るつもりだからロックしない。
淡いモスグリーンのサマーセーターに上品なベージュのフレアスカートで包んだしなやかな肢体、セシールカットをやや長めにして前髪を短くし、僅かにブルネットに染めた髪、目鼻立ちがくっきりしていて、いかにも理知的で上品な美貌。
やつと同い年で27歳。結婚して2年。
子供はいない。
高校教師であり、こんな良い女を妻にしながら、鬼のようなやつがしでかした事は絶対に許せない。
新たな怒りが湧き起こる。
これからあの女を凌辱するのだ。
しかし心の平静同様に性的な興奮もなかった。
出来るのか?
女性を暴力的にセックスの対象にした経験はなかった。
しかし、やらなければ、復讐は始まらない。
女がエレベーターに乗り込んだ。人気のないのを確かめて部屋に潜り込む。
不動産会社のホームページでこのマンションの仲介物件を確認して、間取りは調べて置いた。
靴をシューズクロゼットに納め、リビングに続く廊下に面した部屋のドアの内側に身を滑らせた。
この部屋が寝室なのだろう、セミダブルのベッドは寝起きのまま乱れていて、女のシースルーのピンクのネグリジェが放り出されていた。
昨晩もセックスしたのか?あんな良い女を妻にして、それなのに!
どす黒い怒りが再び湧き上がる。
準備してジャンバーに仕込んだガーゼ、養生テープ、登山ナイフ、カメラを確認する。
ドアが開いて閉まり、ロックが掛かる音がして、足音と共に女がドアの前を通り過ぎる気配がした。
部屋を出て背後から片手で女の首を抱き、女の声にならない叫びを聴きながら、眼前に登山ナイフを突き付けた。
「声を出すな!綺麗な貌でいたかったらな。判ったら頷け!」
女が呻きながら何度も首を縦に振った。
首を絞めている手にナイフを持ち替え、ポケットのガーゼの塊を取り出し、女に視せた。
「自分で口に圧し込め。逆らったら綺麗な貌に傷が付く」
女は何度も頷き、慌てて震える手でガーゼをひったくり、自分の口の中に圧し込めた。
「これで口を塞げ」
ジャンパーの内側に貼付けていた数枚の養生テープを重ねて置いたのを剥がして女に手渡す。
女がそれに従った後、おれは片手で養生テープを堅く押さえて、確認する。
「リビングまで行け」
女を歩かせ、リビングのソファーに座らせる。
女の前に膝立ちになり、ナイフを突きつけたまま女に対面する。
女は美貌を恐怖に引き攣らせ、怯えた視線をおれに向けた。
自分が、事を起こす前に想像していたより、冷静でいられるのが不思議だった。
可哀想に。しかし同情する事は無い。自分に言い聴かせる。
「自分で足首に巻け。言われた事以外はするなよ」
ジャンパーのポケットから養生テープを取り出し、端を剥がして女に渡す。
女は相変わらず怯えた表情のまま、しかし少し観念した諦めの色を浮かべた美貌を項垂れ、震える手で左足首にテープを巻き始めた。
「手首を添えろ」
三度巻いた処でナイフを手にしたまま、女の手首を重ねて三度巻いて固定する。
女は自分が身動き出来ない状態にされるのを悟り、涙目でおれを見つめて弱々しく首を横に振った。
同様に、右脚にも枷をする。
女は可哀相に、頬を涙で濡らし、鼻を啜りながら同様に従った。
《同情なんかするな!》
おれはくじけそうになる自分を何度も奮い立てながら、口に貼り付けた養生テープをしっかり貼り直す。
ナイフで女のワンピースの前の襟から裾まで切り裂いた。
女が何度も声にならない悲鳴を上げながら肢体を捩り、いやいやを繰り返す。
淡いピンクのブラジャーを裂く。
恐怖に肌が粟立った型の良い乳房が弾けるように跳び出し、愛らしい乳首がしこって震
えている。
清楚な美貌に不似合いな程生え繁った恥毛の叢を透かすピンクのショーツの両端も切り
裂く。
《本当にやるのか?》
未だ自問自答している自分を急き立てるように、全裸にした女を抱えて、浴室に入る。
間取りを調べた通り、明かり取りの窓はないから、声も音も漏れる心配はない。
照明を点け、声にならない叫びを揚げ続ける女を、浴槽の中に仰向けにした。
「ナイフを使わせるような事をするなよ」
おれは再び女にナイフを見せつけた。
女は観念してぐったりと項垂れた。
哀しみの色を浮かべた上品な美貌、美しい乳房に対して、剥き出しになった女性器と放射線状の皺の中心でひくつく肛門を囲むように、恥丘の叢から延びて8の字を描いて覆われた恥毛の淫猥な恥部が、酷く似つかわしくないように想えた。
こんな良い女を妻にして、何故!再びどす黒い怒りが湧き上がる。
《女の貌を視るな》
女の哀れな表情を視ると決心が鈍る、
おれは視線を逸らし、急いで全裸になって脱ぎ捨てた物を浴室の外に放り出し、シャワーのノズルを手にした。
ヘッドを外し、カランを捻って湯水を出し、浴槽に入って女が身動き出来ないように、膝で裸身を軽く圧さえ込む。
女が新たな恐怖に美貌を歪めて呻いた。
一瞬でも貌を視たとたん暴力衝動が消えそうになる。
おれは視線を女の恥部に集中した。
シャワーのホースの先端に固定金具が付いている。
女の肉体を傷付けるつもりはない。
湯水に濡れた指で肛門の窄まりを解す。
女がくぐもった悲鳴を上げ、裸身を捩った。
おれは構わず指を何度か潜らせてしゃくり、2本に増やして肛孔を解す。
自分の肛門など排泄の後始末以外で触った事もない。
勿論、女性の肛門に指を挿入するのは初めてだった。
妻と知り合って1年、逝かせるまで4年。
一度も触れた事がなかった。
女は亭主にされた事があるのだろうか?
浣腸、排泄、肛門でのセックス。
経験はなかった。
ただこの復讐の為に無修正動画で何度も観たイメージだけが脳裏を過る。
最初は指の侵入を堅く拒んでいた肛孔の締め付けがあっと言う間に解れ、柔らかくなって、まるでもっと奥へと誘っているかのように妖しく蠢き、おれの指を咥え込む。
経験した事はなかったが、これがアナルセックスの魔力なのか?
女が、何をされようとしているのか理解したのだろう、逃れようと激しく裸身を揺すりながら、金切り声のようなくぐもった悲鳴を上げ続けた。
おれは女の悲痛な表情を振り切るように、引き抜いた指の代わりに、湯水の噴き出すホースの先端をめり込ませた。
ホースをどのくらいまでめり込ませたか判らなかったが、何かに突き当たった。
恐らく直腸と大腸の接続部であろう。
少し力を込めるとホースはさらに奥まで潜り込んだ。
手を離す。
肛孔はホースをしっかり咥え込んでいて、外れる事はなさそうだった。
獣のような女の呻きを振り切るようにおれは、ドアの外のジャンパーからデジカメを取り出して手にし、女の全体が収まるようにシャッターを押した。
女は必死でもがき、腸内で起こり来る崩壊から逃れようと裸身を捩り、カメラから逃れようと、涙塗れの苦悶に歪む美貌を左右に振り立てた。
《可哀相に》
ここまでで止めようかと想った瞬間、女の喉を搾るような甲高い悲鳴と共に、ファインダーの中で一気に隆起した肛孔が弾けて孔を開き、肛孔とホースの狭間から排泄物が噴き出した。
おれはシャッターを押し続けた。
排泄臭が立ち込める。
肛孔が閉じてホースを咥え込む。
少しして腸内が湯水で一杯になると排泄物と茶褐色の液体が肛孔を再びこじ開ける。
同時に小便が噴出した。
異常な状態に置かれて身悶えする女の美しい乳房の隆起が排泄物に塗れ、滴り流れてそいだように窪んだ腹部に溜りを作る。
その異様な蠢きをしばらく繰り返した肛孔から噴き出る液体が透明になった。
女はついには、赤の他人の前で、いや、他人でなくても、人間として最も恥ずべき排泄を曝し、カメラで撮られて、観念したのか、眼を閉じて項垂れ、身じろぎもせず、ただ嗚咽を漏らしている。
カメラをポケットに戻し、抜き取ったホースにノズルを着け、汚れた女の裸身を洗い流しながら、手足を自由にしてから立たせ、もう一度丹念に全身を洗い流してやる。
時折破裂音を立てて肛孔が弾け、小さな固形物を含んだ液体が尚も噴き出し、太腿を伝って流れ落ちる。
ホースを投げ出して女を床に押し倒す。
手脚の自由になった女が逃れようとするが、体力も気力も使い果たしたのか、抵抗は弱々しかった。
脚を拡げて曝した女性器に男根を宛がおうとした時、勃起していないのに初めて気付く。
こんな良い女の裸身と恥部に触れながら、何故だ?
元より愛情を感じられない女に欲情した事はなかったし、暴力を駆使した事もなかった。
《犯らなきゃ》
おれは開いた女陰に宛がった男根を必死で扱いたが、勃起する気配はなかった。
萎えたままの男根の先端を無理やり先端を圧し込めても、すぐに抜け出てしまう。
おれは、女の排泄シーンをカメラに収めた事で納得する事にして犯すのは諦めた。
「酷い事して悪かったな。お前に恨みがあった訳じゃない」
おれは女の裸身の上から身体を起こし、口を開いた。昂奮に声が掠れていた。
凌辱から解放されたのを感じて多少安堵の表情に変わった女を起こし、口を塞いでいた
養生テープを剥がしてやる。
女は警戒の色を残して嗚咽を漏らしながら上体を起こし、口の中のガーゼを取り出した。
排泄という人間として最も恥ずべき醜態を晒したおれに対して、尚も乳房と恥部を両手で隠す。
日焼けしている訳ではなく、元々地肌の色なのだろう、艶のある淡い褐色の肌が未だ粟立っていた。
「じゃあ、ど、どうして?」
女の声も掠れ、震えていた。
「警察に訴えるならそうしろ。お前の亭主の人生が破滅して、お前の人生が変わるだけだ。おれは逃げも隠れもしない」
「ど、どういう事?ですか?」
気付くと、女が浴室の床のタイルの上に正座している。
「おれは田辺庸介。田辺由紀子の父親だ」
「田辺由紀子?ちゃん?って、あの、じ、自殺した・・」
女の美貌が強張った。
「知りたかったら、おれの部屋に来い。住所録で判るだろ?」
おれは女を置き去りにして浴室を出て、女が浴室をシャワーで洗い流すのを聴きながら洋服を身に着け、部屋を出た。
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