2005.05.07.

新・青い目覚め
03
横尾茂明



■ 被虐の炎1

 絵美は川辺の土手に座って川の流れを呆然とながめていた。

(どうして私・・万引きなんかしちゃったの・・)
(盗むなんて初めての経験・・それも死んじゃいたいくらい破廉恥な本を・・)

 絵美は両手を胸の前で交差させ膝に頭を思い切りぶつけた・・

(バカバカ絵美の馬鹿・・なんてことしたのよ!)
(取り返しのつかないこと・・してしまって!)
(こんなこと・・もしお母さんに知られたらもう生きて行けないよー)
(私・・どうしちゃったの・・どうしちゃったのよー)

 大粒の涙が湧いた・・このまま死んでしまいたいと絵美は思った。

(本屋のおじさん・・今日は警察を呼ばなかったけど・・今度の火曜はどうなるかわかんない。もし警察に届けられたらお母さんに知られるだけじゃ済まない・・学校にも友達にも知られてしまう・・)

(あーやっぱり私生きていけないよー)
(でも死ぬなんて・・お父さんみたいに・・死ぬなんて恐くて出来ないもん)

(本屋のおじさん・・どうしたら許してくれるの・・さっき・・何でもするから許してって言ったらおじさんの表情が変わった・・トシちゃんがこのまえ男の人は女の人とHすることばかり考えてるから女はそれを利用しなくちゃ損よ! と言ったけど本当かなー?)

(今度の火曜日、絵美おじさんにHなことさせてあげたら許してくれるかな)
(絵美・・死ぬの恐いよー・・やっぱり生きていたいもん)
(もし今日のことおじさんが黙っててくれたら・・絵美・・おじさんのしたいこと何でもさせてあげる・・死ぬことを考えればどんなことでも我慢出来るもん)

(でも・・Hなことってどんなこと・・服脱がされて縛られて・・)
(・・・・・)

(あの本の写真・・先週偶然見たとき頭が白くなった・・どうしてなの・・)
(トシちゃんに聞きたかったけど・・恥ずかしくて聞けなかったよー)
(体の自由を奪われて・・知らないおじさんに死ぬほど恥ずかしい・・性器を見られるの?・・)
(あぁぁー考えただけでも頭が変になっちゃうよー)

(私・・こんなこと考えるのは・・やっぱり変なのかナー)

(あの夜の出来事さえ無かったら・・こんな破廉恥な子には・・)


 絵美は辺りを見回した・・誰も居ない・・鞄を引き寄せ震える指で鞄を開けた、恐る恐る本を取りだしもう一度辺りを見回してからそっと本を開いた・・。

 暗く荒れた部屋に少女が縛られて寝ている・・次の頁は脚の毛の濃いおじさんが横に座り少女のお尻を開いて覗いてる・・少女の顔は悲痛に歪んでる。

(あぁぁーこんなことされてる・・こんな恥ずかしいこと・・)

 指が震え・・次の頁が開けれない・・目を瞑って思い切って開き、恐る恐る目を開けた・・縛られた少女は脚を折り曲げられ、お尻から長いゴム管が出て液体の入った白い洗面器に繋がっていた・・少女の表情は苦しそうな顔をしている。
 
(・・・・・・・・)

(この写真だ! あぁぁ何されてるの・・絵美どうにかなっちゃうよー)

 頭が白く濁り、川の水音だけが大きく聞こえ・・腰奥が痺れた。

(絵美も本屋のおじさんにこういうことされるの・・恐いよー)

(誰にも見せたことのないアソコやお尻の穴を・・知らないおじさんに見られるだけでも死んじゃいそうなのに・・こんなことされたら・・絵美・・絵美)

(アーでも・・どうしてアソコが濡れてくるの)

 絵美はスカートの下から手を入れパンティーの隙間から指を差し込んで性器に触れてみた・・。

(ワー濡れてる・・こんなに濡れるなんて・・)
(ワァーちょっと触るだけですぐにいってしまいそうだよー)

 絵美は覚えたてのオナニーをこの場でしたかったが我慢した。そしてパンティーの濡れてる所を持ち上げ、慌ただしく鞄からティッシュを取り出して性器を拭った。

(うわーヌルヌルだよー・・あぁぁでも気持いい)

 指の衝動を懸命に押さえ・・本を鞄に入れて立ち上がった。

(お母さん今日も遅いのかナー・・買い物していかなくちゃ)
(あの夜の出来事以来・・お母さん私の顔を正面から見てくれない・・)
(いつも何か言いたそうなのに・・優しいだけのお母さん)
(私・・あの夜の忌まわしい出来事は一生忘れること出来ないのかなー・・)

 絵美は今年女子高の2年になった、家族は母と絵美の二人だけであり、父は5年前・・あの忌まわしい出来事に耐えられず自殺してしまった。

 母の洋子は美しい女優・・、いまは連ドラの収録で連日深夜に帰宅している。絵美はもう2ヶ月あまりも母とはすれ違いの生活が続いていた・・そんな寂しい日々、親友の俊子が教えてくれたオナニーが今の絵美には寂しさを紛らわす唯一のリリーフとも言えた。


 絵美はマンションの鍵を開け、誰も居ない奥に向かって「ただいまー」と言ってみた・・静まった玄関脇の時計の音だけが妙に大きく耳に響いた。

 絵美は自分の部屋に入りセーラー服を脱いだ。パンティが濡れて気持が悪かったからこれも一緒に脱いだ。

 部屋の隅の姿見の前に立ち、ブラジャーを外しながら裸を映した・・自分で見ても素晴らしい裸像だと思う、母の遺伝子のせいであろうが・・。

 絵美の母は10代後半にトップモデルとして多くの女性誌で活躍し、20才で女優に転進、現在に至るまでには数々の映画賞を取得していた。
 そんな母は今でも美貌は衰えることなくテレビのCMにも多く起用されいた、絵美の現在の美貌はそんな母の良いところばかりを拾い集めた感が有った・・紛れもなく美の血統と言えた。



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