2009.05.14.

右手の中指
01
田蛇bTack



■ 1

≪第一話≫

「あっ、ぅう、あぁっ…」
ダメだ、ダメだ。。声が大きくなりすぎちゃったら、ママにバレちゃうよ…。

今日も私は布団に顔を押し付けて声を殺し、ひとりでオナニーをたしなんでいた。
オカズは新しいパパ。あんなママに似つかわしくない、なんというか、ダンディーな人だ。決して若くないし、それどころか人から見れば私のおじいちゃんに間違えられてもおかしくないヒト。なんていうか、目にやどる光りがあやしくて、その目を見るたびになんだかドキっとしてしまう。

「「ママと結婚したのはね、本当はキミに近づくためだったんだよ」」
妄想の中でパパが言う。もう興奮が止まらない。私の右手の中指はク●トリスをじらすようになで、そして膣に入っていく。

グチュグチュグチュ……
指が鳴らす音がいやらしいから、わざと耳を澄まして聞いてみる。
なんだかお茶でもたてているような気分になる。軽く素早く左右にかき回すように泡立てるようにすると、すっごく気持ちいい。

あぁ、私もこんな音を立てるような大人のオンナになったんだな…。
実際私は処女だけど、こんなにみだらなら、処女だってバレないと思えた。

そもそも私がオナニーを覚えたのはもう何年も前のこと。クラスの男子と本気で喧嘩して、男子がこぶしでなぐってきたのがソコだった。男の子なら急所だろうけど、私には痛みよりも先に、じゅわーっと広がるような心地よい熱さが伝わってきた。

あの時は恥ずかしくてそのままそそくさと逃げ出したけど、まっさきにトイレにかけこんで、おそるおそる自分の指でパンツの上から熱くなっている部分をなぞったのを覚えている。
今までに知らない感覚…。誰にも秘密にしなくてはいけない感覚だと小学生ながら、なんとなく悟った。

それから、夜になる度に指でソコを懸命にこすった。ある一定以上こすっていると、急に背中に電気が走ったような感覚になって、顔まで熱くなって、それから深い海の底に沈んでいくような安らかな気持ちになる。…たいていの場合そのまま私は寝てしまうんだけども。

それが「イク」という感覚だとか、行為自体がオナニーということだとか、何も知らなかった。というか、誰も教えてくれなかった。
ただいつも、自分の右手の中指がもっと素早く動けばな、とだけ思っていた。

≪第二話≫

中学にあがった頃、生理が来るようになった。今まで毎晩やっていたオナニーも、生理が来ると血がついて汚いので、なんとなくできない。
三日目あたりまではなんとかなっても、四日目、五日目は本当につらい。頭がオナニーでいっぱいになるのだった。

♪♪〜♪〜〜
親友のマキがピアノを弾いている。見ているだけで目が回ってしまいそうな素早い指さばき。その日私は生理四日目だったこともあって、自分の指がマキの指のように動ければなぁ…と思い、うっとりとマキの指をみつめていた。

「シナもピアノやってみる?」
私の視線を感じたのか、マキは笑顔で私に訪ねてきた。

「ピアノやってると、指が器用に動くようになる?」
「なるよ。パソコンのブラインドタッチの上達も早くなるっていうし…」
「じゃあ、やってみようかな。」

軽い気持ちでピアノを触れてみたが、全然指が動かない。きっと右手の中指だけは異常に発達していただろうけど、ピアノは指一本じゃ弾けないのだ。

だけど同じ日、私は衝撃的な物を見ることになってしまった。
それは、帰り際に職員室によったときのこと。

ウィイイイイイン……
乾いた電子音が聞こえた。なんとなくそちらを見ると、先生が電動歯ブラシを使って歯を磨いていた。

「…!!!!!」
この瞬間、私のショーツの中につけていたナプキンに、血液とは明らかに違う液体がだらりと垂れた感覚があった。

どうやら私のアソコは、電動歯ブラシに一目ぼれしたらしい。
“アレを使えば、絶対に気持ちよくなれる…!!”
そう確信して、私は学校を飛び出すとまっさきにドラッグストアで安い電動歯ブラシを購入した。

さすがに生理中に電動歯ブラシを股間に直接あてがうのは抵抗があったため、ショーツの上からそっと当ててみた。

ウィイイイン、ウィイイイン!!!
かすかに振動が伝わった。けれどナプキンがその振動のほとんどを吸収していると思うとなんだか歯がゆかった。…ホントの意味で「歯が痒い」なら電動ハブラシを正しい用途で使えば解決するんだけどね。

けれど三日後にその鬱陶しい生理も終わり、いよいよ電動歯ブラシの本番が来た。夜になるのを待って、いざ寝る前にわくわくしながら股間に電動歯ブラシを持ってきて静かにスイッチを入れた……。

「……?」
が、動かなかった。あわてて電池を変えてみた。が、動かない。
アソコが期待外れとばかりにしゅんとなるのがわかった。
手元には電動しないポンコツ歯ブラシ。M字に開脚された自分の足。それから鏡。
あ、言い忘れていたけど鏡を見ると、オナニーがいつも以上に興奮する。自分でしていながら人にされているような妙な錯覚があったからだ。
その錯覚を強いものにするために、私はわざと腕には日焼け止めを塗らないようにしていた。

自分の白い太ももと、黒い腕は、同じ人間のものであるのに、そうではないように思えてしまう。
よくアダルトビデオでは白い肌の女優さんと黒い肌の男優さんを使うけれど、それとだいたい同じような感覚だ。

とにかくこのころの私は、オナニーのために生きていた。



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