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ゾロからは、一日おきくらいに誘われる。 簡単に発散できると判ると頻繁になるのか、元々そのくらいのペースで自分でしていたのかは知らないが、ウソップは照れくささでもじつくことはあっても、結局一度も断ったことがなかった。 場所は、地下のウソップ工場が多かった。サニー号は広いし、意外と死角も少なくないのでその辺でこっそりということも可能ではあるが、ウソップが回りを気にして集中できなくなるので、結局そこが一番安心だ。 こんなことの為には電気が勿体ないので、小さな明かりを一つだけ、作業台の上でごそごそと体を寄せる。 どちらかが夜番の時は、見張り台でこっそりということもあった。 来いよとささやかれていても、自ら上に登って行くのは、待ちかまえていたようで恥ずかしかったが、ウソップはゾロとの約束をすっぽかせない。 結局はウソップも、ゾロに声をかけられるのを期待してしまっているのだ。 気持ちいい、し、ちょっとだけ慣れると、ゾロの感じている様子を見れるのも楽しくなった。 本来ならばウソップが見ることなどなかった筈のゾロの表情。同じようなところをゾロにも見られてしまっている訳だが、そんな恥ずかしい、みっともないようなところを見せ合うのも、それはそれで特別な親しさを沸き起こらせるような気がする。 この船のクルーは全員仲が良いけれど、でも、他の誰かとは分かち合えない傾向の親密さ。 「くそ…、やっぱり器用だな。」 「おうまかせろ。」 元々手の器用なウソップは、何度かしているうちにゾロの好みを覚え、ずいぶんと上手に吐き出させてやれるようになった。 自分より先にゾロを果てさせることが出来た時には、ひどく得意な気分になる。 そのままもう一度と求められても、してやることにやぶさかではない。 ゾロの手に導かれるのもとても気持ちが良く、ウソップはゾロとの行為を内心楽しみにしていたのだったが。
「なあ。入れさせてくれないか。」 互いのものに手を伸ばし、弄り合っていた時、ゾロが突然ぽつりと云った。 「何を。」 ウソップは突然のことだったので、意味を理解し損ねた。 「それ。」 ゾロは腰を揺らして、ウソップの手に自分を擦りつける。 「……どこに。」 「お前のケツに。」 「……すいませんさようなら。」 ウソップは大慌てで逃げ出そうとしたが、自身と肩をゾロにしっかりとつかまれたままだったので無理だった。 「やだ無理だめ、絶対に入んねえっつーか痛いのやだ!」 今まで本気で拒否したことはなかったが、しかしそれだけは絶対に無理だ。 もがくウソップのものはゾロの手の中で萎えてしまって、続けて揉みこまれても、恐怖感に震えて元気になどなれない。 「馬鹿。いきなり突っ込んだりなんかしねーよ。」 「いきなりじゃなくても、無理……。」 「じっくり慣らしてやるから。」 「でも無理……。」 「今日すぐじゃなくていい。何日かかけて解してやる。」 「けど……。」 「痛いことなんかしたことねーだろ?」 「でも……。」 額が、と云うより、鼻がぶつかるような距離にゾロは顔を近づけ、ゆっくりとウソップを懐柔してくる。 次第に弱くなる反論と、ゾロに弄られ続けて熱を取り戻すウソップのものの反応のせいか、ゾロが引いてくれる様子は全くない。 「いつも気持ち良くしてやってるだろうが。」 「そーだけど……。」 「もっと良くしてやるよ。」 「……。」 もっと気持ち良くなれるのはゾロの方だけではないかと不安を感じていた筈なのに、何故だかウソップは、ごくんとのどを鳴らしてしまった。 「な。下、脱げ。」 ゾロは殊更に優しくささやいて、ウソップの下肢をむき出しにした。 思わず引き寄せて丸くなろうとしたが、ゾロに膝の上に引っ張り上げられて、彼の腿を跨いで向かい合わせに座らせられる。 足首を奥へと引かれ、ウソップはゾロの胴体を挟んで、脚が閉じられないような体勢にさせられてしまった。 重くないかと心配になるが、どこもかしこも鍛え上げたゾロは、ウソップ一人の重さくらい大したことはないのだろう。 事実、ゾロはウソップを重り代わりにおぶって、腕立て伏せだのスクワットだのをよくしているのだ。 そうでなくてもウソップは昼間、ゾロに甘えて背中に飛びついたりもしていたし、スキンシップ好きのウソップとしては誰とでもすることだ。 けれとどさすがにどう云い繕ってもだっことしか表現できないようなこんな体勢は、とにかくどうにも落ち着かない。 ましてやウソップは下半身を裸にされていて、これが何のためなのかと思えば、ただひたすら恥ずかしいだけだった。 視界にちらちらする自分の鼻の先までが、真っ赤になっているのがいたたまれない。 それでもゾロの膝から下りようとしない自分は、結局ゾロのすることに期待を持ってしまっているということなのだろう。 正直云ってとても怖いが、それだけではない証拠に、ウソップのものはじわじわと熱を取り戻し始めている。 「痛いの……、やだ、からな。」 「判ってる。」 ウソップの素直じゃない了承に、ゾロは唇の端を持ち上げた。 「一緒に握ってろ。」 ゾロはウソップの腰を引きつけ、彼のものを擦りつけてくる。 両手が取られ、押しつけられると、ウソップはためらいながらも、2人のものをまとめて両手で包み込んだ。 手でさわるのはもう随分慣れていたけれど、互いのものが擦れ合っている感触は初めてだ。 そろそろと撫でていると、ゾロの熱が直接自分のものに伝わり、妙な気分になってきて、やたらと興奮してしまう。 「ん……。」 洩れる息が甘く鳴り始めた頃、ゾロはウソップの腰を擦っていた手を、ゆっくりと下へ滑らせた。
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2008/10/29 |
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