|
「んんっ、あうっ、ああっ。」 ゾロはもう声が止まらない様子で、何度も大きく身をよじった。 すっかり全身過敏になっているらしく、どこにどうふれても、びくびくと体を跳ね上げるのがとてもいい。 狭かった秘肉も、もうかなりサンジのものに馴染んできたようで、熱くうねりながらサンジのものに絡み付き、きゅうきゅうと締め付けてくるようになった。 「よーしよし、御立派御立派。」 ゾロのものも、サンジの手の中でいい感じに体積を増してくる。 「ば、ばか、やめろっ。」 重みを計るように手の上で揺らすと、ゾロは羞恥に顔を染めて怒りだした。 「はいはい。可愛い可愛い、ゾロ大好き。」 しかしこんな状況で何を云われても、ただひたすら可愛いだけである。 ゾロは判ってないよなーと鷹揚な気分でサンジはゾロを抱きしめ、御機嫌をとりつつも、手も腰も休めず的確にソロを高めていった。 「ん……、ああ、や…ぁ、コック、……ああっ、コック…っ。」 そうしているうちに、ゾロはすすり泣くような声を盛らしながら、腰をせりあげてくるようになった。 目からは涙、唇の端からはよだれが零れ、額の汗も次々に玉を結んで流れ落ちている。 ゾロのものをいじり続けているサンジの手も、すっかりぐしょ濡れだ。 サンジはもうしばらく前から絶頂をこらえているような状態だったが、どうやらゾロも、そろそろらしい。 「ゾロ…、今度はちゃんと教えろよな。一緒にいこうな。」 ゾロの耳朶にかじりつき、ねっとりと舐めしゃぶりながら低く息を吹き込む。 全身に大きく震えを走らせ、ゾロはこくこくとうなずいた。 そんなゾロに興奮してしまったサンジは、もっと激しく突き上げようと体を起こすが、ゾロに腕を捕まれる。 「え、な、なに?」 「今の、やめんな……。」 「お、おうっ!」 どうやら今までの角度が、ゾロは気に入っていたらしい。 急いでサンジが云われた通りにしてやると、ゾロはどこかほっとした様子で、乱れた息をついている。 ……わああ、すごい、おねだりだ、おねだりされちゃったよ! と、サンジは内心で感激しながらも、ゾロの悦ぶ動きを続けてやった。 「ゾロ、ここ? ここいい? 気持ちい?」 ゾロの感度の良さに感動しているサンジの声は、妙に甘ったれた口調になる。 けれどもそれがゾロの意地や羞恥心を解き、快感に素直にさせるらしい。 「ん…っ、そこ…、いい、あ、もっと、コック…。」 ゾロはびくびくと震えながら、切ない声であえぎ、身悶えた。 サンジのものが、ゾロの中で強く脈打つ。 「ゾロ…っ、おれ、も、無理。我慢できね……、なあ、いってもいい? ゾロもいける?」 あんまりゾロが可愛い態度を取ってくれるものだから、サンジの忍耐ももう利かない。 ゾロのものを扱く手に力を込めながら尋ねると、ゾロはそっとサンジの頭を抱え込んできた。 「おれも、いきてぇ……。」 切なく掠れた声が、小さく告げてくる。 サンジはごくりと唾を飲んだ。 ゾロからも求められるのが、とてもとても嬉しくて、体の芯に火が点る。 「ん…っ、あ、ああっ…。」 サンジは、今までよりも少し強く、ゾロを突き上げだした。 痛がらせないように、ゾロのいいところを外さないように気をつけながらも、絶頂を目指した抽挿を繰り返す。 ゾロのものを刺激する手の動きも早くなり、脈動を強くして、サンジの手を濡らしていた。 「あっ、あ、んぁ、コック…っ。」 ゾロの腰が跳ね上がり、サンジにぎゅうっとしがみついてくる。 「んん…っ。」 絡み付いてくる粘膜の気持ちよさに、サンジも大きな声をあげた。 「ゾロ、ゾロ…、ああっ…。」 ため込んだ快楽を、ゾロの奥深くに叩きつけながら、手の中のものを思い切り扱く。 「んっ、くぅ…っ。」 びくびくと全身を跳ね上げて、ゾロも、一緒に達してくれた。
「大丈夫か。ケツ、痛くねえ?」 「……聞くな、馬鹿。」 「人が心配してやってんのに。」 サンジは手を伸ばして、ゾロの奥所に指でふれた。 サンジの出したもので濡れているそこは、先刻まで大きく開いていたのに、すっかり口を閉じている。 でも指に力を込めれば簡単に入りそうな気配もあって、サンジはついその誘惑に狩られるが、ゾロが体を離そうとするので慌ててやめて抱き寄せた。 「切れてねえし、できればもう一回くらいしてえけどな。」 「……っ。」 サンジがそうささやくと、ゾロは懸命に首を振った。 泣き出しそうな、焦った顔をしているので、サンジはゾロの頬に手を当てて首を振るのを止めさせ、そっと、いたわりのキスを唇に落とす。 「今日はここまでな。また今度、抱かせてよ。続きは次回させてもらうからさ。」 ゾロは照れたのか頬を幾分膨らましながらも、素直にうなずいた。 ゾロはほっとした様子で、全身の力を抜いた。 筋肉の緊張も解けたので、サンジはすりすりとゾロの肩に頬ずりする。 「……眠い。」 「まだ寝るなよ。疲れただろうけど、もうちょっとだけ、いちゃいちゃさせろ。」 「い……!」 密着したゾロの胸がどきんと高鳴ったのが聞こえた。 それでもゾロの方からも、まだ熱の残る腕を回してきてくれたから、サンジは嬉しくなって、にっこりゾロに微笑んだ。 性欲の物足りない分は、愛情で穴埋めできる。 さりげなく次回の約束も取り付けたし、初心者に無理はいけない。気持ちよかったとか嬉しかったとか、いい記憶だけが残るあたりで終わりにしておいてやりたい。 なのでその代わりに、恋人同士のスキンシップをと、望んだサンジにゾロも応えてくれるようなので、しばらくは静かなキスや、抱きしめたり撫でたり甘えたりしあったりしながら、こそばゆいくらいに甘ったるい時間を過ごした。 けれどもやはり、散々達したゾロは、本当に限界だったようだ。 次第に目蓋が落ち、うとうとしはじめたので、サンジもこのまま眠らせてやることに異論はなかったのだが。 しかし。 腕や脚を絡めたり、体を擦りつけあったりしていちゃついているうちに、いつの間にかサンジがゾロの腕の中に巻き込まれる体勢になっていた。 それは、今まで寒い晩にゾロが暖めてくれていたのよりも、もうちょっと密着を深めた抱きしめられ方だ。 サンジは、あれー? と云う気分になった。 それはもちろん、ゾロに抱きしめられてぬくぬくと眠りに就くのは大好きではあるが。 しかし、今のような事後ならば、どちらかというと自分が抱きしめて眠る側ではないのか? とも、思わなくもなくもない。 でもなー、抱かせてもらったしなー。とか。 だから眠る時は、抱かれるんでもいいかなー。とか。 そんなことをつれつれと考えているうちに、サンジの目蓋もだんだんと落ちていく。 ゾロはもう一足先に夢の中だ。 まあいいか、と。 「すげえ好き。」 と、呟いて。 ゾロに、すり、と身を押しつけ。 サンジは心地よく眠りについた。
その後、めでたく結ばれたサンジとゾロは、寒くない晩でも一緒に眠るようになったのだが。 何事も最初が肝心のようで、した夜もしていない夜も、そしてもちろん寒い夜も寒くない夜も、ついでにたまにサンジが昼寝につきあう時も、ゾロがサンジを抱きしめて眠るのが基本の構図になった。 なので、ナミやウソップあたりには、逆だと思いこまれていたりもしていたようだが。 えっちの時はおれがだっこするんだよ! と断言してみたら、真っ赤になったゾロに目一杯ぶん殴られた。ので、喧嘩になった。 それでも、そんな晩でも、夜一緒に寝る時は、ゾロは大切に大事にサンジを抱きしめてくれるので幸せだ。 サンジは、ゾロという最高の布団を手に入れたのだった。
|
2010/05/30 |
|