2008.06.20.

女教師・千尋
01



■ プロローグ

 歩いた弾みに、縄がクリトリスにこすれ、千尋は思わず、腰を使っていた。
 『授業中なのに……』
そう思えば思うほど、とめどなく快感がわき上がる。

 ふと、妹の小百合と視線が交錯する。早百合は、奇妙な表情で彼女を見ていた。
気づかれたかもしれない。
 妹に自分の異常が感知されているのだとすれば、他の生徒も、気づくかもしれない。女教師らしい清楚なツーピースの下は、全身を緊縛する荒縄以外何も身に着けていないことを。無毛の股間からは、食い込んでいる荒縄にべっとりとしみこみ、そこからなお溢れ出す愛液が、既に太ももにまで滴っていることを。何より、聖職者であるべき彼女が、授業中に破廉恥な快感に震えていることを。

 シュンが自分を冷笑を浮かべて眺めている。その冷たい視線の前では、彼女は反抗する気力すらないのだった。まるで、蛇に睨まれた蛙のように。奴隷、という言葉ですら追いつかない。奴隷ですら、所有者に対して内心の反抗心を抱く自由はあったのに、自分ときたら、内心は恥ずかしい命令を待ち望んですらいるのだった。

 シュンが小さく咳払いをした。事前に定められた、「飼い主」の合図。
 それを合図に、千尋は、教科書を落とす。
 拾う振りをして、手を伸ばした。
 膝は伸ばしたままだ。

 男子生徒の視線がスカートの裾に集中するような気がして、千尋は軽く絶頂を極めた。もし万が一でも生徒たちに見られるのでは……という気持ちが、彼女を敏感にしていた。
 スカートの内側までは見えないはずである。朝、何度も確認したはずだ。しかし、彼女の体は、自分が思う以上に、恐れている以上に敏感に、淫乱に、隠微になっていた。滴る愛液を見られるかもしれない。濃密な女の香りに気づかれるかもしれない。その予感、あるいは期待は、深く暗い快感の深淵だ。

 様子がおかしい彼女に不信感を頂いたとおぼしき生徒たちに対して笑顔を作りながら、千尋の脳裏を、この3ヶ月間のことがよぎる。何故こんなことになったのだろう。どこまで、どれほど遠くまで、自分は来てしまったのだろう。……そして、自分はどこまで行ってしまうのだろう……。



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