マイメロちゃんが女神だったら 5 

 マイメロちゃんの朝は、とっても早いです。
 マイメロちゃんは女神ですが、毎日早起きをして、朝ごはんを作るのです。
 朝ごはんはいつも、マイメロちゃんと、新しい教皇のアイオロスさん、お世話係のカノンちゃんと、カノンちゃんと一緒にいたくて押しかけてくるサガちゃんの、4人で楽しくいただきます。もちろん他の黄金聖闘士さん達も、前日の夜までに連絡すれば、支度をしておいてもらえます。
「カノンさんは、今日のたまご、何がいーい?」
 マイメロちゃんはカノンちゃんに抱っこされて、台所まで運ばれながら尋ねます。
「あ、俺、目玉焼きが食べたいです。ベーコンエッグだともっと嬉しいでーす。」
 そんなふうにきゃいきゃいとしていますと、サガちゃんが威勢よくやってきました。
 カノンちゃんとも仲直りでき、色々と吹っ切れたサガちゃんは、以前とは見違えるように明るく元気です。
「おはようカノン、おはようございますマイメロ女神様。」
「はーい、おはよー、サガ。」
「おはよう、サガ。」
 サガちゃんはどんどんどんどんカノンちゃんに寄ってきて、ちゅっとおはようのキスをしました。
 マイメロちゃんはカノンちゃんの腕にだっこされたまま、楽しそうに2人のちゅうを見つめています。
 カノンちゃんからもサガちゃんにちゅうを返すと、更にそのお返しをサガちゃんがカノンちゃんへ。カノンちゃんが更にお返しを、と、いつまでもエンドレスです。
 サガちゃんとカノンちゃんが、いつまでもちゅうを繰り返しているので、マイメロちゃんはこっそりと、カノンちゃんの腕から飛び下りました。
「うふふっ、なかよしさんねv」
 マイメロちゃんは鈴の音のような声で笑うと、一人で台所に向かったのでございます。

「サガー、カノンさーん、ごはんできたよー。」
 マイメロちゃんが呼びに来た時、サガちゃんとカノンちゃんは、まだちゅうちゅうやっていました。
 カノンちゃんの腕からマイメロちゃんがいなくなったせいか、カノンちゃんの腕はしっかりとサガちゃんの背中を抱きしめています。
 サガちゃんの両腕は、カノンちゃんの腰を抱いています。
 2人の足は交差して、かなりぴったり密着しています。
 サガちゃんがどんどん迫っているせいか、ほっぺを真っ赤にしたカノンちゃんは、ちょっとのけぞっちゃっているくらいでした。
 かなりいかがわしい雰囲気ではありましたが、マイメロちゃんはもちろん、そんな空気は読みません。
「ねー、ごはんだよー。冷めちゃうよー。」
 けれどちゅうに夢中な双子ちゃん達は、マイメロちゃんがくいくいとサガちゃんの法衣をひっぱったり、カノンちゃんの足を叩いたりしても気がついてくれません。
 早くしないと御飯が冷めてしまいますし、食卓で待っているアイオロスもお腹を空かせてしまいます。
「やーん…。」
 マイメロちゃんは、すっかり困ってしまいました。
 でも大丈夫です。マイメロちゃんのやーんに、反応しない聖闘士なんていないのです。
「ああっ、申し訳ございません女神!」
 サガちゃんは慌ててカノンちゃんからお口を離し、カノンちゃんはへにょんとサガちゃんの腕に倒れ込みました。
「ううん。早くごはんにしよ?」
「はい。」
「はいー……。」
 カノンちゃんは足腰が覚束ない様子ながらも、マイメロちゃんを抱き上げます。
「お手伝いできなくて、ごめんなさい、マイメロちゃん……。」
「だいじょうぶだよー。」
 しゅんとして謝るカノンちゃんに、マイメロちゃんは屈託のない清らかな笑顔を向けてくれました。
 マイメロちゃんの作ってくれた朝ごはんは、とってもとってもおいしかったです。
 たまごはカノンちゃんがおねがいしたとおり、ベーコンエッグでした。
    
2008/02/16 






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