非幻想異端的日常
BACKNUMBER


2009年 6月 24日 (水)
 長らく日記を書いてなかったが、ハードディスクに下書きがわずかに残っていたのですべてアップした。
 この日から数日のあいだの様子もメモ書きが残っているのでそれをダイジェストで紹介すると、ひさしぶりにカレーを作っていたところに編集長がやってきて一緒にカレーをつくり、出来たカレーを食べながらチェーンソー男が出てくるつまらない恋愛映画を見たり、マシュ〜監督がお亡くなりになってお別れ会に出席したりした。映画ではブライアン・デパルマの「愛のメモリー」、ショコタンが出演している「エクスクロス〜魔境伝説〜」、ブラピの「ファイト・クラブ」、松梨智子の「映画監督になる方法(知ってる人がたくさん出ていた。最後のクレジットを見たら、さらに知ってる人の名前がたくさんあった)」、ルイス・ブニュエルの「忘れられた人々」、「WWE アンフォーギヴェン 2006(映画じゃないが)」、ビートたけしの「みんな〜やってるか!」、こないだ「背中」の女学生役のオーディションに来たナコシさんが出演と脚本をちょっとやっている「東京残酷警察」、黒澤明作品中で唯一見ていなかった「醜聞〈スキャンダル〉 修復デジタルマスター版(他の29作品は20年前にすべて見ていたというのに)」、クリント・イーストウッドの「ブロンコ・ビリー」などを見た。

 2002年からほぼ7年にわたって書き続けてきたが、もうここでは日記は書かない。忙しくて書く暇がないのだ。またネットで日記を書きはじめる日もくるかもしれないが、そのときはまた別の場所で再開すると思う。
 読んでくれた皆様、今までどうもありがとうございました。

2009年 6月 23日 (火)
 TSUTAYAで借りたDVDでインド映画「ストーミー・ナイト」を見た。原題は「Kaun?」で、「誰?」という意味。主演はウルミラ・マトゥンドゥカル。美人だが少しオバサン顔のセクシー系女優である。
 尺が90分でミュージカルシーンが無い。インド映画ではあまり無いことだが、これはカットされてるからだろうか? ミュージカルシーンの無いインド映画はたまにあるので、ミュージカルシーンは最初から無い可能性もあるが、この手の映画で尺が90分ということはまずあり得ないような気がする。平均150分くらいあるインド映画だから、ヘタすりゃ半分近くカットされてる可能性あるだろう。しかしそれにしては足りないシーンがあるとは思えないほど淡々としたストーリー運びだった。
 ベタな展開が実にバカバカしいが、インド映画としては標準な作りで、出来はそれほど悪くもない。オチもなんとなくインド映画らしい。インド映画のラストはベタなどんでん返しが多いが、それは意外な結末を狙っているというよりも、ショーの最後は必ずジャジャーン、なんと!なノリで終わらせないと映画を作った気がしないんじゃないかと思っている。

2009年 6月 22日 (月)
 事務所の掃除であたる♪ちゃんが来る予定だったが、具合が悪くなったらしく、延期になった。そのかわり、午前中、長電話した。なぜか喧嘩になった。
 午後は編集やら執筆やらにあけくれた。

2009年 6月 21日 (日)
 高田馬場BABACHOPの自主映画上映会B-DASHに参加。今回はこないだ撮影して編集した現在俺が制作中のオムニバス自主映画「背中」の第二エピソードである「女学生の背中」を短編作品としてテスト上映させていただいたのだ。恐らく後にも先にも、「背中」のエピソードが単品として人の目に触れる機会はこれっきりになると思う。
 作品の評価はまぁまぁだった。ほとんど思った通りだったが、わかっていることでも人の言葉を通して頭に入れ直すと、言語情報としては同じことでも感覚的に新たにわかることもある。13号倉庫さんとか、ひさしぶりにお会いした俺が一番尊敬する自主映画監督の1010さんとか、いろいろ意見をいただき、やっぱり上映してよかったと思った。
 他に2作品、他の監督の自主映画が上映されたが、この上映会では珍しく長編の「バカねじ!」という映画がとてもおもしろく、DVDまで買ってしまった。
 「背中」のまだ決まっていないキャストをその場でスカウトしたり、スタッフのオオクラさんも来ていたので来月ここで撮影する打ち合わせをしたり、何かと一晩でいろいろできたB-DASH上映会であった。

2009年 6月 20日 (土)
 今日も池袋の集金が延期になった。どこも苦しいようだ。

2009年 6月 19日 (金)
 TSUTAYAで借りたDVDで石井聰亙監督の映画「DEAD END RUN」を見た。
 石井聰亙監督がまたひとつ、映画の常識を破壊したと評判の映画だが、コワれたのは石井聰亙監督自身なんじゃないかと思えるような、気持の良いコワれっぷりの映画だった。特に第一話がステキ。
 粟田麗がよかった。

2009年 6月 18日 (木)
 午前中、虎ノ門で歯医者。終わって、新橋まで歩いて集金。ついでに銀座も寄った。その後、池袋で集金の予定があったのだが、金がないと言われて後日になった。

2009年 6月 17日 (水)
 支払いを忘れていた。

2009年 6月 16日 (火)
 あたる♪ちゃんとのネットラジオがついに始まった。ずるずるとのびにのびてたが、このままのびまくらせるわけにもいかないので、期限を決めて何が何でも六月半ばにははじめる方向で動いていたのだ。
 とりあえずこちらのサイトで聴ける。

占い情報サイト【クレッセント・ムーン】
http://www.crescent-moon.tv/

ネットラジオ【にゃはは♪カフェ】
http://www.crescent-moon.tv/hiroba/nyahaha.html

 内容はようするに、俺と占い師のあたる♪ちゃんとで、毎回占いに関係あることないこと、テーマを決めて語り合う、というものだ。あたる♪ちゃんは普段占い師として活躍している名前「招樹音呼(「まねきねこ」と読む)」、俺は「劉賢(「りゅうけん」と読む)」というラジオネームを使っている。
 生まれたときから常人とは違った感覚を持ったあたる♪ちゃんと、常識人である俺とのコンビで、「この世で最もうさんくさいネットラジオ」を目指してこれから月2回、第一第三水曜日更新を目処になるべく末永く続けてゆくつもりなので、ぜひ聴いてくだされば幸いである。

 よろしければご意見・ご感想・ご質問などもぜひお待ちしております。
http://www.crescent-moon.tv/hiroba/form/

2009年 6月 15日 (月)
 今日も自主映画「アネモネ」の撮影のお手伝い。夕方までは喫茶店、夜は昨日と同じ、アパートでの撮影だった。
 映画の中で、喫茶店で主人公がタロットをやるシーンがあるのだが、そこのタロットカードの使い方の指導をやったのと、チョイ役で出演させてもらった。自主映画に出演するのは人生で3度目だが、セリフのある役はこれが初めてである。しかし演技が出来ないのでカットされても文句は言えんな。

2009年 6月 14日 (日)
 俺が脚本を書いたマシュ〜監督の自主映画「アネモネ」の撮影のお手伝い。朝から夜まで、ずっとアパートでの撮影だった。出演者の皆さんが素晴らしい方ばかりなので、完成が楽しみである。

2009年 6月 13日 (土)
 夜、天野とミーティング。

2009年 6月 12日 (金)
 アロマエステを経営するAさんのとこで打ち合わせをしたついでに、アロマエステをタダでやっていただいた。アロマエステ初体験である。なかなかよかった。
 エステ後、近くのレストランでランチをご一緒した。

 夕方、虎ノ門で打ち合わせ。

2009年 6月 11日 (木)
 昨日撮影した「背中」の映像をチェック。映画の撮影で一番楽しいのは、俳優さんの演技やそれを含めた映像が、「キタ」瞬間を目の当たりにするときだ。「キタ」とは、俺の思い通りの映像が「キタ」ことでもあるが、それよりも俺の思惑だとか関係なく、とにかく画が「キター!!!」と思う瞬間があるのだ。今回もそんな瞬間が多々あった。これらの数々の「キテル」画を、編集でどう生かすかが勝負である。

2009年 6月 10日 (水)
 自主映画「背中」の撮影。出演はオオキさんとアライさん、アシスタントはオオクラさん。場所は田端。撮影するのはエピソード3である。
 寝不足だったので調子が悪く、そのぶん、撮り残しや失敗が無いように、ねばってみた。結果、大事には至らず、撮影は無事に終了。時間もそれほど押さず、ほぼ予定通りだった。

2009年 6月 9日 (火)
 昼、歯医者。その後、銀座のE社で仕事。夕方、東新宿で集金。夜、妹1やってくる。
 明日は自主映画「背中」の撮影なので早く寝ないといけなかったが、準備がなかなか終わらず、夜更かしした。

2009年 6月 8日 (月)
 あたる♪ちゃんを送り、その足で小原さんの自主映画「熱球物語〜星飛雄馬vs花形サイボーグ軍団」の撮影のお手伝いに和泉多摩川まで行った。この映画の撮影を手伝うのは3回目である。この映画、制作がかなり長引いていて、最初にお手伝いしたのは2年前である。あのときはエキストラ出演だったが、今日は爆発シーンとかミサイル発射シーンとかの特撮が中心だった。撮影後、ファミレスで食事して帰った。

2009年 6月 7日 (日)
 自主映画「背中」のロケ地で俺の部屋を使うことになったので、あたる♪ちゃんを家に呼んで手伝ってもらい、撮影用に部屋の模様替えをした。ちなみにあたる♪ちゃん、家に来るのは初めてである。
 俺は模様替えとか引っ越しとか、めんどくさいことが大嫌いなので、本当に嫌々やった。嫌々ながら、暗くなるころには何とかすべて終わった。嫌々だったからか、かなり時間がかかってしまい、あたる♪ちゃん終電がなくなったので、事務所の床に寝て泊まった。

2009年 6月 6日 (土)
 仕事。午後イチで銀行に書類を渡しにいく。夕方、税理士さんがきた。

2009年 6月 5日 (金)
 TSUTAYAで借りたDVDでアメリカ映画「ロスト・イン・トランスレーション」を見た。ソフィア・コッポラ監督、ビル・マーレー主演。
 この映画はずいぶん前に近所でロケ現場を目撃したので、ずっと見たかったのだ。見てみたら、俺がロケを目撃したシーンはラストシーンだったのだな。そんなわけで、この映画の舞台の90%くらいは俺の家から歩いて三分以内のところばかりである。しかも半分くらいは事務所のすぐ目の前のパークタワーだ。
 日本にやってきたアメリカの俳優が日本に旅行にきていたアメリカ人の女性と恋に落ちる恋愛映画だが、全編を通して、とにかく日本での生活に退屈しているビルの姿がメインになっている。なんだか見ていて、日本はこんな退屈な国なのかとアメリカ人にバカにされてる気分になった。
 しかし途中ではたと気がついた。この映画の舞台が日本以外の国だったらどうだったろう。もしこの映画の舞台がパリだったら、ムンバイだったら、上海だったら。もちろん、こんな印象にはならないだろうし、また、アメリカ人がその国をバカにしてるともとらなかっただろう。
 ようするにこの映画は、ちょっと人生に退屈しているアメリカ人同士が異国の地で知り合い、言葉も習慣もわからず戸惑う心情に自らの退屈な日常を投影し、その想いの果てに淡い恋心を育て合う、そんな映画なのだ。それが俺のような日本で生まれ育った日本人の目を通すと、日本はそんな退屈な国なのかよ、とバカにされてる気分になるのだな。
 よくよく客観的に見てみると、この映画、アメリカ映画にしてはなかなか作り方が渋い。日本が舞台だったために、この渋さに途中まで気がつかなかった。なかなかいいんじゃないですか、この渋さは。

2009年 6月 4日 (木)
 池袋で撮影。今日の撮影は初めてお会いするEさんだが、ゲストでひさしぶりにお会いするMさんも参加した。Mさんはここの会社で一番回数撮影した方だったのだが、退社したと聞いてとても残念に思っていた。この度復帰されたとのことで、今日再会できて嬉しかった。撮影も楽しく進んだ。しかし今までにやったことのあまりないタイプの撮影だったので、もうちょっと慣れたいところだ。

 ※後日談だが、この年の十月にMさんはお亡くなりになったそうです。俺とは正反対の生き方ながら、どこか同じ匂いのする印象深い方でした。ご冥福をお祈りいたします。

2009年 6月 3日 (水)
 TSUTAYAで借りたDVDで日本映画「おいしい殺し方」を見た。奥菜恵主演、ケラリーノ・サンドロビッチ監督のサスペンスである。
 奥菜恵のすり切れた演技が天才的に光った傑作。また犬山イヌコや池谷のぶえなど、個性的な女優さんがわきを固めてさらに笑いを倍増させている。真木よう子もかなりイイ。しかしトリックのいい加減さはもう少し何とかならなかったのだろうか。
 気に喰わないのは、劇場公開版の癖に画質がビデオ映像だったことだ。これはもともとギャオで放映するために制作されたものだが、その後、劇場公開もしたわけだし、特典映像で入っていた予告編はフィルムっぽい映像だった。それでなんで肝心の本編が安っぽいビデオなんだ。
 頭にきたのでDVDをリッピングして、インターレース削除して逆テレシネして秒24コマに落として新たにDVDを作成してやった。これで少しは映画みたいな映像になった。

2009年 6月 2日 (火)
 川越に印鑑証明をとりにいった。夜は池袋で集金。

2009年 6月 1日 (月)
 大縁会に参加。

2009年 5月 31日 (日)
 あたる♪ちゃんとこないだ見つけた「背中」のロケ地で使うレストランに行って、場所の最終確認とその近所でロケハン。

2009年 5月 30日 (土)
 午後、東新宿のR社で打ち合わせ。

2009年 5月 29日 (金)
 TSUTAYAで借りたDVDでジョン・カーペンターの「ゴースト・オブ・マーズ」を見た。
 俺は「B級映画」という言葉が嫌いで、とにかく人と映画の話しをしていると、何かと「B級」という言葉を使いたがる人がいる。「B級だけどおもしろかったね」だの「おもしろかったけど所詮、B級だね」だの、その類いの人に言わせればアクションやホラーやちょっとエンターテイメント性の高い映画や低予算の映画はすべて「B級」ということになってしまうらしい。とにかく「B級」「B級」とうるさくて敵わない。
 しかしジョン・カーペンターの映画を見ると、「ああ、俺はこの人の映画のためにB級という言葉を大事にとっておいたんだな」などと思わせてくれるような気持になる。まさにカーペンターはB級映画の教祖である。
 さてこの「ゴースト・オブ・マーズ」は、火星を開拓していた人類が、すでに絶滅した火星人の亡霊にとり憑かれて殺し合ってしまうという物語である。火星をアメリカ大陸、火星人をインディアンに置き換えればそのまま西部劇のネタになるような、意味の無い舞台設定はいまいちだが、それなりにセンスは光っている。
 DVDの特典で入っているカーペンターと主演女優さんの音声解説が、映画本編に関係ない雑談ばかりしゃべりまくっていて、ときに危ない暴露話なども出たりして、本編以上におもしろかった。

2009年 5月 28日 (木)
 午後、渋谷で集金。その後、虎ノ門の歯医者に行く。わざわざこんな遠いところの歯医者に通っているのが最初は腑に落ちなかったが、確かに無理矢理勧められただけのことはあって、かなり腕がいい。

2009年 5月 27日 (水)
 TSUTAYAで借りたDVDでスタンリー・キューブリックの「現金(ゲンナマ)に身体を張れ」を見た。キューブリック初期の作品で、まだ普通のクラシック映画の監督みたいだった頃の作品だが、演出や終わり方などはすでにかなりキューブリックらしい。

2009年 5月 26日 (火)
 午前中、虎ノ門にて打ち合わせ。その足で六本木に先週閉店したバイト先から荷物をすべて引き上げて帰った。夜、西新宿のスタバで待ち合わせて天野と打ち合わせ。

2009年 5月 25日 (月)
 午後、自主映画「背中」の女優さんがやってきて、衣装合わせとリハをやった。
 セリフも無く、ただそこで見つめるだけの演技だが、いつまでもカメラを回していたいほど、崇高な美の世界がそこにあった。本番でこれが再現できたら成功だし、できなかったら失敗である。
 映像制作とは、光と影の網を使い、美しい蝶をつかまえる行為に似ている。

2009年 5月 24日 (日)
 午前中、俺が自主映画界でもっともその実力を認めるかたのひとりであるキノ監督が女優さんを連れて事務所にやってきた。彼が現在撮影中のホラー映画の素材である壊れていらなくなったパソコンを引き取りにきたのと、主演女優さんのオーディションというかリハーサルの場としてうちの事務所を貸すことになったのである。
 パソコンは古くていらないやつがたくさんあったのでそれらをゴソっともらってくれたら嬉しかったのだが、キノ監督が目をつけたのはついこないだまでつぶらが使っていてお蔵入りにしたばかりの宇宙ステーションみたいな型のiMacだった。本当はこいつはもう少し事務所においておきたかったのだが、他ならぬキノ監督の新作に使われるならiMacも本望だろうと思い、あげることにした。
 あげるiMacを初期化している最中、キノ監督は女優さんのリハをやっていた。スクリームクィーンに相応しい美しい女優さんで目の保養になった。願わくば本編では思いっきりエログロに穢してあげてほしい。

 バイト最終日。今日だけ限定で数年ぶりに復帰した従業員さんもいて、最後らしく盛り上がった。閉店後、近くの居酒屋で皆で飲んだ。十年間の思い出を語り合ったりして、全員で涙を流す場面などもあり、結局、朝まで飲み明かした。
 ここでバイトをしたのは一年ちょっとだったが、仕事のクライアントとしては俺が独立する前の開店当初から、かれこれ十年になる。いろいろあった十年だった。何にも代え難い貴重な出逢いや経験を両手に抱えきれないほどいただいた。皆と飲んでいたら、そんな思い出が泡のように浮かんでは消えていった。
 永遠に終わらないような気がしていたものが、はたと終わった長い一瞬だった。

2009年 5月 23日 (土)
 都庁と銀行をハシゴ。

 TSUTAYAでDVDを借りて押井守の新作「スカイ・クロラ」を見た。
 永遠の命をもったヘビースモーカーの子供たちが、明日死ぬとも知れぬ戦争ゲームを空しく繰り返す日々を描いたアニメ映画。
 この映画の原作は前に買って途中まで読んだことがある。押井守が映画化すると聞いて、ピッタリだと思った。映画の出来も、その期待を裏切らない、押井守らしい映画になっていた。
 この映画、たまにセリフが英語(日本語字幕)になるのだが、ひとつ、大事なセリフが実際にしゃべってる声と字幕とで違う部分がある。その意味を考えると、どこまでも深読みができそうな映画だった。
 菊池凛子の声がよかった。

2009年 5月 22日 (金)
 午前9時半、虎ノ門で打ち合わせ。

 TSUTAYAで借りたホラー映画「愛しのジェニファー」を見た。ダリオ・アルジェント監督。これは「マスターズ・オブ・ホラー」という13人の監督による1時間のホラー映画のオムニバス・シリーズである。
 俺は高校の頃、ダリオ・アルジェントと言えば一番好きな監督だった。九十年代以降、あまりおもしろい作品を撮ってなかったのでここ二十年ばかりちょっと興味を失っていたのだが、やっぱりなんだかんだ言ってこの人は天才なんだと思った。
 これはウザイ女の恐怖を描いた一流のホラーである。さすが女好きのイタリア人。選ぶテーマが効いている。ウザイ女に苦労した経験のある男性にとってはかなり怖い映画だ。
 手の傷とか、意味深な描写で観客の気をそらして意表を突く展開にもってゆくところなど、実にうまい。オチにも見事に意表を突かれた。さすがの俺も、このオチは予想できなかった!
 ちなみに「ジェニファー」というタイトルは意味深いものを感じる。アルジェントの映画で「ジェニファー」といえば、ジェニファー・コネリーを思い出す。アルジェントはジェニファー・コネリー主演で「フェノミナ」(そういえば役名もジェニファーだったな)を撮ってからジェニファー・コネリーにぞっこんになり、魔女三部作の最終作の主演に抜擢しようとしたが、当のジェニファー・コネリーに断られ、その後、魔女三部作の最終作の完成まで二十五年後もの月日を費やしたのは意中の女優に断られたことが関係しているのかは知らないが、この映画のタイトルが「ジェニファー」になったことほどくらいは関係あるかもしれない。そういえば「フェノミナ」でジェニファーが奇形の少年の顔を見て逃げ出すシーンがあったが、この映画は奇形のジェニファーを救った男が地獄に堕ちる映画なのだ。何か対照的な象徴性を感じはしないだろうか。

 同じDVDに「マスターズ・オブ・ホラー」シリーズの他の一作であるラッキー・マッキー監督の「虫おんな」という作品も入っていた。ラッキー・マッキーなどという監督は知らないが、こちらはレズの昆虫学者が意中の美女をモノにしたはいいが、その美女が自分の飼ってた謎の奇虫に刺され、バケモノになってしまうという物語。
 今の俺は基本的にホラー映画なんて好きじゃないので、80年代のノスタルジーも感じさせてくれない知らない監督の新作など好きになれず、つまらない作品じゃなかったが、特にこれといった感想は無いのだった。

 とりあえず「マスターズ・オブ・ホラー」シリーズは、80年代に好きだった監督が手がけたものだけはすべて見よう。

2009年 5月 21日 (木)
 14時、都庁の産業振興課で手続きのやりなおし。16時半、新橋で集金。17時、新宿東口で打ち合わせ。誰も金が無い、という前提ですべての課題が進んでゆく毎日。
 無い物ねだりの悶えより、それを埋め合わせる精神的馬力に比重を置いて乗り越えてゆきたいものだ。

2009年 5月 20日 (水)
 午後、金融機関に書類を手渡し。16時、お料理教室にて更新の打ち合わせ。19時、高田馬場BABACHOPのフレッシュ笑イブを観覧。この場で二ヶ月後の7月21日、自主映画「背中」の公開撮影をやる。その告知と、出演してくれる芸人さん集めが目的だった。お笑いのライブなのにお笑い芸人でもない俺が舞台にあがって自主映画の告知をするのはとても後ろめたかった。

2009年 5月 19日 (火)
 昼の予定が夜になり、夜、父上と妹1と東京・八重洲で食事。野菜が中心のお店でうまいトマトやナスなどを喰った。そういえば昨日、近所の八百屋でトマトを買ったとき、まるかじりするのにうまそうな大きなトマトをくださいと言ったら、八百屋のおじさんが「こっちのトマトのほうが甘くてウマいよ!」と赤くてちょっと小さめのフルーツトマトを勧めてきた。いや、俺は普通のトマトのほうが好きですからこちらでいいですと大きなトマトを指差すと、八百屋のおじさんが「いいから、こっちのほうがウマいって!」と強引に勧めてくる。それでもあまり甘いトマトは好みじゃないのでと断ると、「じゃあ特別だぜ、一個喰ってみろよ、こっちのほうがウマいから!」と八百屋のおじさん、その場でトマトを一個、タダで喰わせてくれた。確かに甘くてうまかった。「甘くてうまいですね」と言うと、「だろ?」と八百屋のおじさん、ご満悦のご様子。しかし俺はあまり甘いトマトは好きじゃないので、「でもやっぱりこちらの大きなトマトをください」と当初の予定通り普通のトマトのほうを買って帰った。今日、食事中に父上がトマトを喰いながら「俺はあまり甘すぎるトマトが好きじゃないんだよな」と言ったとき、昨日のことをふと思い出した。やはり親子なのだな。

2009年 5月 18日 (月)
 見るからにマズそうな大根を切ってるときはテンションが下がる。これで本当にウマい料理ができるのか、という疑問が頭から離れないからだ。それでも大きな大根だから、マズいところを切り取って、切り取って、ウマそうなところだけを残してゆけば、なんとか食えるものにはなってゆく。と思う。食あたり起こさねばよいのだが。

 あたる♪ちゃんと港区をロケハン。
 実はレストランでの撮影をしたいので、撮影できるレストランを探していたのだが、あちこち電話しても、どこも撮影費が高額で、とても低予算の自主映画に出せる金額じゃなかった。そこであたる♪ちゃんが今日になっていきなり「こうなったら足で探そう!」と言い出したのだ。
 足で探そうが電話で探そうが同じなんじゃないかと思ったが、いきなり飛び込みで入ったレストランが格安でオーケー。念のためにとその次に入ったレストランがこれまた比較的安い金額で撮影許可が降りた。なんなんだ。電話で探してあれほど見つからなかったのに、何が違うのだろう。

2009年 5月 17日 (日)
 六本木で今度手がけることになったサイトのことでSEO業者と打ち合わせ。

2009年 5月 16日 (土)
 午後、銀行で相談。ちょっと方針が変わった。また一から手続きのやり直しだが、当初よりずっとシンプルになったのでプラマイゼロ。

2009年 5月 15日 (金)
 午前中、六本木の指圧・整体のお店で広告の宣材撮影。
 モデルを「女学生の背中」で女学生役をやってもらったのんたれさんに頼んだ。直前まで予定していた他のモデルさんが都合が悪くなってしまったので、急遽お願いしたのだ。
 昼食はクライアントのTさんにうまいフライ定食をご馳走していただいた。

2009年 5月 14日 (木)
 午前中、虎ノ門でミーティング。その後、近くで昼食をご馳走になる。
 午後は銀行で相談。その後、歌舞伎町で打ち合わせ。
 今日一日で仕事が一気に増えた。どうして一度にくるかな。俺ひとりでやってることの数が最近とにかく多すぎる。
 こういうときは、集中してやる時と、息抜きのバランスが非常に大切だ。集中してやっても、あまりはかどらないときがある。また、息抜きしていても、あまり息抜きになっていないときがある。そしてその原因は、それぞれのクオリティとバランス関係にあるのだ。生活のリズムも大きい。
 あと1年以上はこんな予断の許さない時期が続くんだろうな。

2009年 5月 13日 (水)
 TSUTAYAで借りたアメリカ映画「マイノリティ・リポート」を見た。スピルバーグ監督、トム・クルーズ主演。普通につまらなかった。

2009年 5月 12日 (火)
 最近ギャオで「セックス・アンド・ザ・シティ」を見始めたら意外とおもしろくて少しハマっている。キャラでは特にミランダのしっかりしてるようで、どこかとりとめない動向に目が離せない。

2009年 5月 11日 (月)
 俺が脚本を書いてマシュ〜さんが監督する自主映画「アネモネ」の撮影に参加。自転車に乗り、美しい女優さんを追いかけ、お花畑からお花畑へと飛び回るかのような、麗しい撮影だった。映画もそんな麗しい作品になるだろう。

 夜は池袋にて仕事の撮影。こちらもなかなか楽しかった。

2009年 5月 10日 (日)
 午前中、公的機関にて面談。紹介状を作成してもらった。午後は編集作業。音楽のフリー素材を片っ端から聴きまくる。
 映像に合わせる音楽を探してて、クラシック音楽って不思議と使い勝手がいいことに気がついた。カット割りや映像のアクションに音がピタリと合うのだ。なんだろう、伝統で培われた神秘の領域だろうか。
 しかし、合いすぎて映像本来の味が損なわれるきらいがあり、使う場所を選ぶな。

2009年 5月 9日 (土)
 ギャオで韓国映画「親切なクムジャさん」を見た。
★★★★ 三四年前に映画館に見にいった映画だが、あのときはいまいちノレずに終わった。この映画は「復讐者に憐れみを」「オールド・ボーイ」に続く“復讐三部作”の最後の作品なのだが、せっかくの三部作のトリとしてはちょっと物足りない出来だと思ってしまったのだ。しかし今にしてみると、これはこれで三部作の最後の集大成といえる内容に思えた。
 考えてみたら「オールド・ボーイ」は今まで俺が見た韓国映画の中でもピカイチの部類に入る傑作だ。比べちゃ酷というものだ。
 無実の罪を着せられ懲役を喰らった女が、刑務所で仲間を集めて出所させる順番に役割を与えて復讐の計画を遂行してゆくという構成がおもしろい。願わくば最後はもっと派手にしてほしかった。

2009年 5月 8日 (金)
 午前中、税理士の先生がやってくる。資金のやりくりについてアドバイスをもらう。午後はバイトしながら書類に記入。

2009年 5月 7日 (木)
 ピアノの先生の先生と打ち合わせ。夜は妹がきて仕事。その他の時間は脚本を書こうとしていた(書こうとしていただけで実際にはほとんど何も書けずに一日が終わった)。

2009年 5月 6日 (水)
 最近「蒼天航路」がアニメでやっている。一番好きな漫画のアニメ化だから一応見ているが、必ず途中で見たことを後悔し、見るのをやめる。人間って不思議なものだ。

2009年 5月 5日 (火)
★★ TSUTAYAで借りたDVDでペドロ・アルモドバル監督のスペイン映画「ボルベール<帰郷>」を見た。アルモドバルはコメディ系の作品が好きなのだが、これは真面目な映画である。しかし他のアルモドバルの真面目な系統の映画とくらべると少しはコミカルな面もある。
 物語の重要なポイントとなる複線が最初と最後に登場人物の会話だけで説明され、重要かと思われた殺人のエピソードは途中で闇に葬られ、どうも頭の中で映画の焦点が定まらず、混乱してしまった。もう一回見直したら映画のポイントは理解できたが、時既に遅し。映画を楽しめるまでには至らなかった。
 とりあえず女優陣がみんな素晴らしい。カンヌ映画祭でメインの女優6人が全員最優秀主演女優賞を受賞したというのも不思議ではない。

2009年 5月 4日 (月)
 新たに背中の残りのエピソードの脚本の執筆にとりかかる。一度ノリで書きなぐって完成したエピソードだが、後から読み返して「これは背中のテーマにまったく関係がないな」と根本的な問題に気がつき、ボツにして新たに書くことに決めたものだ。
 今まで脚本の執筆で産みの苦しみってものをあまり味わったことのない俺には珍しく、真っ白なテキスト書類とにらめっこをしながら何時間たってもまったく何ひとつ出てこない。
 今日一日ぼーっとして(俺は脚本にとりかかるときは何も考えない。頭をカラッポにしないと脳がぐるぐる回ってくれないのだ)何も出てこなかったら、諦めて明日から別のことをやろう。

2009年 5月 3日 (日)
 寝坊。洗濯。

 ひさしぶりにカレーを作った。珍しくそれなりにうまく出来た。

2009年 5月 2日 (土)
★★★★ ギャオで日本映画「麻雀放浪記」を見た。1984年の映画だが、いい感じに白黒。
 戦後の日本でギャンブルにあけくれる個性的な人間たちをいきいきと描いた作品で、泥だらけの水たまりに捨てられたギャンブラーの死体に自分たちの未来を見つつ、「俺も最期はあんな風に死にたい」などと、そんな死に様をギャンブルに生きる人間の誇りとさえ思っているかのような、そんな人生観が全体を貫いていて、何やら気持よかった。

2009年 5月 1日 (金)
★★★☆ 1973年の日本映画「修羅雪姫」を見た。梶芽衣子主演。藤田敏八監督。
 梶芽衣子のド迫力の演技と、藤田敏八演出の血しぶき飛び散る残酷美が遺憾なく発揮された名作。劇中に流れる、梶芽衣子の歌う「怨み節」がまた素晴らしい。
 タランティーノがこの映画に影響を受けて「キルビル」を創ったと聞いていたが、影響を受けたというより完全にパクっているな。ほとんどコピーしたようなシーンがたくさん。
 それにしても主人公が最後に嗚咽する意味が俺にはわからなかった。しかし、わからないからこそ、人間なんだと思う。だからわからなくていいんだと思う。親の復讐を遂げるためだけに生まれてきたなんて、悲しい宿命なんだな。


戻る
wwwnikki ver 0.641(20020410) (c)AuSYSTEM 2002