マイメロちゃんがサニー号にいたら 22 

「あついよー。」
 マイメロちゃんは、ゾロを見つめて云いました。
「夏島海域だからな。」
 そう答えるゾロに、マイメロちゃんはもう一回云います。
「ゾロくん、熱いよー。」
「心頭滅却すれば火もまた涼し、だ。耐えろ、マイメロ。」
「やーん。」
「ふふふ。」
 お耳をたゆんたゆんさせてお首を振るマイメロちゃんを、とろけそうな笑顔でロビンが見つめて微笑みました。
 そのロビンの額にも、やはり汗が光っています。
「マイメロは、あなたとウソップがおあついわねって云いたいんじゃないかしら。」
「それはしょうがねえ。その通りだからな。」
「ふふ。」
「そっかー、仕方ないのかー。」
 ロビンはにこにこ、マイメロちゃんもはーと大きなため息です。だって、見ているだけでとっても暑いんですもの。
 そして、やっぱり汗を浮かべていたりするゾロの腕の中では、むぎゅむぎゅと抱きしめられたウソップが、脱水症状を起こしそうな勢いで汗を流しまくっていました。
「た、助けてロビン、マイメロー…。」
 ウソップはうめくように女の子2人に助けを求めますが、いつものことながら、2人とも微妙にゾロの味方っぽいです。
「ゾロくんとウソップくんがあっちっちー♪」
「あっちっちー。」
 嬉しそうに歌うマイメロちゃんに、ロビンもとても嬉しそうです。
「おう。」
 そしてゾロは自慢げに、2人にVサインを向けました。
 胸を張るゾロは、今日もウソップが大好きです。マイメロちゃんもロビンも、にっこりしてVサインを返し、いつもの仲良しさん達の光景でしたが、ウソップはそうもいきません。
「離せよー、ゾロー、ばかー、暑いー。」
 一生懸命じたばたすると、けれどもゾロは、とっても不満そうなお顔になりました。
「なんでだ。好きな奴とはいつだってくっついていたいもんだろう。離さねえ。」
 ゾロはきっぱり云って、ますますむぎゅむぎゅとウソップを抱きしめます。
「ゾロはナミちゃんと同じこと云うのね。……でもちょっとだけ判るわ。」
 やはり昨夜、暑いのに散々ナミにべたべたされまくったロビンは、ため息をついて云いました。
「とても暑いけど、でも、私もマイメロをだっこしたいもの…!」
 そうして、マイメロちゃんを抱きあげたロビンは、ぎゅううとそのふかふかの体を抱きしめました。
 マイメロちゃんは布と綿で出来ているので、いい感じにロビンの汗を吸ってしまいそうな気もしますが、深く考えてはいけません。
「うー。マイメロもロビンちゃん好きだからがんばるー。」
「……ああ、愛とは耐えることなのね……。」
 何だかもしかしたら、ロビンも実は、暑さにやられて頭が呆けているのかも知れませんでしたが、ゾロは力強くうなずき、ますますしっかりと、ウソップを抱きすくめました。
「その通りだ、ロビン。……だからウソップも耐えろ。おれも耐える。」
「マイメロも耐えるよー……。」
「たすけてー……。」

 そして、炎天下で馬鹿をやっていたため、具合を悪くしてしまった4人は。
 後でチョッパーに治療を受けながら、こっぴどく叱られてしまったのでした。
 愛の試練です。(違)
 
2010/07/30 






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