■ 第1章 堕とされた少女1
机に座る少女に、2人連れの少女の1人が話しかける。
「美咲さん、今日も会議よ。忘れないでね」
声を掛けた少女の名前は、松山美由紀(まつやま みゆき)、身長160cm体重は46kgぐらいだろうか、細身の身体にEカップは有るだろう胸を揺らし、セミロングの髪にネコのように少し吊り上がった大きな目が印象的だ。
声を掛けられた少女は
「あっ、はい生徒会室ですね」
美由紀にニッコリと笑顔を返し、落ち着いた声で答え
(今日も始まる・・・)
笑顔の奥で落胆の溜息を吐く。
少女の名は、橘美咲(たちばな みさき)。
都内に在る、私立光陰学園に通う17歳の高校2年生だ。
彼女は、今目の前にいる松山美由紀と、その後ろで微笑みを浮かべて立っている、別のクラスの中川佐知子(なかがわ さちこ)。
そして、ここに居ない、同じクラスの山田歩美(やまだ あゆみ)の3人に虐められている。
学園では、4人組の美少女で通っているが、実質は3人の女王様に飼われる奴隷のような関係が始まって3ヶ月程が経つ。
きっかけは、1年の3学期の期末試験で、ヤマが外れてしまったために自分一人が、良い点数を取ってしまったと言う、本当に些細な物だった。
この事を切っ掛けに、3人は事あるごとに少女を呼び出し、色々な言いがかりに近い吊し上げをするように成り、エスカレートした虐めは、その範疇を超え、学園の生徒会室と言う密室に呼び出し、男子生徒を含めて虐待と言えるレベルに成っていた。
学園の生徒会室に入ると、生徒会会長の山田歩美が会長の椅子に座り、ニッコリと笑って少女を迎えた。
歩美は、モデルなみのスレンダーな容姿で、明るく微笑みを絶やさ無い華やかな印象を持ち、頭脳も美咲と同じ特進クラスで、試験でも常に美咲の次に位置していて、学園内ではダントツの人気を持っている。
それに加え、社長令嬢という生い立ちからか、異様な程の迫力を持ち、この学園で女王のように振る舞っている少女だった。
「美咲さん、昨日の宿題はどうだった、上手く出来ました?」
「は、はい」
歩美の質問に、美咲は俯きながら小さく答える。
宿題とは、家に持ち帰って守らされる命令であり、昨日の宿題は、昨日の放課後から美咲の乳首に低周波マッサージ器を付け、今日の放課後までに電池を空にすると言う物だった。
美咲の返事に
「そう、じゃあ見せて戴ける?」
にっこり笑いながら、歩美が美咲に確認を取る。
昨日の夜3時まで、美咲を悩ませ続けた低周波マッサージ器も、朝登校前には動かなくなっていたのを確認して、コントローラーをポケットに入れて来た。
「美由紀さん確認して」
俯いたまま、動こうとしない美咲に悠然と告げ、横に居る美由紀に指示を出す。
美由紀は、素早く美咲のポケットに手を差し込み、コントローラを取り出して翳しながら
「本当に、大丈夫なんでしょうね?少しでも動いたら、また今日もお仕置きだからね」
美咲の耳元に嬉しそうに問い掛け、酷薄な笑みを浮かべ告げた。
美咲は、きつく目をつむって
「何度も確認したから大丈夫です」
口早に、精一杯答える。
そんな美咲に
「あら、昨日も一昨日もそう言ってた割には電池が残ってたじゃない。そんな、うっかり屋さんだから、こんな風に訓練されてるんでしょ」
嘲笑う様に告げる美由紀の言葉に、美咲が反論する。
「本当にいつも確認して居るんです。でもここに来ると何時も動くんです。まるで・・・」
激情のままに言いかけた言葉に[ハッ]と我に返り、美咲は慌ててその後の言葉を飲み込んだ。
しかし横で聞いていた美由紀には、美咲が言い掛けた言葉がハッキリ聞こえてしまっていた。
「まるで・・・。なに?私達が小細工して、おまえに意地悪してるとでも言いたいの?」
美由紀は、取っ掛かりを見つけたと言わんばかりにニンマリと笑い、ネチネチと美咲を嬲りだす。
その時、二人の遣り取りを黙って見ていた歩美が口を開いた。
「美由紀さん。時間が無くなりますよ、早く確認してみたら」
充電済みのコントローラーが、背後で準備できた合図として、歩美が告げたのだ。
その言葉で美咲の注意が歩美に向き、後に立つ佐知子が美由紀の左手に、スッと新しいコントローラーを手渡し、美由紀は右手に持った美咲から取り上げたコントローラーを差し出す。
佐知子は、美由紀が差し出したコントローラーを素早く受け取り、ポケットの中に落とし込むと、何事も無かった様にスッと離れる。
すり替えが終わると
「じゃぁ、試してみようか」
美由紀は、ニコニコと笑いながら、充電されたコントローラーを低周波治療器に付け替え、スイッチを入れる。
当然の様に、美由紀がスイッチを入れた途端、美咲の乳首に強い刺激が与えられ
「いやぁぁっ!どうして・・」
大声を上げながら、身体を抱き締めしゃがみ込む美咲。
そんな美咲を尻目に、
「あら、やっぱり動いたのね。本当に約束を守れないお馬鹿さんだね」
美由紀が冷たく言い放ち、更に追い打ちを掛けるように
「電池が早く無くなるように、手伝ってあげるね」
嘲笑いながら、スイッチを最強に上げた。
「ひぃ、あががぁ!い、痛い!」
美咲の乳首に、強く捻られるような刺激が襲い、悲鳴が止まらない。
暫くすると、電池が無くなったのか、スッと刺激が止まり痛みが引いた。
両手で胸を抱え込み、力無く項垂れ、ハァハァと荒い息を吐く美咲。
「残念。今日も、お仕置き決定だね」
嬉しそうに美由紀が声を掛ける。
美由紀の声に、美咲の顔が跳ね上がり
「そんなぁ。今日もここに来る前トイレで確認してきたんです。あんなに強く動くなんて絶対に可笑しいです」
泣きそうな顔で抗議の声を上げる美咲に、スッと目を細め、冷たい表情に成った歩美が真っ直ぐに美咲を無表情で見詰め
「うっかり屋さんの貴女が、約束を守れるように訓練してあげてる私達に、この上、言いがかりまで付ける気なの?貴女は使い切ったと言い張るようだけど、あなたが着けてる機械は、手作りの特殊な物で、充電式の電池は充電器に刺さなければ、電力が増える事なんて有り得ないのは知っているわよね?それに。唯一充電出来る充電器は、あなたに預けてるって事も、勿論憶えてるわよね」
噛んで含む様に、美咲に問い掛ける。
「でも、本当なんです」
必死に弁解をする美咲だが
「動いた事は、事実でしょ!今日のお仕置きは、とても酷い事になりそうね」
冷たい表情のまま歩美が宣言すると、今まで黙って後ろに立っていた佐知子が、ガッと手を伸ばし、美咲の首を後ろから掴んで、そのまま前に押し倒した。
佐知子は、元女子バレー部のアタッカーだったが、先輩との折り合いが悪く、暴行事件を起こし退部して生徒会入りをしている。
顔は、少し垂れた大きな目とスラリと通った鼻筋が特徴で、とても可愛らしいのだが、身体は、180pの長身と、1mは有るであろう豊満な胸、鍛え上げられた腹筋で引き締まったウエスト、大きく張り出したヒップを持ち、アンバランスな雰囲気を醸し出していた。
そして、鍛えていたから当然だが、そこら辺の男子では適わないぐらいの腕力も持っている。
佐知子は、しゃがみ込んだ状態で首を押さえ込み、土下座をするような形になった美咲の背中に、さらに膝を乗せて動けなくした。
「四の五の言わないで、訓練の挨拶をしな!」
優しげな顔立ちからは、とても想像出来ない口調で佐知子が怒鳴る。
その時、生徒会長室の扉がノックされ
「あのぉ、遅くなりました・・・」
廊下から、蚊の泣くような男子生徒の声がした。
ちっ!と軽く舌打ちをし、途端に不機嫌な表情になった美由紀が扉の鍵を外すと、ゆっくり開いていった扉の影から、ずんぐりとした男子生徒がおずおずと生徒会室の中に入ってきた。
彼は、近藤昌聖(こんどう まさきよ)と言い、美咲と同じクラスの男子で、身長175pだが体重90sを超える肥満児だ。
ぼさぼさの髪に、分厚い眼鏡を掛け、寡黙で孤立している上、顔中にニキビを作ってブツブツな容貌から、キングオブオタク等と皆から揶揄されている。
「遅れてすいません。頼まれてた物の調整に手間取っちゃって・・・」
ぶつぶつと呟くように言う、近藤に苛々したのか
「こんな事しか役に立たないんだから、時間通りにちゃんと仕上げなさい!」
美由紀が声を荒げ、吐き捨てる。
近藤のようなタイプは、美由紀は生理的に受け付け難いらしく、いつもゴミでも見るような目で睨み付けている。
「そう。今の言い方は頼んだ通りの物が出来たと、理解して良いのかしら?早く見せて下さる」
歩美の声に、
「はい、言われたとおりの外見と性能は、満たしました・・・」
ぶつぶつと言いながら、鞄の中から取りだした袋を、歩美に手渡した後、歩美の横に移動した。
「さあ、全員揃いましたし、今日の訓練を始めましょうか」
歩美が宣言した。
今日も恥辱の時間が始まる・・・。
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