|
チョッパーと
仲間になったマイメロちゃんが、最初に興味を示したのは、自分と比較的大きさの近いチョッパーが相手でした。 でも、チョッパーは大きく慣れるのです。 しかもお医者さんなのだと聞いて、マイメロちゃんは素直にびっくり仰天でした。 「うわー、チョッパーくんてすごぉい。立派なんだねー。」 ぱちぱち、と、マイメロちゃんはわくわくしながら、やわらかいおててでぱふぱふと拍手をします。 マイメロちゃんの素直な賞賛に、チョッパーはいつものごとく、照れて否定します。 「何だー、そんなの、褒められても俺は嬉しくないぞ~。」 本当はとても嬉しいのに言動が一致せず、顔をでれでれとさせているチョッパーはとても可愛いと、メンバー全員思っているのですが。 しかし、空気を読まないマイメロちゃんには、それは通用しません。 マイメロちゃんはしゅーんと落ち込んでしまいました。 「ごめんね、マイメロ、本当にチョッパーくんはすごいなあって思ったんだけど……。」 「え、あ、マイメロ!?」 チョッパーの嫌がることを云ってしまったのかと、マイメロちゃんは悲しそうです。 そしてそんなマイメロちゃんを見て、チョッパーは大慌てです。 「おいチョッパー、何レディに悲しい顔させてやがるんだ!」 そこにちょうど、女性専用おやつを持ったサンジが来て、きつく睨みを効かされたりして。 それからほんのちょっとだけ、チョッパーが素直になったとかならなかったとか、そんな感じのお話でした。
ブルックと
マイメロちゃんとブルックさんは、紅茶がとっても大好きです。 なので、2人でひなたにティーセットを持って出て、一緒にティータイムを楽しんでいました。 「ブルックさんは、骨だけでお肉がないのね。」 「ヨホホ、全部なくなってしまいました。」 「マイメロも綿だけで、お肉がないのよ。骨もないけど。」 「おやおや、それはびっくりですー。」 布と綿でできているマイメロちゃんと、骨と髪の毛だけでできているブルックさん。 2人の不思議な生命体は、楽しい会話と暖かい時間を共有します。 「だから、マイメロとブルックさんは、お肉がなくておそろいね。」 「……はい、そうですね。おそろいです。」 マイメロちゃんがにっこりと笑い、ブルックさんも、皮膚のない表情は変わりませんが、マイメロちゃんと同じように笑いました。 そして、2人はこくこくと紅茶を飲んで。 仲良く同時に、同じ言葉を呟きました。 「「はー、紅茶がおいしい。」」
戦闘中
今日は他所の海賊が、サニー号に攻めてきました。 「やーんやーん。」 初めての敵襲におびえるマイメロちゃんを、ナミがしっかりと抱きしめています。 「大丈夫よ、マイメロ。うちの奴らは皆、強いんだから。」 「おう、そうだぞマイメロ。お前とナミは、この俺様がしっかり守ってやるからな。」 ナミはいつもすぐには戦いには出ませんが、必要そうなら武器を持って戦います。 ウソップも膝を震わせながらも、ナミを守ったり、皆の援護をしたりするのです。 しばらくは隠れて様子を見ていましたが、何分相手の人数が多い、というより、こちらの人数が少ないので、ナミとウソップもとうとう甲板へと飛び出しました。 「マイメロは、ちゃんと隠れてるのよ!」 ナミちゃんにそうは云われましたが、マイメロちゃんだって海賊です。 そろっと甲板に出て、高いところ、皆を見渡せる場所に立ちました。
「みんなー!がんばってね。おねがいv」
マイメロちゃんのお願いに、麦わら海賊団全員の頬がぽっと染まりました。 そして、パワーアップした皆は、あっという間に敵を退却させたのです。
「マイメロ、もっとお湯沸かして、それから綺麗な布も頼む。」 「はいはーい。」 戦闘が終わった後は、チョッパー医師の出番です。 そしてマイメロちゃんは、臨時看護婦さんです。 皆の手当てと甲板の掃除、壊れたところはフランキーとウソップが修理に向かいます。 ところどころで不器用なマイメロちゃんは、ばんそーこを思う位置に貼れずに何度も貼り直したり、何故か自分が包帯でぐるぐる巻きになってしまったりするので、看護婦さんは適当なところで切りあげて、遅くなったお昼御飯を作りに、怪我をしたサンジくんのお手伝いをしに行きました。 ロビンは最後に戻ってきて、チョッパーの手当てをします。優しい船医さんは、大きな傷はともかく、小さめの自分の傷は、いつも後回しにしてしまうのです。 消毒をして薬を塗って、包帯を巻いてあげながら、ロビンとチョッパーは、マイメロちゃんのことを話していました。 「彼女は『魅了』や『パワーアップ』の能力を、生まれつき持っているのかも知れないわね。」 「うん、なんかすげー力出た。びっくりした。」 マイメロちゃんは非力なぬいぐるみさんですが、すごい力を持っていました。 「彼女はとっても可愛いから、おねがいされたら、がんばれちゃうのかも知れないけど……。」 ロビンは少しためらって、それから、チョッパー以外の誰かが聞いていないかどうか、あたりを見回しました。 それから、チョッパーの耳元で、内緒よ、とささやいて。 「でも私、彼女じゃなくても、この船の皆が『おねがい』って応援してくれたら、きっといつも以上の力が出せると思うの。」 ロビンは顔を赤らめながら、そんなことを云いました。 そんなロビンの姿を見て、チョッパーはとてもとても嬉しくなります。 「おう、俺も、ロビンや皆が応援してくれたら、すっごくがんばれるぞ!」 なのでチョッパーもそう云うと、ロビンは、花のような笑顔を見せてくれました。
|
2008/05/13 |
|