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愛玩奴隷1
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薄暗い、どこまでも続いていきそうなほどに先の見えない石階段。
階段と表向きの店を繋いでいる扉を後ろ手にしめながら、
香芝静貴はこれから行われる行為にひっそりと呼吸を緊張させ、
冷えているが気色の悪い湿気のある階段をゆっくりとおりていく。
ここは香芝の主の持ち物であるSMクラブ。
その裏の顔へと続く階段だ。
限られた人間相手にしか姿をあらわさない扉をこえて香芝は階段を黙々とおりていく。
一人が下るのがやっとの狭い階段は恐らく二階分くらいは続いた。
目の前に出てきたベージュ色の鉄製の扉を前に香芝は僅かに躊躇した。
扉の脇に、指紋認証の鍵がある。既に香芝は登録済みだ。
人差し指の指紋を読み取らせれば容易く扉は開く。
この先は、地上では到底満たせない欲望が成就する場所。
だが、香芝にとってここは嫌な場所でしかない。
お仕置き。
その言葉が頭の中に浮かんではこびりつく。
一昨日行ったプレイの最中に粗相をした香芝に与えられた罰。
衆人環視の中で行われる責め苦。
苦痛だけならば悦びだが、主たる神近以外の人間に奴隷たる姿を見られることは
嫌いだ。
それがわかっているからこその、罰。
「ご主人様…」
小さく声にして、覚悟を宿す。
嫌でも何でも、望まれれば応えなければならない。それが、香芝のすべき唯一のこと。
唯一であり、それが香芝の存在理由の全てでもある。
指紋を読み取らせると、ピッという機械音に続き、かちりと鍵が外される音がした。
心臓がざわざわと騒いだ。
恐怖、期待、羞恥。
あらゆるものが入り混じり、なんだか足元がふらつきそうなほど頼りない。
重い扉を開けて中へと入れば、今度は長い廊下が続いている。
その先に快楽と苦痛がある。
その中で試される忠誠心。
服従し、満足させたい。
たとえ、その姿を誰かに見られていようと己の性質は変わらない。
まっすぐに前を見据えて足を進めると、物静かな廊下には香芝の足音だけが響いた。

   

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