2007.01.07.

羞恥ゲーム
〜自分の保全と欲望と〜
01
小早川



■ 第一章1

★きっかけ

これは、郊外にある公立高校での話です。
3年2組のクラス委員である智子が体験した事は、今でもトラウマとなって心の奥底に刻まれて癒える事は無いでしょう。
智子は、学業だけでなくスポーツも万能で、でも、それを鼻に掛けること無くクラスでも明るく人望が厚い事から、1年生の時からクラス委員をしている。3年になった時は、先生からも生徒会長になってはどうか。と誘われた事もあった。智子本人は、そこまでする自信がなくやんわりと断ったようだが…
それ程、生徒や先生から評判が良いと、それを妬む輩が出てくるのも仕方が無いのでしょう。この3年2組にも智子を妬むグループがいた。美穂を中心にした典子と晴美の3人組。
その3人組は、智子と正反対のあまり良くないいわゆる不良と云われるグループのメンバーだ。智子に対して妬みはするが、特に害を及ぼす事も無かったので、無視をしている位だった。智子も又、あまり関わらないよう避けている。
そんなある日、美穂を怒らす出来事が起きた。
月曜日の1限目・数学の時間、先週行なったテストが返された。勿論、智子は満点で3人組は全員白紙だったので0点であった。ここまでは、いつもの光景であり、なんでもなかったのだが先生が、
「智子、よく勉強しているな。満点はお前だけだぞ。それに比べて、後ろの3人。ちょっとは智子を見習え!」
智子は(ドキッ!)として、恐る恐る後ろを振り返ってみた。真ん中に座っている美穂がすごく怖い目で私を睨んでいた。智子はすぐ前を向いたが、その目が脳裏から離れなかった。(先生、なんて事を言うのよ。睨まれちゃったじゃない。私、何も悪くないよね。)
先生の軽率な発言が、智子と3人組を結び付けてしまった。
この日、2限目以降、3人組は教室に現れる事はなかった。
3人組は、駅の近くにあるカラオケボックスに来ていた。
美穂「智子ってムカつかない?」
典子「ムカつく!」
晴美「ちょっと絞めてやろうか!」
美穂「あまり派手に動くとこっちが危ないね」
晴美「じゃあ、このまま何もしないで済ませるの?」
典子「そうだよ、このままじゃ私たちの面子丸潰れじゃん!」
美穂「済ませる訳ねぇだろ!」
晴美「じゃあ、どうするのさ?」
美穂「………あいつの信用を潰してやるよ」


★計画

次の日、火曜日の放課後、学校の屋上で3人組と1組の早紀と恵美、後輩で1年の麻衣と美香と美紀の8人が集まっていた。この学校の実質的不良グループが集合した。
早紀「美穂、なんか面白い事企んでいるらしいじゃん」
美穂「まぁね、今日はそれで集まってもらったんだけど。」
美穂と早紀は、幼馴染で何かやる時はいつも一緒だった。美穂と早紀は、お互い気の合う仲間だが、周りの人からはそうは見えないだろう。美穂は、見るからに不良と言われるような格好や髪形、化粧をしている。いつも典子や晴美を従えて廊下や教室を闊歩している。授業をサボる事も日常茶飯事である。早紀の方は、今時の女子高校生で、1組では人気者である。性格もサバサバしているイメージを皆に与えているが、その実、美穂より怖い性格である事は、美穂とここにいるメンバーだけしか知らない。美穂ですら、早紀と争うことを避けている。喧嘩をすれば、精神的にきっと負けるだろう。それ程、執念深く、しつこい性格なのである。
この二人は普段、教室や廊下ではあまり会話をする事はない。お互い友達ではなくパートナーだと思っているからだ。
美穂「うちのクラスの智子さぁ、最近調子に乗っていると思わない?ちょっと絞めてやろうかと思うんだけど、手貸してくんない?」
早紀「私も思ってた!美穂も同じクラスでよく我慢してるなって」
美穂「あいつ、教師に受けが良いからさぁ、あまり手出せなかったんだよね、でも、もう我慢出来ないね」
早紀「フフフッ、で、どうすんのさ?」
美穂「派手に出来ないからさぁ、精神的に痛めつけてやろうと思うんだけど」
早紀「あれ、やるんだ!だから、私を誘ったのね!いいよ、面白そうじゃん。今回は、思いっきりやらせてよね!」
美穂「今回は、徹底的にやるつもりだから。早紀、良いアイデア貸して」
早紀「智子の情報は無いの?」
恵美「確か、家は、母親と妹と三人暮らしって聞いたけど。1年の時、同じクラスで一人一人自己紹介した時言ってたから、間違いないよ」
美穂「へぇ〜、で、他には?」
美紀「貴子の姉貴って、智子さんじゃなかったかな?」
晴美「おい、美紀!なんで「さん」付けなんだよ!あいつは、「豚」でいいんだよ!「豚智子」って呼べ!!」
美紀「すいませんでした」
早紀「あははっ、それいいねぇ、豚智子か〜、じゃあしっかり豚智子に仕上げてやろうじゃないの!フフフッ」
美穂「あんた、ほんとに……  頼もしいわ。。。」
麻衣「貴子のオフクロ、夜の仕事をしてるって。だから、家の事は姉貴の豚智子と分担してやってるって」
典子「家は、私の家の近くだよ。○○○公園の先の国道を渡って直ぐの所」
美穂「何か弱味を握らないと難しいな」
早紀「盗撮でもするか」
美穂「どうやって?」
早紀「麻衣、美香、美紀、あんた妹の貴子と同じクラスでしょ。ちょっとこっちに来てくれる」
早紀は、麻衣、美香、美紀を屋上の端の方に連れて行って何か話をした。三人は、何度か頷いた後、「分かりました、やってみます」と返事をした。
美穂「早紀〜、何やってんの、何で教えてくれないの?」
早紀「いいの、いいの、美穂、楽しませてあげるから。フフフッ」



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