2007.12.13.

人身御供
03
非現実



■ 怪奇伝3

戦の程は一瞬に付いた。
戦とは云えない、ただの押し込み強盗の討伐でしかない。
別段、私の策など不要なほどの……。

各将は事後対策に走り回っている頃だろう。
こういう仕事は、党首と軍師の仕事ではない。
私は一人城へと戻り、今後の前線への対策を練っていた。
ずさんな警備体制も整え直さなければならない。
(全くっ……兵重殿は何処へおるのか)
早々に決めなければならないが、党首と話し合わなければ体制も変えられない。
私の性格上、重要な用件を後回しにする事を嫌う。
(ヤレヤレ……困ったお人ぞ……)
広げていた島内地図に、お気に入りの扇子を放り投げた。

その頃…… ……。

乱取りにより焼け落ちた一つの民家の一室。
焼け焦げた臭いに混じり、汗と汁の臭いが混じる。

「くかかかっ、どうじゃ〜えぇんかぁ?」
「ぁ〜〜〜ぃぃい〜〜〜わぁ〜〜っ!」
「じゃったら、もっと締め付けろいっ!!」
「あぅっ!?」

下となっている女子の頬を軽く張った。
もう視線すら覚束ない女子は快楽の虜になっており、涎を垂らし続けながら腰を振り続ける。
両足を抱え込みながら、男は乳首にむしゃぶりついた。
仰け反りながら、痴態を晒し喘ぐ女。
その恍惚とした表情は決して嫌がっているようには
見えない。
男は両方の乳首を交互に舌で嘗め回す。

「あぁ〜〜〜っひぃぃ〜〜〜ぃ〜〜ぃ」
「じゅるじゅるじゅぅっぷ……くは、美味じゃあっ!」
「ぉぁ〜〜〜〜ぁ〜〜…あぁっぁ!!」
「ホレホレッ、どうしたっぁ〜〜もっと欲しいなら願えいっ!!」

男の腰の動きが止まり、執拗に乳輪を嘗め回す。

「ぁぁ〜〜〜ぁ〜〜ぁっぁ……下さいませぇ……下さいぃぃ〜〜〜。
ワタヒィ〜〜……私のぉ、オ○ンコにぃ!!。」
「旦那のよりもワシのが欲しいのかっ!?」
「ぁ〜ぃ〜〜〜、兵重様のぉ…がイイのっぉ!」
「かっかっかっぁ!」

再び総布兵重の腰が動き出した。
焦らされ……待ち焦がれた女房が激しく喘ぐ。
下となっている女子は、先程敵に輪姦されていた女房であった。

「くくく、あれだけ敵兵に犯されておきながら尚も気をやるかっ?」
「ぁ〜〜〜ひっぃ〜〜〜ぅ〜〜〜ンァ」
「旦那を殺されて〜〜っ、その目の前で輪姦された気分はどうじゃったぁ!」
「〜〜〜ぅはぁぁ〜〜〜ぁ〜〜き…気持ち良かったぁっぁ〜〜ですぅ!」
「くくっ、どうしようもない淫乱女じゃなっ!」
「もっぉっとぉ〜〜〜もっとぉ〜〜〜ぁあ〜〜〜」
「出すぞっぉ、中で受け取れぃ!」
「ぁ〜〜ぁぁあ〜〜」
「党首様のありがたい精子じゃっぁ!!」
「あ、だめっぇ…い〜〜……ぃくっぅ!!」

2人は同時に果てたのだった。
激しい息継ぎをしながら、卑下た笑みで総布兵重が
ヌルヌルに穢れたチ○ポを引き抜いた。
ピクピクと身体を振るわせ続ける女房を見据える。

「くくく、乱取りこそ……この世の遊戯」
「お館様?」

戸の向こうで、臣下の魏志四郎が声を掛けてきた。
高い武力と忠臣なる心掛けに、総布兵重はこの者を気に入っていつも側に置いていた。

「如何致しますか?」
「うむ……この女子は実に具合が良い」
「では?」
「連れて行く」
「ははっ!」

戸の向こうで、魏志四郎が深く会釈した。
(くくく、これからは……もっともっと敵地で乱取りを楽しむとするか。)
汚れた物を剥ぎ取った女房の衣で拭い、総布兵重は立ち上がったのだった。

そろそろ帰ってしまおうかとも考えていた頃、ようやく総布兵重が城に戻ってきた。
従う者は魏志四郎と、もう1人の老人。
(む?)
その老人は、私がここに来る前に軍師であった者で、名を風見甚五郎という。
私とは折り合いは悪い。

「えらく待たせたな」
「……ええ……随分と待ちました」
「色々と見て回らなければならなかったのでな」
「そうでしたか」
「で、軍師殿は何をしていたのだ?」
「最前線の考案を……」

私は、島の地図を押し出して扇子で海をなぞった。

「それはご苦労な事よ」
「じゃがな……その必要は無しじゃよ栄弦殿」

降格したのが恨めしいのだろう、この風見甚五郎は私を軍師とは呼ばない。
私の案に何かと突っ込む面倒な老人だった。
クダラナイ……そんな事で争う気など私には毛頭無い。

「何故に?」
「総布様……」
「うむ!」

わざわざ党首の口から云わせるつもりらしい。
(ほぅ、やけに自信有り気なものよ)
ゴホンとワザとらしい咳をした後、考えられない言葉を聞くことになった。

「これより可木家を攻める」
「……なっ!?」

絶句する私に、たたみ掛ける総布兵重。

「戦じゃっ、戦……報復戦を行うのだっ!!。
罪無き民の無念を晴らすのじゃっ!!。」
「…… ……」
「明後日、可木へと乗り込むので心しておけよ?」
「……」

何を言っているのか、一瞬思考が止まった。

「軍師殿には、攻め手の思案をして頂く」
「……」
「ふむ、栄弦殿なら良き手を考えるであろう」
「お、お待ち下さいっ!!」
「もう既に決まった事である」
「ぜ、前線は…… ……如何するおつもりか?」

ニヤリと笑う総布兵重。

「軍師殿が残ってやればよかろう?」
「……戦に私は必要無しと?」
「策さえ頂ければ……」

魏志四郎が始めて口を割って出た。
脳までの筋肉な魏志に話しても仕方ない、私は無視して総布へと向き直った。

「お待ち下さい、党首たる者がこの最前線を再築するのが一番なのですっ!」
「何故に?」
「この地を守護するお方が直々に行う事で、民は一層の忠誠を誓うでしょう」
「……ふむ」

それも悪くないという感じの党首。
もう一押し……。

「その必要は無いでしょう、むしろそれは栄弦殿にあるのでは?」
「っ!」

流石に頭脳を買われていただけある、絶妙な遮り方だった。

「そうだな、ワシは既に民から絶大の支援を得ている。
日が浅い軍師殿が行い、民の信頼を得ればよい。」
「……あ、有難き」
「よぅし、では決まりだ」
「もう遅い時間、そろそろお開きに致しましょうか?」
「うははっ、寝るかのぉっ!!」
「はっはっは、それがよろしいかと」

意気揚々に出て行く3人と、してやられた感で一杯の座ったままの私。
ふと視線を感じ、その行方と視線を送ると……。
最後に出て行く風見甚五郎が振り向いて、立ち止まっていた。
フフッと鼻で笑った後、ゆっくりと立ち去ったのだ。

「乱取り…… ……そうまでもして」

扇子を握り締めて呟いた。



▲ BACKNEXT ▼



この小説は、完全なフィクションであり、実在の人物、
団体等と何の関係もありません。
この小説へのご意見、感想をお寄せください。
感想メールはcopyright下のアドレスまで


NEXTBACK TO NOVELS INDEX


18's Summer : 官能小説、恥辱小説とイラストの部屋