2010.08.25.

狂  牙
001
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このお話は、[走狗]の続編です。
酷い表現も多々有りますので、ご注意下さい。
このお話は、[走狗]の物語から2年、[僕の転機]から4年が過ぎた物語で、良顕と昌聖が絡み合うお話しです。
両物語をお読みの方は、ストーリーに入りやすいと思います。


登場人物

 叶 良顕(かのう りょうけん)(31)マテリアルに加入し、僅か2年間でNo.4迄駆け上がった主人公。
 近藤 昌聖(こんどう まさきよ)(20)組織〈紳士会〉の幹部メンバー。
 天童寺 宗治(てんどうじ むねはる)(50)マテリアルの日本支部No.1。
 葛西 孝司(かさい こうじ)(50)今回のゲームのターゲット。
 葛西 毬恵(かさい まりえ)(40)孝司の妻。
 葛西 啓一(かさい けいいち)(19)孝司の息子。
 葛西 晶子(かさい あきこ)(16)孝司の娘。

 徳田 義継(とくだ よしつぐ)(65)大物の人権派弁護士。マテリアルの日本支部No.2。
 徳田 全一(とくだ ぜんいち)(18)乙葉達の弟で徳田義継の養子。乙葉と優葉を付け狙う狂人。
 久能 宗介(くのう そうすけ)(31)組織〈紳士会〉の幹部メンバー。称号はナイトマスター(ナイトは戦闘要員)。
 橘 優駿(たちばな ゆうしゅん)(40)組織〈紳士会〉の幹部メンバー。称号はプライムミニスター(組織のNo.3)。

 美加園 晃(みかぞの あきら)(29)オカマの天才医師。マテリアル内で唯一の良顕の友人。
 朝田 忠雄(あさだ ただお)(42)安曇野興業3代目組長。良顕の右腕で奴隷。
 伊藤 啓介(いとう けいすけ)(21)安曇野興業の経営する飲食部門の影の支配者。忠雄の懐刀。
 朝田 千春(あさだ ちはる)(31)忠雄の妻。忠雄の奴隷。
 安曇野 夏恵(あずみの なつえ)(27)クラブで働く女性を統括。忠雄の奴隷。
 三浦 千佳(みうら ちか)(18)夏恵の店で働きながら、昌聖達の通う大学の後輩になる。
 西川 乙葉(にしかわ おつは)(27)良顕の奴隷。良顕の手足となって働く。
 西川 優葉(にしかわ ゆうは)(22)良顕の奴隷。良顕の手足となって働く。
 橘 美咲(たちばな みさき)(20)昌聖の奴隷。優駿の妹で昌聖の婚約者。
 松山 美由紀(まつやま みゆき)(20)昌聖の奴隷。
 中川 佐知子(なかがわ さちこ)(20)昌聖の奴隷。
 山田 歩美(やまだ あゆみ)(20)昌聖の奴隷。

 由木(ゆうき)(?)マテリアルの連絡員。
 霧崎(きりさき)(?)マテリアルの連絡員。

 叶 涼子(かのう りょうこ)(27)義継に囚われた、良顕の妻。人体改造で牛女にされている。
 叶 香織(かのう かおり)(22)義継に囚われた、良顕の妹。人体改造で抱き枕にされている。

 三河 千恵(みかわ ちえ)(23)過去のゲームの最中惨殺される。
 佐藤 和美(さとう かずみ)(22)過去のゲームの最中惨殺される。
 安曇野 秋美(あずみの あきみ)(25)過去のゲームの最中惨殺される。
 デュディェ・クリスティーヌ・プリュデルマシェ(3?)[ウィッチ]の異名を持つ、マインドマスター催眠術の名手。
 山内 良顕にゲームで敗北した、元bQ。知恵と和美を惨殺した。


■ 第1章 籠絡1

−第1節 妻:毬恵−
 わたくしがその方にお会いしたのは、まだ寒さの残る3月の始めでした。
 わたくしの家は、10歳年上の夫が貿易会社を経営し、それなりに裕福で大学1年生の息子と高校2年生の娘の4人家族でございます。
 その方は我が家の門扉の支柱にもたれ掛かってうずくまり、荒い息を吐いて居られた所を
「ママ大変! 誰か家の前で倒れてる」
 娘の晶子が見つけたのが初めての出会いで御座いました。

 わたくしが朝ご飯の支度の手を止め、見に行くとお風邪を召されたのか、赤いお顔で熱を帯び、グッタリとされて 居られたので、わたくしは直ぐに娘と供に家の中にお招きし、お加減をお聞きするとか細い声で謝罪され
「有難う御座います。すみませんでした、直ぐに出て行きます」
 頭をお下げに成られました。
 その姿はとても儚げで消え入りそうで御座いました。

 わたくしはそのお姿に息を呑み、事情をお聞きすると、働いて居た会社が倒産しお仕事を捜すため、東京に出て来たばかりで頼る先も無いとの事。
 同情心からわたくしは直ぐに掛かり付けのお医者様に往診をお願いして、診察していただくと
「過労から来る、体調不良ですな。風邪もひいて居ますので、栄養を取りゆっくりすれば、直ぐに良く成ります」
 とのお見立てでした。
 わたくしは事情が事情でしたので、夫に話して客間の一つで養生していただく事に致しました。

 3日程でご回復されたそのお方は、夫に感謝の意をお示しに成り
「私には、今はこんな事しかご恩返ししか出来ません」
 そう仰って、その日から家事を手伝われるように成られました。
 そのお方の手際は全てにおいて素晴らしく、10室有る我が家の掃除を2時間程で完璧に終わらせ、冷蔵庫に有る物であっと言う間に4品の料理を作り上げられました。
 そのお料理の絶品だった事は、今でも忘れられません。

 わたくしはそのお方の働きを見て感激すら覚え、有る事を夫に申し出ました。
 夫はわたくしの申し出に
「あぁ、俺も考えて居た…。だが、その答えはもう少し待て」
 そう答えました。
 その時は意味が少し解りませんでしたが、夫は早い内に行動を起こして居たようです。

 わたくしの申し出から、2日が経つと夫はそのお方をリビングに呼び出し、わたくしが提案していた、ある事を切り出しました。
「どうだろう君さえ良ければ、この家に住み込んで家事を手伝ってみないか? それなりの給料は約束しよう」
 夫の言葉に、驚かれたそのお方は
「そんな…。こんな、素性も明かさない私をですか…」
 小さな声で囁くように、問い返しました。

 そして夫は、落ち着いた声でそのお方に話出しました。
「悪いと思ったが、少し調べさせて貰ったよ。会社が倒産したと聞いたが、君のお父さんの会社だね…。随分酷い目に遭ったようだ…、ご両親の事は同情するよ。君が素性を明かさなかった理由も解った。質の悪い奴達に追われているのも、調べさせて貰った。私の家は、君の過去とは何の接点も無い、暫く身を隠す積もりで、働いてはどうかな?」
 そのお方は、夫の話しを聞きながら涙をお流しに成り、何度も感謝の言葉を夫にお告げに成って、我が家で働く事と成られました。

 そのお方が我が家でお働きに成られ、暫くするとわたくしの身体に変化が現れました。
 いつも微熱を帯び、頭の中に薄い幕が掛かったような感覚が続き、身体が少しの刺激で敏感に反応するように成りました。
 夫とはそれまで、3日に1度ぐらいのペースで肌を合わせていましたが、身体に変調が起きてからは、ほぼ毎日わたくしから求めて抱かれました。
 21歳で長男を産んでから、初めての事です。

 40歳に成ったわたくしの身体の反応を夫は喜び、わたくしの求めに応えて呉れました。
 ですが、夫は50歳。
 毎日のわたくしの求めに、応え切れなく成り、身体を合わせるペースは元に戻りました。
 快楽を求めるわたくしの身体は、その熱を発散出来なく成り、わたくしはモヤモヤとしたものを抱え、イライラと何かに付け当たり散らすように成りました。

 そんな時そのお方が
「奥様…、お疲れのごようすですね。マッサージをしましょうか?」
 わたくしにお声を掛けて下さいました。
 わたくしはそのお誘いに、身を預ける事に少し躊躇いました。
 何故ならわたくしの身体は、その時は既に敏感過ぎる程火照り、疼いていたのです。
 マッサージをして頂いて、あられも無い声を出すのではと心配したからです。

 ですがそのお方は、わたくしの体調を思ん慮って、熱心にお勧め頂き、わたくしはその方の熱心さに絆され身を預けました。
 そして、わたくしは余りのカルチャーショックに、驚いてしまいました。
 そのお方のマッサージは、蕩けるような快感をわたくしにお与え下さったのです。
 わたくしは全身を洋服の上から撫でさすられ、何度もビクビクと恥ずかし気も無く絶頂を迎えてしまいました。
「奥様…、敏感なんですね…」
 耳元に囁かれた時は、顔から火が出そうな程恥ずかしゅう御座いました。

 ですが、その後のお誘いをわたくしは断れませんでした。
「私…、もっと奥様向きのマッサージも得意ですよ…。お部屋に来て頂けますか?」
 そのお方のお誘いは、甘く妖しい物を含んでいましたが、わたくしはお与え頂いた快感と疼く身体に抗えず、誘われるままにそのお方のお部屋に向かいました。
 招かれて、そのお方のお部屋に入ると
「さぁ、そこに横に成って下さい…」
 優しい言葉で示され、そのお方のベッドにうつ伏せに横たわりました。
 甘いそのお方の残り香がわたくしの鼻孔をくすぐり、わたくしの心臓は早鐘を打ちます。

 そんなわたくしの背中にそのお方は、優しく手を触れマッサージを始められました。
 わたくしが唇を噛み、声を殺すと
「このお屋敷の部屋は防音が効いております。お声を開放して下さい…」
 優しい声で囁かれ、わたくしは抵抗を止めました。
「あああ〜ぁ…はぅ〜」
 わたくしの口から、止めどなく官能を示す声が漏れ、そのお方はそれを巧みに引き出します。
 わたくしは一つの楽器のように、そのお方の指が操るまま、淫声を上げ蠢きました。

 いつの間にか、わたくしの洋服は全て脱がされ、全裸を晒しそのお方の指に全てを委ねます。
「奥様…綺麗なお身体ですね…。まるで20代のようです…。白くて張りが有って…それでいてうっすらと脂がのって…」
 そのお方はわたくしの肌に指を這わせ、わたくしの衰え掛けた肌をお褒め下さいました。
 そのお方の手が、乳房を揉み
「形の良いオッパイですね…。しかも、バランスの良い大きさ…乳首も綺麗な薔薇色…」
 乳首を転がしながら囁かれ、わたくしの淫声は更に大きく成り、子宮は激しく収縮しました。
 そのお方の手が、スルスルと股間に伸びて行った時は、快感でいっぱいだった頭でも恐怖を感じ、ゾクリと総毛が立ちました。

 今でも、初めて経験する程の快感を感じて居るのに、一番感じる部分を触れられたら、どうなるか解らなかったからで御座います。
 そんな恐怖感は、何の抵抗も出来ないまま、消え去りました。
 いえ、恐怖感だけでは有りません。
 思考そのものが、完全に消え去りました。
 わたくしの覚えて居るのは、真っ白な世界とその奥で更に白く強い光が何度も光っていた事だけです。

 わたくしの思考が戻って来た時は、わたくしは洋服をキッチリと着込み、乱れた化粧を整えた状態でした。
 それは、そのお方との事が夢で有ったかと思う程、元通りに成って居たのです。
 ですが、わたくしの身体が現実だと教えて呉れました。
 わたくしの身体は強い脱力感と深い満足感に満たされていたのです。
 夫とのSEXですら感じた事の無い快感と充足感。
 それをあの方は指だけで、わたくしにお与え下さいました。

 わたくしは久し振りに晴れやかな気分で、過ごす事が出来ました。
 しかし、それも直ぐに無くなり、またイライラが募ります。
 そんなわたくしを見ると、そのお方は優しくお誘い下さります。
 わたくしは、そのお方のお誘いをどうしても断る事が出来ず、いつもはしたなく身体をお預けします。
 その度にそのお方は私に、強い快感と深い充足感を与えて下さりました。

 その周期は、初めの頃、夫とのSEXと同じ3日に1回でした。
 ですが半月もすると、それは2日に1回に変わり、毎日に成るまでそう時間は掛かりませんでした。
 その頃には、わたくしの方から、お相手を懇願しておりました。
 そのお方はニッコリと微笑まれると、わたくしを誘いお部屋へ向かわれます。
 わたくしは胸を高鳴らせて、そのお方の部屋の中に入って行きました。

 わたくしが毎日お部屋にお伺いするように成ると、そのお方はわたくしに特殊なローションを使い、わたくしを官能の海に引き込んでいきます。
 そのローションを使われると、わたくしの身体は熱く燃え上がり、何度でも絶頂を迎える事が出来ました。
 わたくしは淫声を上げながら、身悶えし粘っこい愛液を垂らします。
 そのお方は、わたくしのはしたない姿を耳元で囁かれ、わたくしが如何にいやらしいか説明されます。
 わたくしは涙を流しながら、それを否定しますが、身体はそのお方の言う通りの反応を示し、わたくしの言葉が嘘だと証明します。

 わたくしがそのお方と、このような爛れた関係を結ぶように成り、当初の頃は私の身体の反応を誤魔化したり、認めなかったりしても、そのお方はお許し下さいました。
 ですが、この頃はわたくしが認めるまで、手を止め焦らして、わたくしが絶頂を迎えられないように、加減をされ始めました。
 そのお方の指は、巧みにわたくしの官能を弄び、翻弄してわたくしが、いやらしくふしだらな女だと認めさせます。
 わたくしは、自分が淫らで浅ましい女だと認めない限り、絶頂を得られ無くなりました。

 わたくしは恥ずかしくて、悔しくて何度も泣きながら、[もうお誘いには乗らない…][もうお誘いしない]と心に決めた事も有りましたが、わたくしの身体はそのお方を前にすると、熱く蕩け抗う事が出来無く成っていました。
 わたくしの身体はそのお方を求め、そのお方の与えて下さる快楽から、離れられなくなって居たのです。
 わたくしはいけない事と知りながら、もう抗う事無くそのお方に身体を任せるように成りました。
 そして、そのお方の仰るように[わたくしは淫らな女である]と認めるように成りました。
 すると、そのお方の仰る通り、わたくしの快感は倍増し、何度も深い絶頂を極めるように成りました。
 わたくしは[真の快楽]を得た気持ちでした。

 わたくしが自分の本性を認めると、そのお方は新たな快楽をわたくしに与えて下さりました。
 それは、様々な淫具を用いた物です。
 バイブレーターやディルドーと呼ばれる物やローターと呼ばれる物を使って、そのお方はわたくしの身体から快感を引き出されます。
 わたくしがそのお方のマッサージを受け、朦朧としているとそのお方は
「どうです? 気持ち良かったでしょうか…。今日はもっと別の世界に連れて行って上げます」
 わたくしに宣言し、わたくしのクリ○リスにピンク色の卵のような物を押し当てました。

 羽虫のような音を立てるそれがクリ○リスに当たりますと、わたくしは腰が砕けてしまい、驚きを隠せませんでした。
「そ、それは、何ですか?」
 わたくしの問い掛けにそのお方は
「ピンクローターと言う、玩具です…。大人のね…」
 妖しく微笑んでわたくしに説明して下さいました。
 わたくしは、その異質な快感に、最初、嫌悪感を覚え拒否致しましたが
「奥様…我が儘を仰らないで下さい。貪欲な奥様の身体を満足させるには、これぐらいの道具が必要なんです」
 そのお方はわたくしを諭しながら、わたくしの身体をベルトで拘束されました。

 右手を右足の脹ら脛、左手を左足の脹ら脛の両内側に固定され、手首に金属棒の付いた枷を嵌められ、わたくしは身動きが取れ無く成ってしまいました。
 わたくしはそのお方を信頼しておりましたが、その時ばかりは正直少し怖かったです。
 わたくしは必死で懇願し、そのお方に止めて頂くようお願いしました。
 ですが、そのお方は妖しい笑顔を強めて
「これが、お気に入りに成らなければ、私を解雇して頂いても構いません。必ず、奥様は満足される筈です」
 わたくしに宣言し、わたくしの身体に玩具を付け始めました。

 両の乳首に1つずつ、クリ○リスにも1つ、ピンク色の玩具が取り付けられると、そのお方はわたくしの身体をマッサージし始めます。
 わたくしはこの玩具が気に成り、そのお方のマッサージを楽しめませんでした。
 そして、そのお方もそんなわたくしを見て
「力を抜いて、いつものようにリラックスして下さい。でないと…」
 わたくしに注意をして、また妖しく微笑みました。

 そのお方は、わたくしの顔が引き攣ったのを見て取ると、言葉が終わる前にオ○ンコの中に指を差し込み、激しく掻き回しながら
「優しく出来無く成る事に、成ります…」
 わたくしに仰いました。
 ですが、拘束されたわたくしの身体は、どれ程注意されても、力が抜けずそのお方は溜め息混じりに諦め、わたくしの身体を撫で回し始めました。



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