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ウソップに唇を重ねたサンジは、その分厚い唇のやわらかさにうっとりしながらも、舌を伸ばしてその間に差し入れていく。 ウソップの唇も、サンジの舌につつかれ薄く開いたのだったが。 「ちょ、ちょちょちょちょちょーっと待ったサンジくん!!」 突然ウソップの手に胸を押し返された。 キスが中断され、不満顔のサンジの陰に隠れようとして、ウソップはじたばたしている。 何かと思ったらまだゾロがいた。 ゾロは顔だけでなく、首も腕も、たぶん服に隠れているところも全部真っ赤にしているようだった。 「なんだよ、まだいやがったのか、クソマリモ。おれら、まじめにつきあうことにしたんだからもういいだろ。恋人同士の愛の交歓を邪魔するんじゃねえよ、さっさと失せろ。」 サンジは露骨にいやな顔をして、手でゾロを追い払う仕草をする。 「ル、ルフィに……。」 「はいはい、報告すりゃあいいんだろ。明日云うよ。判ったからもう行けっての。それとも、おれ達のやってるとこ見てえ? 見物料は高いぜー。」 「み、見ねえよ! それからっ、誰がくるか判んねえような場所ですんな、隠れてやれ!」 「あー悪い悪い。次からは気をつけます。」 さすがにそれはサンジも尤もだと思ったので、それには素直にうなずいておいた。しかし次からとか云っているあたり、余り反省の色はない。
食料庫なりウソップ工場になり移動してからやればいいのだが、雰囲気が盛り上がってその気になってしまうと、もう移動している余裕はなくなってしまうのだから仕方ないのだ。 きっとそれも、今までは無意識だったウソップへの愛故! と、サンジは内心、こっそり盛り上がってみる。 どうやらゾロは、それを告げるために居座っていたらしく、ようやく出口へと向かってくれた。 その足取りがよろめいていたので、もしかしたら腰が抜けかけていて動けなかったのかもしれないが。 「ゾロ、ありがとな!」 その背中に、突然ウソップが叫んだ。 「何云ってんだよ。クソ剣士に礼なんか…。」 「だって、ゾロに云われなかったら、サンジくんと恋人になんてなれなかったし……。」 思わず咎めるサンジに、ウソップはもじつきながらもはっきりと云う。 「……なら、おれの分も云っとけ。」 「うん! ゾロ、ほんとにありがと!」 小さな小さな声のサンジの言葉に、ウソップは明るく元気よく、もう一度礼を云った。 ゾロは振り向かないまま、ちょっとだけ手をあげて、ダイニングを出ていった。 扉が閉まった瞬間、サンジはウソップに抱きつき、べったりと唇をつけた。 先刻中断してしまったキスの続きをと求めると、ウソップも今度こそ、サンジの舌を受け入れる。 たぶんウソップはキスも初めての筈で、だからまずは、サンジにされるまま、濃密なキスを受け入れている。 色々気持ちのいいキスをしてやれば、きっとウソップはすぐに覚えて、サンジがする以上に気持ちのいいキスの仕方を覚えてくれる。 それが今までのことで判っているから、サンジはますます熱心に、ウソップの口腔を舐め回す。 次第にウソップも同じように舌を動かし、緩く絡めたり、吸いあったりするようになると、ぞくぞくと甘い快感がサンジの背筋を伝った。 「サンジ……。」 キスをしながら、ウソップの手が、サンジの肌をなぞり出す。 まじめにおつきあいをすると決まったところで、今まで以上の、愛情あふれる行為をするのだなと思うと、サンジはどんどん興奮してきた。 「んっ、は…ぁんっ。」 乳首を摘ままれて、高く声が出てしまう。 サンジは負けじとウソップの体をまさぐっていくが、甘く背筋を震わせる快感に、何度も身を捩ってしまう。呼吸を乱し、乳首を転がされるたびに体を揺らしてしまうサンジを、ウソップは唇を濡らしたまま嬉しそうに見つめた。 「サンジくん、えろーい……。」 「てめえのせいだぜ。嬉しいだろ。」 うっとりささやくウソップをあおるように答えると、真っ赤になるのが可愛くて、サンジは笑った。 乳首を弄る指遣いは技巧に満ちているのに、サンジのちょっとした言葉に照れてしまう初々しさとのギャップが、たまらなくサンジの胸を弾ませる。 「ほら、ウソップもさっさと勃てな。」 サンジは手を伸ばして、ウソップのものをつかんだ。 扱いてやると、すぐに熱を取り戻し始めたので、サンジの指遣いにも熱がこもった。 そうでなくても、サンジは途中で行為を中断されてしまい、体内に熱をくすぶらせていたのだ。早くウソップにその気になってもらわないと困るのである。 「んっ、は……、サンジ、おれもする。」 ウソップの手もサンジのものへと伸びてきたが、既にサンジのものは、舌をふれ合わせるキスに興奮し、愛撫に反応して、持続したままだった欲を形に表していた。 「それより、こっち……。」 サンジはウソップの手首をつかんで、自分の背後へと持っていく。 「えっ、……あ、そ、そっか……。」 ウソップは真っ赤になって、サンジの双臀へとふれてきた。 軽く撫で回されて、サンジはぞくりと背筋を震わせながら、ウソップの肩に顔をすり寄せる。 先刻いいところで中断されてしまったそこは、ゾロの説教が長かったせいで、閉じかけ、潤いも乾いてきてしまっていたが、うずきは消えるどころかますます高まっていたのだ。 ウソップはオイルを指にたらして、熱のわだかまる秘奥へとふれてきた。 「あ……。」 そっと撫でられ、指を押しつけられると、サンジのそこは嬉しそうにウソップの指を飲み込んでいく。 「先刻は、ごめんな?」 「あのくらいで萎えてんじゃねーよ、男なら男らしく続行してみやがれっての。」 謝られて不満を思い出してしまったサンジは、そう苦情を告げてみた。 「いやいや。埋め合わせするから勘弁して下さい。」 けれどもウソップが苦笑しながらそう云ってくるので、それならいいかなーという気分にもなる。 軽く髪を引かれて頭を起こされ、ウソップの顔が迫ってきた。 ふにゅ、とふれる唇のやわらかさが、やっぱりたまらなくいい。 口を押しつけるようなキスをしながら、サンジの中の指が増やされる。 背筋を駆け昇る快感が全身に広がり、気持ちよさに力が抜ける。ウソップの指を咥え込んだそこも緩むから、内襞を擦る指がより自由に動き回り、サンジは身悶えながらウソップに体を押しつけた。 「なあ、……好きだぜ、ウソップ。」 「おれも! おれも、サンジが大好き。」 サンジがキスの合間にささやくと、ウソップは場にそぐわないぱあっと明るい笑顔になって、元気に答える。 けれどサンジもつられたように、満面の笑顔になってしまったのでどっちもどっちだ。 サンジはウソップのものを弄っていない方の手を癖の強い髪に絡ませ、何度もやわらかなキスをねだった。 キスも、指も、本当に気持ちがよくて、本気で溶けてしまいそうだ。 「……ね、サンジくん、もう出そう……。」 ウソップはじきに、そう訴えてきた。 サンジの中に含まされた指も、もう三本に増え、自由に動き回っている。 「なら、おれん中で出せよ。」 サンジはおとっときに低めた、甘い声でささやいてやった。 「で、でも、入れた途端出そう……。」 ウソップは真っ赤になって、上目遣いでちらりとサンジを見つめてくる。 「そしたら、そのまま二回戦に突入すればいい。」 サンジは至近距離で、目一杯色っぽくささやいてやった。 手の中のウソップのものが、大きく脈打つ。 これが、自分の中で熱を放つ時を想像すると、サンジはたまらなくなって、埋め込まれたままのウソップの指をきゅうと締め付けてしまう。 ウソップは持ちそうにないと恥じらっているけれども、そんなのはサンジもおんなじだ。 入れられた途端に出てしまうそうな気がするし、そんなふうに気持ちよくもなりたい。 「ほら、しようぜ。どうする、また乗ってやろうか?」 「おれにさせて。」 ウソップは鼻の先まで赤くしながらも、サンジの脚を広げさせ、その間に割り込んで、覆い被さってきた。 サンジはウソップの首に両腕を回し、それから顔も寄せて、唇との距離を無くす。 押し当てられたウソップのものが、ゆっくりとサンジの中に進んでくる。 ウソップとの行為は、いつだってサンジを心底溶かすけれども。 これからはきっと、もっと気持ちよく、楽しくなるのだろうなあと、サンジは心の隅で思った。
こんなふうにして、サンジとウソップは恋人同士になった訳だが。 それまでよりもうちょっと、唇の間の距離を無くした分だけ仲良し度が増したような気がするけれども、特に大きく変わってないような気もしなくもない。 仲間達には、あ、そう。で済まされた。 それはきっと、公明正大なお付き合いでなくても、既に充分仲良しだったからかもしれない。 キスをして、見つめ合ってくすくす笑って、そしてこっそり二人で籠る。 これからもずっと、そしてもっと、いつまでも二人は仲良しだった。
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2010/06/11 |
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