百聞は一見に如かず 1 

 もうそろそろ、日付も変わろうかという時間。
 今日の仕事を全て終わらせ、サンジは就寝前に入浴をしようと、風呂へと行った。
 先客がいるようではあったが、ナミでもロビンでもないようだし、サニー号の風呂は広いので問題はない。
 ……と思ったのだが、問題がありありだった。
 先に入っていたのはゾロとウソップで、淫行の真っ最中だったからだ。
「ぎゃああああ、サンジっ!?」
 一瞬時間が止まってしまったサンジに、ウソップが盛大な悲鳴をあげた。
 洗い場に四つん這いのウソップに、ゾロが後ろからのしかかっていた。
 多分2人はつながっているのだろう。
「何だよ、邪魔すんな。」
 ゾロが睨みをきかせてくる。
「お前らこそ、公共の場で何やってやがる。おれは今まで働いてたんだ、風呂浸かって寝るんだよ。」
 しかしサンジも、このままで寝るのは嫌だったので、さっさとシャワーの湯を出し、頭から洗い始めた。
「…っ、ゾロ、ばか、やだ、離せ抜けやめろよっ!」
 サンジが顔を伏せている間に、ゾロが何やら始めたらしい。
 髪を流し、体も手早く洗う。
「入れたばっかで誰が抜くかよ。あんな奴、気にすんな。ほら……気持ちいいだろ?」
「んーっ、んー。」
 振り向くと、ウソップが両手で口を覆って、必死に首を振っていた。
 もがくウソップの腰をしっかりと引きつけながら、ゾロの体がゆっくりと動いている。
 サンジはとにかく体の汚れを落とすと、浴槽に浸かった。
 はー、と、大きなため息をひとつ。
 サニー号の風呂はかなり広くてありがたい。熱い湯が体に沁み入り、一日の疲れが心地よく癒される。
 ……普段ならばの話だが。
 浴槽のすぐそこ、洗い場では、素っ裸で絡み合っている男が2人。
 そういう時の男の様子ほど、傍目から見てみっともないものはないような気がするのだが。
 しかしサンジは、すっかり目が離せなくなっていた。
 湯船の縁に両腕を組んで、そこにあごを乗せたまま、ついついじーと眺めてしまう。
 ウソップはぐしぐし泣きだしているけれども、嫌がっているのは、行為ではなくサンジの存在ということは明らかだ。
 濡れた床に爪を立て、ゾロの腰が前後に動くたびに、ウソップは体のどこかしらをびくびくと跳ねあげる。手で覆うだけでなく、分厚い唇を必死に噛み締めているようだがが、詰まった声をのどの奥で消し切れていなかった。
 ウソップは赤くなった目をサンジにおずおずと向けてきては、ぎゅっと目を閉じて顔を背けることを何度も繰り返している。
「びーびー泣いてんじゃねえ。」
 そんなウソップに、ゾロは乱暴な口調でささやくが、残念、声が気持ち悪いほど甘ったるい。サンジの前なので格好付けたいのだろうが、ゾロがウソップにベタ惚れなのは周知の事実だ。
 両手で口をふさいでいるせいで、ウソップの上半身が床にべったりついてしまっているのを気にしてか、ゾロは大切そうにウソップを抱き起こした。
「や…!」
 そのままウソップを自分の膝に乗せる形で、ゾロは床に座る。
 2人の体がサンジの方を向き、それでまたウソップがもがいたが、暴れる腕はゾロの片手にまとめられてしまった。
 サンジのところから繋がっている箇所は影になって隠れているが、そのかわりにウソップのものが、硬く勃ちあがっているのが見えてしまう。
 本来なら見たくないようなものなのだが、今だけは、ゾロに突っ込まれてウソップは勃ってんだなあと、ついしみじみサンジはそれを見つめてしまった。
「コックに声、聞かせてやったらどうだ。」
 ゾロはウソップのあごをつかんで、いつもよりずいぶんと赤みを増した分厚い唇の中に、太い指をぐいぐいと押しこんでいく。
 涙に濡れたウソップの頬をぺろりと舐め上げ、そして、サンジの方をちらりと見て、ゾロは唇の片端を持ち上げた。
「んん…っ、あぅ……。」
 ウソップはゾロの指に口の中をかき回されながら、不明瞭な声を洩らす。けれどその中にははっきりとした快感の色があって、ゾロはやたらと自慢そうだ。
「おい、エロコック。ウソップが気になるんだろ。見るだけなら、もっと近くで見ても構わねえぜ。」
「んーーっ!」
 ゾロの挑発に、ウソップは涙を零して首を振る。
「そうか。じゃあ、ありがたく。」
 そしてサンジは浴槽から出ると、遠慮なく2人の前に膝をついた。
「…っ。」
 ゾロはまさかサンジが受けるとは思っていなかったようで、一瞬動揺した様子を見せる。
「よく見えねえ。ウソップの脚、持ちあげてくれよ。てめえのもんがウソップに入ってるとこ見てえ。」
「……お、おう。」
 サンジが真面目に頼むと、ゾロは気圧された様子でウソップの両脚を持ち上げた。ついでに左右にも大きく開いてくれたのは、ゾロのサービスなのだろうか。
「やあっ。」
 そのせいでより深くまでゾロのものが入ったのか、ウソップは、涙まじりの嬌声をあげた。また暴れるようにもがくが、ゾロのものに穿たれ、膝の裏を頑丈な腕に持ち上げられてしまっているから、足先がばたばたと動くだけだ。
 もがいたせいでウソップは余計に感じてしまったのか、硬く張りつめた先端から、とろりと透明な蜜が零れ落ちた。
「やだ…っ、サンジ、見んなっ。」
 サンジは身を低くして、ゾロとウソップの結合部をまじまじと見る。
 両脚を持ち上げてもらったおかげでよく見えるようになったウソップのそこは、ゾロのものに刺し貫かれ、大きく開かされていた。
「……すげ、ほんとに、入ってやがる。」
 半ば無意識に、サンジは呟いた。
「やだよぉ…っ。」
 それを聞いたウソップは、声をあげて泣きだした。
 ゾロのものが嗚咽のたびに締め付けられ、とても心地がよい。
 いつもよりもウソップの中が熱い、と、ゾロは思った。
 サンジに見られている羞恥のせいか、ウソップはかなり興奮しているようだ。ゾロのものにねっとりと絡みついてくる秘肉は細かな蠢動を繰り返し、みだらに揺れる腰つきが更にゾロの快楽を増す。
 それによって高められたゾロのものも、ウソップをますます喜ばせていることだろう。
「やだ、…サンジ、やだぁ……。」
 しかし、ウソップの呼ぶ名が自分のものではないことに、ゾロは気を悪くした。
 見てもいいと煽ったのは自分だったが、しかしサンジは何が楽しくて、まじまじと結合個所を見つめ続けているのか。
「マリモの、無駄にクソでかいよな……。なあ、ウソップ、痛くねえの?」
 サンジは目を少し潤ませ、それでいながら妙に真剣な表情で、ゾロのものに貫かれたウソップの秘奥をのぞき込んでくる。
 ゾロは抱えあげた脚を揺らし、ウソップに泣き声混じりの嬌声をあげさせた。
 いつまで見ているんだとの不快感はそろそろ湧いてきていたが、でかいと褒められれば悪い気がしないのが男である。
「痛いどころか……、気持ちいいんだよな、ウソップ。コックに教えてやれよ。」
「や…だぁ、…うっ、ふぇ……。」
 耳の後ろに唇を寄せてささやくと、ウソップはべそべそと泣きながら、切なげに身を捩った。
 感じ切った様子がとても可愛いから、サンジの前で、それを宣言させたくなる。
 抱えあげた脚を揺らし、小さく奥を突いてやると、ウソップは全身を震わせて、ゾロのものを締め付けた。
 荒く乱れた呼吸にも、微かな声がもうずっと混ざりっ放しだ。
 
2009/10/03 



やってる最中に誰かが入ってきちゃうネタが大好きです。
ワンピースではいくらでも書けると思うととても幸せ。各カップルごとに、他クルー全員が踏み込めばいい!



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